あなた
ん…ここは…
ティナ
ん、目が覚めたみたいだね。
誰かに状況って説明されてるかな?
あなた
えーっと…あなたは…
ティナ
私の名前がわかんないんなら説明されてないね。
私はティナ。一応生命を管理してる女神だよ。
あなた
め、女神…?
ティナと名乗る少女は頭に猫の耳が生えており、
スカートからは猫の尻尾ものぞいていた。
あなた
それで…私はなんでここにいるんですか…?
ティナ
ああ、説明なしで飛ばされてきたもんね。
でもここに飛ぶってことは誰かに飛ばされた、
ってことになるけど…
ティナ
まあいいか。とりあえず状況を理解できないのも
結構混乱するだろうし、ちゃっちゃと説明するね。
まず君は転生することになるんだ。
あ、でも君の元の体は生きているから安心して。
あなた
え…転生…?
ティナ
そう、転生。
っていってもこの世界に「夢」として
あなたの魂が流れ着いちゃったから
この世界での体を持って自由にこの世界を
動けるようにするってものだけどね。
あなた
じゃあ、すぐ帰れるの…?
ティナ
現実世界ではすぐ…かな。
あなた
え…?
ティナ
この世界の時間の流れはゆがんでいるんだ。
いったん魂がこの世界を
離れようとすると寿命で死ぬしかない。
ティナ
寿命以外で死ぬと蘇生できてしまったり
魂がこの世界に縛り付けられたままだったりして
帰れないからね。
あなた
じゃ、じゃあこの世界で一生をすごせって言うの…?
ティナ
この世界の一生は現実時間の
1時間半にも満たないから安心して。
けど…寿命が億単位で…
あなた
ええ…何億年も生きなきゃダメなの…?
ティナ
そうなるね…
ティナ
でも、魔法とかいろいろあるし
面白いと思うよ!
あなた
へ、へぇ…
ティナ
…さて、君にはあの世界で生き延びるための
私の10塩基と、能力をあげないとね…
あなた
10塩基…?
ティナ
10塩基っていうのはこの世界の生物の
魔法をつかさどる細胞の構築のための塩基なんだ。
増やしすぎた感は否めないけど…
あなた
そうなんだ…
ティナ
ま、それはどうでもいいよね。
それじゃ、君の体を作って君を入れるから。
あなた
わ、わかりました…
ティナがふわりと光をまとい、その光を手に集め、
何かを祈るように目を閉じると、
その光がだんだんと人の形になってきた。
ティナ
さあ、できたよ。
何の能力だと思う…?
あなた
いや…私に聞かれても…
ティナ
えーと…
「風の流れを操る程度の能力」
らしいね!わりと使えるかも?何か吹き飛ばしたり
空飛んだり!
あなた
そうなんですか…
ティナ
じゃあ、さっそく入ってもらいましょー。
ちょっと衝撃来るけど我慢してね…?
はいドーン!!!!
あなた
わぁ!?
急に突き飛ばされたと思うとそのまま「体」のほうに
よろけてぶつかってしまった…
と思いきや、自分がその体に入っていた。
あなた
なにこれ…?
ティナ
新しい体の感じはどう?
あなた
いつもと…おなじかんじ?
ティナ
ならよかった!
それじゃ、君を下界まで落とすから!
あなた
えっ…落とすって…!
ティナ
それじゃいくよ?それー!
ティナとあなたが光に包まれたと思うと、急に空に投げ出される。
そのままあなたの体は落ちていった。
あなた
わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
ティナ
だいじょうぶ、あなたの能力をつかってみて!
あなた
能力!?どうやって使うの?
ティナ
下から風が強い吹くのをイメージしてみて!
そういわれて、下から強く風が吹くのをイメージした。
すると、風が体を大空へと舞い上げた。
ティナ
そうそう、そんなかんじ!
能力使えるようになったなら君はもう大丈夫だね!
あなた
ええ!?
ティナ
それじゃ私はまだまだしなきゃいけないこと
いっぱいあるから!またねー!!!
あなた
ちょ、ちょっとまって!!!!
ティナは制止も振り切り消えた。
この異世界の人生、どうなってしまうのだろう。