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仁
ナツ
仁
仁
眉を寄せて、険しい顔をして そんな事を言い出す。 何回も話をしてきたのに、 直前で駄々こねないでほしい。
ナツ
ナツ
…あたしだって苦しいよ、 寂しいよ。 こんな事言いたくないよ。
仁
ナツ
仁
焦った表情で言い張る。 アホらしい、やっぱりあたしの 気持ちは全然伝わってなかったのか… とホッとするような悲しいような。
ナツ
ナツ
ナツ
仁
仁
食べ終えた食器を持って、 キッチンに向かうあたしの前に 立ちはだかった仁。
真剣な表情で真っ直ぐ見つめてくる。 …あぁ、泣きそう。 冗談っぽく、いつもみたいな 軽い感じでバイバイしたいのに。
ナツ
仁
ナツ
仁
ナツ
お願いだから、 これ以上 なにも言わないで欲しいよ
もう少し一緒に居て、良い方向に変わる?お互いにメリットはあるの? あたしは苦しいだけなのに。 そんな言葉を必死に飲み込んだ。
ナツ
ナツ
仁
ナツ
ナツ
仁
ナツ
仁
胸を抉られるようなセリフと表情 …なんでそんな表情するの? 今までずっと、 そんな顔見せなかったじゃん。
ナツ
仁
ナツ
うまく言葉が出ない。 なんて言えば良いのか、分からない。
仁
ナツ
食器を持ったまま、引き寄せられて なぜかジンの腕の中に収められた。
ナツ
仁
内心パニックになりながらも、 仁の方がはるかに取り乱して いるからか、あたしの頭は 意外にも冷静で。 とりあえず近くのカウンターに 食器を置いて、 仁の腕を振りほどこうとした。
ナツ
仁
抵抗をしてみるけど、離す気配もなく仁はずっと黙ったまま。
家族と離れてしまう男が、 寂しくなって抱きついてるだけ。 そう思えば良い?
そもそもそんな話をあまりしてこなかったせいか仁があたしを家族だという認識を持っているのかも曖昧だ。
ナツ
仁
ナツ
ナツ
姉弟だという事を再認識して、 自分で言いながら、泣いてしまった。 ずっと恋焦がれてた人に 抱きしめられてるのに、 普通でいられる訳がなかった。
泣いているのに気付いたのか、 よしよしと頭を撫でられる。
ナツ
苦し紛れにそう言うしかなかった。
仁
仁
ナツ
恐る恐るあたしも背中に手を回した。 あたしの背中に回された手と、 あたしの頭を撫でる仁の手。 切なくて、寂しくて あったかくて、安心して。 しばらく仁の腕の中で泣き続けた。