テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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その声に届くまで

第10話 - 10

509

2024年08月24日

#ウインドブレーカー

#WIND BREAKER

水飛　怜

柊

お前な、やるなって言っただろ

鈴蘭

ごめんってば

柊

…どっちからだ？

鈴蘭

向こう

柊

だろうと思ったよ

蘇芳

ただの喧嘩じゃなかったですよ

柊

どういうことだ？

蘇芳

向こうが鈴ちゃんに机を投げたんです

柊

…ほんとか？

鈴蘭

ほんと

柊

はぁ…面倒くせぇ…

鈴蘭

あ〜ほらほら、考えない

鈴蘭

また胃が痛くなるでしょ

柊

お前が言うな

柊

…まぁ今回はお前からじゃなかったんだろ

柊

ならいい

鈴蘭

本当！？

柊

なんでそんな嬉しそうなんだよ

鈴蘭

だって関係悪化したくなかったし

柊

どうせすぐ仲直りしてくるだろ

鈴蘭

あのね〜、それがどれだけ勇気がいることかわかってる？

柊

知るか

柊

大体いつもお前が原因なんだから

鈴蘭

…言い返せない

桜

それにしてもお前、なんで傷一つついてねぇんだ？

鈴蘭

桜くんは私に怪我して欲しかったの？

桜

そうじゃねぇ

桜

ただ、全部避けてただろ

楡井

俺も気になります！！

蘇芳

俺も気になるな〜

鈴蘭

え、そんなに？

柊

そんなの単純だろ

柊

鈴が昔喧嘩してたから

楡井

へえ〜！そうなんですね〜！

楡井

……って、え！？！？喧嘩してた！？

楡井

朱羽さんが？

鈴蘭

うわ〜、完璧な反応

鈴蘭

そうだよ

鈴蘭

結構前だけどね

鈴蘭

杉下は知ってるよね？

杉下

…（頷く

桜

なんで言わねぇんだよ

杉下

なんでお前に言わなきゃいけないんだよ

鈴蘭

こら、喧嘩しないの

鈴蘭

私が言ってなかったのが悪かったね、ごめん

桜

…いや、お前が謝ることじゃねぇよ

鈴蘭

あはっ、桜くんは優しいね

桜

な…っ！？

蘇芳

わ〜、熟れたトマトみたいだね

桜

黙れ！

楡井

あっ、そういえば！

楡井

朱羽さん

鈴蘭

ん？

楡井

体重､生年月日、好きなタイプを教えてください！

鈴蘭

えっ

蘇芳

始まった

桜

質問攻めだな

鈴蘭

わかった

鈴蘭

体重は49kg

鈴蘭

生年月日は……月日だけでいい？

楡井

はい！

鈴蘭

8月26日

鈴蘭

好きなタイプはね〜

鈴蘭

優しくて、ずっとそばにいてくれる人かな！

楡井

優しくてずっとそばにいてくれる人…

楡井

あっ、もしかして…

楡井くんが目を輝かせて耳打ちしてくる

楡井

柊さんですか？

鈴蘭

え？

鈴蘭

あははっ

鈴蘭

ないって

鈴蘭

仮に私が好きになったとしても

鈴蘭

向こうはないと思うしね

鈴蘭

あの人はただの親友だよ

楡井

そうっすか…完璧に当てれたと思ったんすけど…

桜

？なんの話だ？

鈴蘭

うわ〜、それ聞いてくる〜？

楡井

桜さん、気になるんですか？

桜

な、なんだよ…

鈴蘭

別に？ね？

楡井

ね！

おばさん

あら！鈴蘭ちゃんじゃない！

鈴蘭

あ、おばさんだ〜！

おばさん

久しぶりね〜、元気してた？

鈴蘭

もちろん！

おばさん

その制服…

おばさん

鈴蘭ちゃん、風鈴に入ったのね！！

おばさん

合ってると思うわ〜！

鈴蘭

そう？

おばさん

ええ、とっても！

おばさん

あ、柊くん朝はありがとうね

柊

あまり無理すんなよ

おばさん

わかってるわよ！

おばさん

そういえば朝は会わなかったわよね？

鈴蘭

あ〜うん、ことはのお店にいたから

おばさん

ことはちゃんね！

おばさん

なら安心だわ！

鈴蘭

何が？

おばさん

いや、鈴蘭ちゃん可愛いから変な奴らに絡まれてたらどうしようって思ってね

鈴蘭

私が？ないない

おばさん

いや、あると思うわよ？

鈴蘭

そうかな〜

おばさん

そうよ！

おばさん

あ、そうだ

そう言いおばさんは何かを出した

おばさん

これ、良ければ持っていって！

おばさん

みんなにはいつも助けてもらってるからね

おばさん

ちょっとばかりのお礼だよ

鈴蘭

ありがとう、おばさん

柊

ありがとな

おばさん

いやいや、こちらこそ

桜

何だそれ？

鈴蘭

飴じゃないかな？

楡井

あの方とは知り合いなんですか？

鈴蘭

うん、少し前にね

鈴蘭

まだ私がここにいた時だよ

柊

昔話はまた今度でいいだろ

柊

とりあえず、このまま解散ってことになってるから

柊

それぞれ欲しい分持って帰れ

柊

鈴は

鈴蘭

梅達とご飯行くんでしょ

柊

…おう

鈴蘭

みんな取った〜？

蘇芳

とったよ

桜

とった

楡井

とりました！

杉下

…取った

鈴蘭

お〜、割と残ってる

鈴蘭

後で分けよっか

柊

だな

鈴蘭

じゃあまた明日ね〜！

手を振りながら私は登馬と目的地に向かった

鈴蘭

いや〜、楽しそうな学校で良かったよ

柊

これから行けそうか？

鈴蘭

うん！

柊

そうか、なら良かったよ

鈴蘭

ねぇ

柊

なんだ？

鈴蘭

今からどこ行くの？

柊

どこって、梅宮のところだろ

鈴蘭

みんなを解散させる必要なかったじゃん

柊

…お前わかって言ってるだろ

鈴蘭

そりゃあもちろん

鈴蘭

わかってないこと言わないよ、私は

柊

…これから2年に会ってもらう

鈴蘭

えっ

柊

驚いたか？

柊

これは想像できなかったのか

鈴蘭

できるわけないじゃん…

鈴蘭

急に？

柊

向こうは知ってるぞ

鈴蘭

いや、だとしてもさ〜…

その瞬間どこからともなく叫び声が聞こえた

それはさっき聞いた声だった

鈴蘭

っ…！？向こうから…！？

柊

行くぞ！

鈴蘭

おばさん！！どうしたの！！

鈴蘭

……え、？

柊

っ…どういうことだよ…っ

目の前には腕を刺された桜くんがいた

楡井

っ、桜さん！！

蘇芳

桜くん…！！

杉下

っ…！？

桜

っ…てぇな…

男

やっと見つけた…

男

ここまで来るのにどれだけ苦労したかわかってんのか〜？

鈴蘭

なん、で

蘇芳

鈴ちゃん…？

男

だから言ったんだよ

男

全部お前のせいだって

男

なぁ？

「朱羽？」

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水飛　怜

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