彼は気前のいい人間だった
幼いときは、お菓子やおもちゃを。成人してからは食べ物やお金など、彼は手に入れたものはなんでも仲間に分け与えた
そんな彼の人柄に惹かれ、彼の周りにはいつも人だかりができていた
小さな村で執り行われた彼の結婚式には、その村の人口を超えるようなたくさんの人々が集まったそうだ
正確にいうと友人以外の人間も、彼が用意するであろう豪華な食事やお土産を目当てに列席していたのかもしれない
しかし、それも昔の話だ
現在の彼の周りには誰もいない
誰もが彼との関わりを絶ってしまったのだ
可哀想に
彼
...僕はただ、みんなの喜ぶ顔が見たかっただけなのに