私達の便利道具ー未来ー

ここは、現在よりも遠くて

今、まさに 世間が考えているような未来

もちろん、未来なのだから、ロボットが活躍しているだろう

家事、買い物、料理、仕事

もしかしたら

お見合い相手まで決めてくれるのかもしれない

ー10分後

本当に、このITは便利だ

メイクだって朝食だってやってくれる

さすがでしょ？

それに、自分からお見合い相手を探さなくて良いから、どこか安心感がある

そのおかげで 「恋」は皆、忘れていた

ついたのは、とある部屋だった

花柄のカーテン、古臭い時計、綺麗なソファ

何もかもが、中途半端…な部屋だった

ガチャ

「智樹」と名乗る男性は

清楚系で、イケメンで、オシャレで

コミュ力が高そうで、まさに私が理想とする人

ITは私の好みを分析して、私好みの人を探し出してくれる

相手もきっと同じなのだろう

何せこの時代、1人に1台ロボット。

向こうの好みと私の好みが重なる人が居た時に、こうしてお見合いができる

過去、お見合い回数は3回。

みんな好みじゃない訳ではないんだけど、イマイチで

今回は、お目当ての条件？を、沢山ITに教えこんだから

この人には、少し期待してたんだよね

う、話を振られた

私って極度のコミュ障で…

…先伸ばしたことは、怒ってないみたい

よかった…優しい人だな

こんな進展初めてだ

これは…期待できる

私たち人間は、恋をすることを忘れていた

心から「何かを想う」ことさえも

しかし、発達したITなら

人間と同じ「心」を持つようになっているかもしれない

私達の便利道具ー未来ー 〜完〜