主
曲パロで、「あの夏が飽和する」です!
主
仁瑠衣風にちょっと口調変えてます!
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瑠衣
「昨日人を殺したんだ」
仁
お前はそう言っていた
仁
梅雨時ずぶ濡れのまんま、部屋の前で泣いていた。
仁
夏が始まったばかりというのに、お前はひどく震えていた。
仁
そんな話で始まる、あの夏の記憶だ
瑠衣
「殺したのは隣の席の、いつも虐めてくるアイツ。
瑠衣
もう嫌になって、肩を突き飛ばして、
瑠衣
打ち所が悪かったんだ。
瑠衣
もうここにはいられないだろうし、どっか遠いとこで死んでくるよ」
仁
そんなお前に俺は言った
仁
「それじゃあ俺も連れてけ」
仁
財布をもって、ナイフをもって、
仁
携帯ゲームもカバンに詰めて、
仁
いらないものは全部壊していこう
仁
あの写真も、
仁
あの日記も
仁
今となっちゃもういらないさ
仁
人殺しとダメ人間の
仁
お前と俺の旅だ。
仁
そして俺らは逃げ出した
仁
この狭い狭いこの世界から
仁
家族もクラスの奴らも何もかも
仁
全部捨ててお前と2人で。
仁
遠い遠い誰もいない場所で2人で死のうよ。
仁
もうこの世界に価値などないよ。
仁
人殺しなんてそこら中
仁
湧いてるじゃんか
仁
お前は何も悪くないよ。
仁
お前は何も悪くないよ。
仁
結局俺ら誰にも愛されたことなどなかったんだ。
仁
そんな嫌な共通点で
仁
俺らは簡単に信じ合ってきた。
仁
お前の手を握ったとき、微かな震えもすでになくなっていて
仁
誰にも縛られないで2人
仁
線路の上を歩いた。
仁
金を盗んで、2人で逃げて
仁
どこにでも行ける気がしたんだ。
仁
今更怖いものは
仁
俺らにはなかったんだ
仁
額の汗も、落ちたメガネも
瑠衣
「今となっちゃどうでもいいさ。あぶれ者の小さな逃避行の旅だ」
仁
いつか夢みた優しくて、
仁
誰にも好かれる主人公なら、
仁
汚くなった俺らをも見捨てずに
仁
ちゃんと救ってくれるのかな?
瑠衣
「そんな夢なら捨てたよ。だって現実を見ろよ。シアワセの四文字なんてなかった、
瑠衣
今までの人生で思い知ったじゃないか。
瑠衣
自分は何も悪くねぇと誰もがきっと思ってる」
仁
あてもなく彷徨う蝉の群れに、
仁
水も無くなり揺れ出す視界に、
仁
迫り狂う鬼たちの怒号に、
仁
バカみたいにはしゃぎ合い
仁
ふと瑠衣はナイフを取った。
瑠衣
「仁が今までそばにいたから
瑠衣
ここまでこれたんだ。
瑠衣
だからもういいよ
瑠衣
もういいよ」
瑠衣
「死ぬのは俺一人でいいよ」
仁
そして瑠衣は首を切った。
仁
まるで何かの映画のワンシーンだ。
仁
白昼夢を見ている気がした。
仁
気づけば俺は捕まって。
仁
瑠衣がどこにも見つからなくって。
仁
瑠衣だけがどこにもいなくって。
仁
そして時は過ぎていった。
仁
ただ暑い暑い日が過ぎってた。
仁
家族もクラスの奴らもいるのに
仁
なぜか瑠衣だけはどこにもいない。
仁
あの夏の日を思い出す。
仁
俺は今も今でも歌ってる。
仁
瑠衣をずっと探しているんだ。
仁
瑠衣に言いたいことがあるんだ。
仁
九月の終わりにくしゃみして
仁
六月の匂いを繰り返す。
仁
瑠衣の笑顔は
仁
瑠衣の無邪気さは
仁
頭の中を飽和している
仁
誰も何も悪くないよ。
仁
君は何も悪くはないから
仁
もういいよ。
仁
投げ出してしまおう。
仁
そう言って欲しかったのだろう?
仁
なあ?