幸せと言えるように

いつからだっただろう

あの子の笑顔が一瞬にして消えたのは

そう、あの日だ…

これは嘘

家事は俺がやっている

でも、仕事を2つもやっている

お母さんには感謝しないと

この言葉、100回は聞いた…

何だっけ?

空や海のように皆を幸せにする

なにそれ…意味分かんない…

空を見たら安心できる

海を見たら心が落ち着く

それは俺が一番知っているから

だから

お母さんを幸せにしないといけない

だから、反論しない

早く部屋に行けば良かったのに

何で聞いちゃったんだろう

知ってた

お母さんがとっても優しい事ぐらい

でも、見ない振りをしていた…

いや、見えないようにしていた

だから

こんなにも

もっと

お母さんや刹那が

イヤなやつだったら…

こんな自分が

嫌い

死にたい

安心する

上を向くって大事

何で暗いんだろう

…

イヤな予感

ｶﾞﾀｯ

その時、俺の

静かに守っていた心が

ﾊﾟﾘﾝ

壊れた音がした

俺は死んでもいい

居なくなってもいい

生きていても、何の意味もないから

もう、死のう

覚悟を決めた

ｶﾞｼｯ

何で苦しそうな顔をするの?

何で

俺が一番求めていた言葉を

言ってくれるの?

まるで…

俺の痛みを知っているような…

…

考えても

戻ってこない事だってわかってる

でも、生きている間にもっと

家族らしいこと

でも、何でなんだろ

緑沙があんなに苦しそうなの

初めて見た

もしかして、緑沙も…

いや、なわけないか…