じゃぱぱ
ゆあん
状況を把握する為に 一度外に出てみる事にした。
本当に事故が起きたなら 救急車を呼ぶべきだ。
こんな非常事態ループされた世界で ありえないことなのに。
俺たちは急いで外に出る。
靴の踵を踏んでいることも 気にならない。
玄関を開けた途端湿気の多い 夏の熱気が押し寄せる。
ゆあん
じゃぱぱ
玄関を出て早々俺たちが見た景色には 車もバイクもなかったのだ。
何も無い。
事故があった形跡すら。
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
6回目のループの時俺は月が満月 になっていることに気付いた。
1回目の時からだんだん月は変化 していてそれだけはずっと現実世界と 繋がっているものとばかり思っていた。
しかし6回目のループで月が現実と リンクしたとしたら。
8回目の今回のループで ゆあんくんの家の前が現実世界と リンクして事故の瞬間が見えた としたら。
きっと現実世界とリンクする タイミングはまた来るはず。
じゃぱぱ
ゆあん
その後俺たちは冷房がよく効いた ゆあんくんの部屋で今起きている 事柄を整理した。
俺の仮説もゆあんくんに共有してみた。
何通物可能性が想像できた。 それこそ、最悪の結末も。
じゃぱぱ
ここは現実よりも時の流れが 遅いから長く滞在しすぎると浦島太郎 的な現象が起きるかもしれない。
とか。
現実世界に戻ったら俺はいないことに なってたりしたらどうしよう。
とか。
そんなことを飽きずに 俺たちは話続けた。
考えだしたらきりがないことぐらい 分かっていた。 でも何が起こるかわからない この場所で可能性だけでも考えて 置くのは大切ではないかと考えたのだ。
ゆあん
じゃぱぱ
今日ゆあんくんのお母さんが 帰ってくるのは相当遅い時間らしい。 だから時間の流れに 気が付かなかったんだ。
そうは言っても外はこんなに 暗くなっていたのに… よく気がつかなかったな俺。
ゆあん
じゃぱぱ
立ち上がって気が付く。 かなり長いこと座っていたんだな。 両足じんじんと痺れているし 少しの立ちくらみがあった。
少し治まってから俺は歩き始めた。
階段を降りる。
俺の後ろからゆあんくんが 階段を降りる音がする。
玄関まで送ってくれるのか。珍しい。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
じゃあね。 って歩き出そうとして少し上がった踵をもう一度地面に下ろす。
ゆあん
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ゆあん
「逆って…」 言葉足らずにも程があるかもしれない。 でもゆあんくんにはこれで伝わった。
きっとゆあんくんも同じ事を考えてた。 この話題をきっと避けてた。
でも俺は気になる。聞きたい。
帰路に背を向けて 俺はゆあんくんの正面に向き直った。
じゃぱぱ
これが単なる「嫌い」の反対語では 無い事は俺もゆあんくんも分かってる。
分かってるから。
ゆあんくんは優しい顔で 大きくため息をついた。
一度視線を下げてから 真っ直ぐ俺の目を見た。
真夏の夜は蒸し暑くて でもそれ以上に内側から押し寄せて 体全体を満たしていく熱があった。
家を出た時よりも汗が吹き出して Tシャツが俺の肌にくっついた。
額が汗を伝った。
頭がぼーっとするほどの熱に 俺は満たされる。
やっと開かれたゆあんくんの唇を じっと見つめた。
時間がゆっくり流れているようだった。
ゆあん
眉を下げて呆れたように 残念そうに微笑んだゆあんくんが なんだか儚くてフラッシュバック してくるものがあった。
聞こえるはずのない踏切の音が 聞こえてくるようで 俺は涙が溢れそうだ。
小さな嗚咽が溢れた。
もう何の音も聞こえない。
ゆあんくんに向けて 1歩足を踏み出した。
そして何も見えなくなった。
8日目の金曜日が終了した。
コメント
3件
うっ...!!!やばい。最後のゆあんくんがやばいです。やっとゆあじゃぱ要素出てきましたね。待ってました!9日目を楽しみにしています。そして私、夏休みが今日で終わりなんですよね...なので、あまり見れなくなってしまいますが、一気に読めるのを楽しみにしてますね!!