キスは何度でも(赤水)

時は12月。修学旅行中だ。

修学旅行中とは言ってもほぼ終わりみたいなもので、今は帰りのバスに揺られている。 だんだんと戻っていく日常に少し寂寥感を覚える。

確かに4日間の修学旅行でみんな疲れたのか、行きとは異なり寝ている人が大半だった。

そうは言っても、一応学校行事だ。 周りの人にバレたら恥ずかしすぎるし、なんて言われるか分からない。

ほぼ言い終わると同時にキスが降ってきた。

恥ずかしいって言ってるのに。

でも不思議とそれを受け入れてしまって、何度も唇を重ねる。

修学旅行のバスの中なのに、完全に2人の世界に入ってしまった。

自分だけ好きにこっちの気持ちを弄んどいて、とは思ったけど口にしたら「こえくんが寝たら寂しいの？♡」とか言われそうだから黙っておく。

強制的にれるにもブランケットを頭までかけてきた。 視界は真っ暗で、こえくんの顔だけが見えた。

暗い、今度は完全に2人だけの世界で顔を近づけた。 周りからは見えてなくてももしかしたら音でバレてたかもしれない。

遮られた空間で2人の息と熱がこもる。

その雰囲気に飲まれて、結局ちょっとどころでは終われなかったのは2人だけの秘密。