テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

じいちゃんのタイムマシーン

一覧ページ

「じいちゃんのタイムマシーン」のメインビジュアル

じいちゃんのタイムマシーン

100 - 第百話:実家への報告

♥

18

2022年08月08日

シェアするシェアする
報告する

2014年2月

妊娠がわかってから約二ヶ月後

安定期に入りつわりもだいぶ落ち着いてきた

相変わらず丈ちゃんの朝は早く

丈ちゃんはいつも心配そうに私のことを見ていた

丈太郎

まだ無理しちゃダメだからね

愛紗

わかってるよ

愛紗

大丈夫

最近やっと合わせて起きられるようになったけど

悪阻が酷い時にはいつも私を気遣って

代わりにできることをしてくれていた

愛紗

今日、お義母さんに連絡してみるね

丈太郎

うん……

愛紗

ついでに実家にも連絡しちゃうから

丈太郎

何かごめん……

愛紗

気にしないで

丈太郎

ありがとう

愛紗

うん

丈太郎

じゃあ

丈太郎

行ってきます

お腹の中にいるのが明日夢だって確信していたし

本当はもっと早くに報告したかったけど

変な心配をかけたくなくて

安定期に入るまで報告するのを我慢していた

愛紗

気をつけてね~

丈ちゃんを見送って中に入ろうとした時

琴音

おはよう

愛紗

おはようございます

琴音さんに声をかけられた

裕太さんから絶縁とも取れる宣言を受けた琴音さん

最初は酷く落ち込んでいたみたいだったけど

最近は笑顔を見せてくれるようになった

琴音

顔色だいぶよくなったわね

愛紗

つわりも落ち着いてきました

琴音

よかった

愛紗

はい

琴音

そろそろ性別がわかる頃かしら?

琴音

本当に男の子だったら凄いわね

愛紗

はい!

妊娠が判明してから

酷いつわりで動けない日々が続いた頃

たまたま調子の良い日に根岸家を訪れた私は

愛紗

琴音さん

愛紗

私もう名前、決めてあるんです

琴音さんに名前について話しをした

琴音

え?

琴音

でも……

琴音

まだ安定期にも入ってないわよね?

愛紗

でも待ちきれなくて!

琴音

何て名前にしたの?

愛紗

明日夢です!

琴音

あすむ?

愛紗

はい

私には確信があった

ここ(お腹)にいるのは間違いなく男の子だ

琴音

でも……

琴音

女の子だったらどうするの?

愛紗

大丈夫ですよ

愛紗

男の子ですから!

琴音さんは困惑している様子だった

まさか自分の旦那がタイムマシーンを作っていて

未来から私の息子が来ているなんて思わないだろう

念のため女の子の名前も考えおこうと何度も思ったけど

それはどうしてもできなかった

ここにいるのが明日夢だってわかっているから

琴音

不思議ね

愛紗

え?

琴音

何だか本当に

琴音

男の子が産まれてくる気がするわ

愛紗

ふふふ

琴音

ご実家には連絡したの?

愛紗

実はこれからする予定で……

愛紗

私の実家と彼の実家の両方に……

琴音

それなら休日の方がよかったんじゃない?

琴音

丈太郎さんいないのに……

愛紗

まぁ……

愛紗

そうなんですけどね……

この日を選んだのは丈ちゃんだった

休みの日だと電話を代わってほしいと言われることがあり

何度か丈ちゃんに受話器を渡したけど……

丈太郎・母

元気にしてる?

丈太郎

まぁ……

丈太郎・母

たまには帰ってきなさい

丈太郎

忙しいから……

丈太郎・母

丈太郎……

丈太郎・母

お父さんもあんたに会いたがって……

丈太郎

はい……

愛紗

え?

愛紗

もう!?

愛紗

すみません……

愛紗

もう代わってって……

丈太郎・母

嫌われてるのね……

愛紗

そ、そんなことは……

丈太郎・母

いいのよ……

いつも会話が続かない……

愛紗

丈ちゃん……

丈太郎

ごめん……

そう言われると……

それ以上、追求することもできなくなる

琴音さんにはあまりそう言う事情を話していなかったから

そう言われるのも無理はない

琴音

また何かあったら言ってね

琴音

いつでも手伝いに行くから

愛紗

はい

愛紗

ありがとうございます

その日の午後

丈ちゃんの実家に連絡を入れた

丈太郎・母

わざわざ連絡してくれてありがとう

丈太郎・母

まだまだ寒い時期だから

丈太郎・母

身体に気をつけてね

愛紗

ありがとうございます

丈太郎・母

丈太郎は元気にしてる?

愛紗

はい

お義母さんの言葉の端々から

丈ちゃんへの思いが伝わってくる

やっぱり休日に連絡すればよかった……

後悔の波が押し寄せる

愛紗

はぁ……

その後、私の実家にも連絡を入れ

母にも平日に連絡してきたことを少しだけ怪しまれたが

週末は忙しいからと理由をつけてごまかし事なきを得た

私の実家はここから車で約二時間半

丈ちゃんの実家は更に遠いため頼ることができず

代わりにお隣の琴音さんが凄く面倒を見てくれて

私は安心して過ごすことができている

作造さんとのことがあって

裕太さんは仲違いしたまま遠くに越してしまった

お嫁さんはその事を凄く気にしていて

たまに葉書を送ってくれるらしい

その葉書にはいつも裕太さんやお孫さんのことが書かれていて

琴音さんはお嫁さんのことを凄く優しい人だと話していた

愛紗

未来ではどうしているのかな……

明日夢が来てくれたら聞けるのに

結局はずっと会えないまま……

私は今も寂しさを感じる日々を過ごしている

じいちゃんのタイムマシーン

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

18

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚