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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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カランカラン、と店の鐘が鳴る。

あれからと云うもの、 太宰は依然より更に頻繁にうずまきに通うようになった。

雛森〇〇

あら太宰さん、またおサボりですか?

太宰治

まーね、是から数日来れなくなるし

雛森〇〇

そうなんですね、其れは寂しいです…

そう云ってシュンと眉を下げる〇〇。

〇〇の何気ない一言にも過敏に反応する太宰。

幸い表情には出ていないものの、 胸はキュンとときめきの音を鳴らしていた。

雛森〇〇

今日も何時もの珈琲で?

太宰治

うん、頼むよ

注文を受けて今度はにこりと微笑む〇〇。

表情が鈴の音の様にコロコロ変わるのは、 見ていて和やかな気持ちになる。

太宰の瞳も、自然と優しいものになっていた。

国木田独歩

太宰!矢張り此処に居ったか!

と、国木田がズカズカと大股で店に入り、 太宰の座るカウンター席前で止まる。

国木田独歩

今週で何度目だ仕事を放ってうずまきで寛ぐのは!

太宰治

声が大きいよ国木田君

太宰治

あまり声を張り過ぎると粘膜が刺激されて血管が切れるよ?

国木田独歩

そうなのか…!?

太宰治

ほら、メモメモ

国木田独歩

声を張ると粘膜が刺激され血管が…️✒️ᝰ

太宰治

まあ嘘だけど

国木田独歩

バキッ

太宰の言葉に持っていた万年筆が真っ二つに折れる。

国木田に胸倉を掴まれて揺さぶれる太宰を、 〇〇は楽しそうに眺めていた。

雛森〇〇

ふふ、お二人共楽しそうですね

国木田独歩

楽しい!?んなわけあるか!

国木田独歩

っと…お騒がせした

国木田独歩

此奴は俺が回収する

太宰治

一寸国木田君!今私は彼女との楽しいひと時をね…!

国木田独歩

黙れ此の唐変木が!!

嵐が過ぎ去った様に客の居ない店内が静かになる。

割賦の半分程残った珈琲が、 嵐が去ったのを告げる様にゆらりと静かに凪いでいた。

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