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観測者l!!@平日いないよん☆
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夕方の体育館は、少しだけ静かだった
いつも居残りしてる木兎先輩と赤葦が見つからない まぁいいか
昼の熱が抜けきらない空気の中、 ボールの音だけが、ぽつり、ぽつりと響く
——パァン 壁に当たって、跳ね返る ——パァン また、同じ場所に落ちる
港 夏葉/Minato
一人 コートの端で、私はボールを打っていた 練習試合が終わってから、数日
負けた悔しさは消えないまま、 むしろ、少しずつ形を変えて残っている
港 夏葉/Minato
港 夏葉/Minato
考えれば考えるほど、足りなさが浮き彫りになる
港 夏葉/Minato
強く打ちすぎたボールが、変な方向に跳ねる 追いかける でも、届かない コロコロと転がって、コートの外へ
港 夏葉/Minato
小さく呟いたその時
??
聞き慣れた声が、背後から落ちた 振り向かなくても分かる
港 夏葉/Minato
振り返る そこにいるのは 木葉先輩 いつも通りの、少し気の抜けた立ち方 でも どこか、ちゃんとこっちを見てる目
木葉 秋紀/Konoha
コートの中に入ってくる 自然に 当たり前みたいに
木葉 秋紀/Konoha
港 夏葉/Minato
木葉 秋紀/Konoha
軽く手を出される 少し迷ってから、ボールを渡す 木葉先輩はそれを受け取って、軽くトスを上げた
木葉 秋紀/Konoha
港 夏葉/Minato
木葉 秋紀/Konoha
急すぎる でも 反射で構えてしまう
トスが上がる 打たれる 私は飛び込む
木葉 秋紀/Konoha
休む間もなく、次
木葉 秋紀/Konoha
声が飛ぶ ——その後 何度も言われた言葉 レシーブした瞬間、頭が回る どこに上げるか どう繋ぐか
先輩は少しずつコースを変えてくる 前、後ろ、左右 簡単じゃない でも
港 夏葉/Minato
体が、ついていく 考えるより先に、動く 気づけば、息が上がっていた
港 夏葉/Minato
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
ボールを止める 息を整えながら、顔を上げる 先輩は少しだけ笑っていた
木葉 秋紀/Konoha
その一言で 胸の奥が、じんわり熱くなる
港 夏葉/Minato
言葉がこぼれる 止められなかった
港 夏葉/Minato
木葉 秋紀/Konoha
港 夏葉/Minato
手を握る 喉が、少しだけ詰まる 視界が、少しだけ揺れる
港 夏葉/Minato
港 夏葉/Minato
港 夏葉/Minato
言った瞬間 全部、出てしまった気がした 沈黙 体育館に、ボールの転がる音だけが響く その中で
木葉 秋紀/Konoha
彼の声は、思ってたより静かだった 顔を上げる
木葉 秋紀/Konoha
いつもの軽さじゃない でも、重すぎもしない ちょうどいい距離の声
木葉 秋紀/Konoha
少しだけ近づく 一歩 また一歩
木葉 秋紀/Konoha
目が合う 逃げられない
木葉 秋紀/Konoha
その言葉が、まっすぐ落ちてくる。 ドクン、と心臓が鳴る
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
——ああ この人は こういうことを、普通に言う でも、ちゃんと届くように。
港 夏葉/Minato
港 夏葉/Minato
気づいたら、聞いていた 木葉先輩は少しだけ考えるようにして
木葉 秋紀/Konoha
って肩をくすめる
木葉 秋紀/Konoha
港 夏葉/Minato
木葉 秋紀/Konoha
港 夏葉/Minato
小さく呟く 視線を逸らす でも 逃げきれない
港 夏葉/Minato
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
ぽつりと、先輩が言う その声は、少しだけ低かった 顔を上げる さっきまでと、少し違う 真っ直ぐな目 でも少し頬が赤い
木葉 秋紀/Konoha
——え 一瞬、頭が真っ白になる
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
港 夏葉/Minato
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
ドクン。 心臓の音が、うるさい 声が、うまく出ない
港 夏葉/Minato
港 夏葉/Minato
先輩は、一瞬だけ目を細めて。 ほんの少しだけ、困ったみたいに笑った
木葉 秋紀/Konoha
——また、それ。 でも 今度は、きっと逃げてない
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
港 夏葉/Minato
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
風が吹く。 体育館のカーテンが、揺れる。 その音の中で
港 夏葉/Minato
港 夏葉/Minato
木葉先輩が、少しだけ目を見開く。 でも、すぐに笑う
木葉 秋紀/Konoha
港 夏葉/Minato
港 夏葉/Minato
思い出す あのスパイク
港 夏葉/Minato
港 夏葉/Minato
木葉 秋紀/Konoha
木葉 秋紀/Konoha
そう言って、またこっちを見る その顔は、少しだけ—— 優しかった
何も言わない時間が、続く。 でも、不思議と気まずくない
リベロは、目立たない 点を取るわけでもない 歓声の中心になることも、きっと少ない
でも ボールを繋ぐ、その一瞬で 確かに、誰かのプレーを支えてる
コートの中で 音にならない役割を、ずっと続けてきた ——それでもいいって、思ってた
でも今は違う
木葉 秋紀/Konoha
そう言ってくれた人がいる。 ちゃんと見てくれて、 ちゃんと認めてくれて、 ちゃんと、前を向かせてくれる人
ふと、隣を居るその人を見る 何気ない顔で いつも通り、少しだけ軽そうで でも あのコートの中では——
誰よりも確実に決めて、 誰よりも流れを変える人
港 夏葉/Minato
小さく、息を吐く 胸の奥が、じんわりと熱い リベロの私は、点を取れない エースには、なれない
——でも そのエースを、一番近くで支えられる 一番近くで見ていられる そう思えた
港 夏葉/Minato
風に紛れるくらい、小さな声で それでも 隣の人は、ちゃんと聞き取ったみたいに、少しだけ笑った。
木葉 秋紀/Konoha
軽く返されて。 でもその声は、どこか優しくて
港 夏葉/Minato
木葉 秋紀/Konoha
なんて、いつもの調子で返してくる そのやり取りが、少しだけ嬉しい 歩く足を、少しだけ揃える 夕焼けの残りが、空に滲んでいる
——この人のプレーを、これからも見ていたい。 ——この人の隣に居たい
そう思った。 私の役割は、変わらない それでも 意味は、少しだけ変わった
ちゃんと届いてる ちゃんと繋がってる ——私のエースに
『私のエース』 END
ーーーーー
ここまで読んでくれてありがとうございました!!
今回の「私のエース」は、実はリクエストでいただいたお話でした 「お相手は木葉で!」ということで書かせてもらったんですが、改めて考えると—— 木葉秋紀って、めちゃくちゃ“夢小説映え”するキャラだなって思いました
派手すぎないのに、ちゃんと決める。 軽そうに見えて、実はすごく周りを見てる。 その“さりげないかっこよさ”をどう表現するか、すごく楽しかったです🫰💞
今回のお話では、リベロの夏葉ちゃんをちゃんを通して、 「支える側」と「決める側」、それぞれの立場からの強さを書きたくて構成しました
でも最終的には、どっちが上とかじゃなくて、 “お互いに必要な存在”っていう関係にできたらいいなって思って、このラストにしています
タイトルの「私のエース」は、 単に“エースポジション”って意味だけじゃなくて、 夏葉ちゃんにとっての“特別な人”って意味も込めてます リクエストくださった方、本当にありがとうございました! そしてここまで読んでくれたみなさんも、ありがとうございました!!
あと、これからもリクエストお待ちしてます!! 変更した事があって、その時連載してる短編集のお相手様をサムネにしようかな~って思ってます!!
また別のお話でも会えたら嬉しいです!!
コメント
6件

ヤバ、!!!え、?私はこんな神様にリクエストできたのか、?ありがと!!!
もう 木葉さん すき 😭💞 次のやつ も たのしみ に してますっ ❕️🫡🔥