とある日私は最弱から最強に＿?¿

第一章

　　　　　　ﾒﾉｰｸﾞ　 「水平線の冥海」

春は声にもなっていない声を出しながら一生懸命頷く。

ぎゅ、と思い切り飛鳥に抱きつく春。(ほとんどタックル)

ポケットから画面の割れているスマホを取り出す。

が、いくら待てども黒い液晶に写る己の姿しか写らない。

※現実の事は言っていません。 今の政治に苦言を呈しているつもりはありません。 これはファンタジーであり創作であり作り話です。 そこらへんの区別をよろしくお願いします。

───どん。 うしろに気配、いや、覇気、と言ったほうが正しい。

魔力の靄を腕に巻いたカイラが腕を鉄鞭に変えたと思えば、ソレを逃げようとする熊の胴体に巻きつける。

炎羅が口に出した急所を一瞬にして魔法陣から出した槍のようなもので穿つ。

熊はそのまま横に倒れ込み、無事天に還った。

すると飛鳥が4つ分の簡易布団的なものを生成する。

カイラの勝ち

春の勝ち

飛鳥の勝ち

そうして夜は更けていった。

これからはどんな素晴らしい物語が紡がれるのだろう。

何処か不安で、でもそれに勝る未来への希望。

色とりどりの思いを抱えながら、視界は夜の風景より暗くなっていった。

第一章、開幕。