じゃぱぱ
ゆあんくんを抱きしめる前に 俺はここに戻った。
いつもと同じ朝に。 部屋に。
沢山の後悔に俺の頭は支配されて 何も考えることが出来ない。 まただ、くそ。 そんなことよりすべきことが あるはずなのに。
ゆあんくんはあのことを 無かったことにしたいだろうか。
と思ってしまうと体が動かない。
呼吸の仕方も分からなくなった 俺の頭に突き抜けるような 明るい音が響いた。
玄関チャイムだ。
気が付いた頃には母親の 「ゆあんくんだよ〜!」 という音が下の階から聞こえてくる。
じゃぱぱ
母親に聞こえるように 大きな声で呼びかけた。
すると暫くして階段を上る ゆあんくんの足音が聞こえた。
というのも何年も一緒にいると ゆあんくんの足音かどうかも 聞き分けられるようになるのだ。
案の定俺の部屋の扉を開けたのは ゆあんくんだった。
少し気まずい雰囲気になることを 覚悟していたが部屋に入ってきた ゆあんくんの服装を見て 一気に俺の意識はそちらへ向いた。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
毎日同じ授業内容を聞いて 面白いものはないので 俺が学校に行っていた理由は ゆあんくんに会うためだ。 それと母親に怪しまれない為。
今となってはそれ以上に重要な ことが出てきて周りの目などは 全く気にせず一日学校をすっぽかしたり は何度かあったように思う。
それでもずっと俺の中にある不安は、
あの日と同じように過ごさないと それがその日の展開を変えて 現実に戻ったとき未来に大きな影響が 出ているかもしれないということ。
この可能性がゼロとは言えないのだ。
じゃぱぱ
俺は別の事に注がれていた 意識を本題に戻した。
突然ゆあんくんが家に来てくれたのだ。 なにか理由があるはずだと思った。
ゆあん
ほら、外暑いし。 と付け足したゆあんくんは 鞄を床に置いて座った。
俺だけベットにいるのは なんだか嫌で俺も床に座る。
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあんくんは俺に 「好きかもね」と言った。
それは不器用なゆあんくんの 告白であることには違いない。 それでもゆあんくんはその答えを 俺に求めている様子もなく 俺も正直自分の感情に確信が持てない というかふわふわしていて どう答えていいか分からないのだ。
それであるからに 俺はゆあんくんとどうやって 話したらいいのか分からない。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
戻りたくない理由 つまりそれは自殺した 理由とも言える。 それを案外すんなり話してくれる ゆあんくん。
俺は驚きながらもゆあんくんの話を 一語でも聞き逃さないように集中した。
思い返してみれば俺は特に ゆあんくんをかまっていた。
ゆあんくんだから優しくしたいし ゆあんくんだからそばに居たかった。
その湧き上がる感情の正体を 俺は無理矢理友情という カテゴリーに片付けてそれを ゆあんくんに押し付けていた。
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
そんなことを日々思いながら ゆあんくんは俺の隣にいた。
俺を拒まず、受け入れてくれた。
それなのに俺は 何も気付いていなかった。 こんなに近くにいたのに。
ゆあんくんは元々本気を出せば そのポーカーフェイスを 見破れるものはそういなかった。
でも俺はお前の親友だから。 必ず気が付けるはず。 なんてたかを括っていた のかもしれない。
親友だからって。
それとゆあんくんが一気に喋るから 拾いそびれそうになった言葉。
「周りの目なんて気にしないで」
どういう意味だろうか。
ゆあんくんと仲良くするのに 周りの目なんて気になる 必要があったか?
じゃぱぱ
ゆあん
ゆあん
じゃぱぱ
コメント
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え...。これ両想いっぽいけど、虐められてたのか...!?今日も作品ありがとうございます。