TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

ねこミラクル

一覧ページ

「ねこミラクル」のメインビジュアル

ねこミラクル

17 - 〈 おるすばん 〉

♥

420

2023年05月01日

シェアするシェアする
報告する

☆ お願い ☆ 通報、転載、パクリ どうか しないでください··· ここだけで楽しんでネ! ╰(*´︶`*)╯

★シリーズ(◍•ᴗ•◍)  1話完結型を  思いつくまま不定期更新

■ねこミラクル■  エル(飼い主)✕兎(元にゃん)

〈 おるすばん 〉

新幹線と私鉄を乗り継いだ郷里で身内の結婚式。

さすがにななを連れては行かれんので、忍びないけど独り留守番させての参列です。

1本でも早い新幹線で戻るから。 ごはんちゃんと食べて、しっかり戸締りして先に寝ててな。

そう言って頭をなでた俺に、 まかせて!なんにもしんぱいいらないからね! と。

真剣な顔で小指を出したななと指切りをして、数年ぶりの郷里へと向かいます。

久々に会うた親戚たちと話もはずみ泊まっていけという誘いも出る。

とは言うても可愛えななが待っとるからね。

明日の朝は、ななが目覚めた時にちゃんとそばに居て「おはよう」って頭をなでてやりたいから。

明日は仕事や言うたら、せめて最終の新幹線までええやろと食い下がられて。

まあななも寝とるやろし、こういう機会でもなきゃ滅多にも会えんし···

そんな次第で思い出やら近況やら楽しく話し込み、名残惜しまれ最終で帰路につくことになってしまった。

寝ているであろうななを起こさんよう電話も入れずそっと帰ると、窓が明るい。

さみしくて灯りをつけたまま寝ちゃったか? そう思うて静かに鍵を開けて入れば、なながリビングでまどろんでいた。

おむすびらしき物の皿が乗ったテーブルに、肘と頭を預けて。

L「···なな、···なな?」 ナナ「ん~··· えうくん···?」

L「先に寝とり言うたやろ?無理して起きとったんか?」 ナナ「むりしてない···がんばっただけ」 L「頑張りすぎとる」

ナナ「ふぁ~、あふ··· ん~、いまはよる?」 L「もう真夜中やで」

ナナ「そっか~、やっぱえるくん、やくそくまもってくれたな~···ちゃんとよるにはかえってきてくれたんだぁ」

L「当然や、指切りしたろ?」 ナナ「うん!」 L「ななもちゃんと留守番できてえらかったなぁ」

ナナ「ちがう··· あの、じつはね···」 L「どないした?」

ナナ「あの、ひとりでもだいじょうぶだってやくそくしたのにちょっとだめだった···」 L「何がや?」

ナナ「くらくなったら、さみしくなって」 L「あ〜、そか」

ナナ「てれびもげーむも、おもしろいけどえるくんじゃないから」 L「···そか」

ナナ「だから、とおいけどえきまでおむかえにいってまってようかとおもったんだ、でも」 L「······おん」

ナナ「えきはひろいから、あえなかったらえるくんにしんぱいかけるでしょ···」

だから部屋でおとなしく待っていた、さみしいのをこらえて。 俺がいつ帰ってもええよう明るい部屋にして。

不安そうな姿が目に浮かぶ。頼りない心が痛いほど手に取れる。

あの指切りの時の顔、あれは気概ではなく緊張やったんや。 俺に心配させまいとする精一杯の約束。

L「もっと早く帰らなくてごめんな···」

ナナ「なんでごめんなの?ちゃんとよるにはかえってきたでしょ?」 L「さみしい思いをさせてもうた···」

ナナ「だいじょうぶ、えるくんにおむすびつくっていたらたのしかったよ」 L「え、これ?このおむすび俺に?」

ナナ「おなかすいてかえってくるとおもって」

L「···ななぁ~~〜」 ナナ「わわ!ぎゅーって、くるしっ···けど、あったかいねw」

L「ほんなら、ななのおむすびさっそくごちそうになろかな」 ナナ「どうぞどうぞ!」 L「あと明日になったらお土産のお菓子を開けような」

ナナ「あ、そのおむすびはえるくんってなまえなんだ〜」 L「名前つけたん?」

ナナ「まってるあいだおれのこころのともになったよ!」 L「···食べづらいなぁ」

いびつで愛らしいおむすびに手をのばせば、すっかり安心したななの笑顔に俺もほっとして顔がほころぶ。

ホンマは、愛しいななにも手をのばしたいところやけど···

今夜は目覚ましをかけずに心穏やかにゆっくり休もう。 そして明日は一緒に朝寝坊しよう。

寂しがり屋のななを、なな以上に甘ったれな俺の腕の中に収めて。

END 元にゃん頑張った〜!

この作品はいかがでしたか?

420

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚