依存＿＿。

ｶﾞﾁｬﾝｯ

冷たく閉めるその壁に

俺は幅を広げて

穴を開けていく

何度もすがりついて

糸を無理やり結びつけるように

切り離してはくれない

切っても繋げて

ほどいてもまた結んで

その繰り返しが続く

"ありがとう"は

感謝を伝えるために言う

"愛してる"は

本当に大好きだから伝える

大好きの反対は大嫌いじゃない

大好きの反対は

＿＿＿ないだ。

繰り返し続けて

もうほどいても結びに来ないように

何度も

何度も何度も

繰り返し続けた

そして

突然糸が切れた

強引に切ったんじゃない

あっちから

プツンと音がして

俺の視界からその糸は見えなくなった

疑問だった

なぜ突然切ったのか

あれだけ俺に"依存"してたのに

君は

この部屋の奥で

何かに"依存"してるのか──？

冷たく返された

よりかは

弱々しい返しだった

声が震えていて

何かに怯えるように

そっと──。

心配してるのか...？

前々から心配なんぞ1ミリもなく

思うがままやってたのに

俺が君に

依存してどうするんだ....

俺は切ろうとした糸で

君を操り

踊らせてた

君が俺に依存したのも

俺がただただ

操り人形のように動かしてただけだった....？

時間が経てば経つほど

君に染まり

どんどん

依存してた

でも君は

もう染まらない

繋がらない

顔も

会わせられない

君の笑顔が好きだったはずなのに

お互い同じペースで

染まっていくはずなのに

俺が.....

色を変えたせいで

君は壊れた....

大好き

愛してる

薄っぺらなものじゃない

大好きは愛してる人に伝える言葉

愛してるは言いきれないぐらい愛があるから伝える言葉

ありがとうは───。

ｶﾞﾁｬｯ....

冷たくなる

その中で

君はもう目覚めない

ずっと眠りについたままの君は

眠り姫のように綺麗で

誰よりも美しかった

そうか

俺はそんな

純粋で綺麗で

優しくて可愛らしい君に

依存してたんだ───。