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市川慶一郎
どこかから俺の名前を呼ぶ声がする。
誰だ…?
重いまぶたをゆっくりと開けた。
目の前には、俺の顔を笑いながら覗き込む三波斗の姿があった。
市川慶一郎
三波斗が起きるまで待ってるつもりだったのに…
椚三波斗
市川慶一郎
目を擦ると、三波斗が物凄い近くに居ることに気づいた。
その近さに少し驚いた反応をしてしまった。
市川慶一郎
椚三波斗
俺は寝返りを打った。
市川慶一郎
“結構朝”ってなんだよ…
日本語下手かよ俺…
椚三波斗
椚三波斗
椚三波斗
市川慶一郎
あれ俺、なんかしたっけ?
掛け布団…?
あ、さっきのか!
気づいてくれたんだ…
市川慶一郎
椚三波斗
上手く反応出来ないまま、身体を起こし、ドアを開けた。
後ろから、三波斗も“待って〜”と着いてきた。
あくびをしながら、ゆっくりと階段を降りていく。
椚三波斗
4段くらい降りた辺りで、後ろから三波斗の声がした。
その声で頭が覚めた。
市川慶一郎
声に気づいた途端後ろを振り返った。
後ろを向いた途端三波斗が俺の方に倒れてきた。
危ない!!
ガシッと腕を掴み、足を踏ん張った。
三波斗の崩れかけた体勢を元の体勢に戻した。
市川慶一郎
腕を掴みながら三波斗に問い掛けた。
椚三波斗
椚三波斗
三波斗はそう言って胸を撫で下ろす。
市川慶一郎
椚三波斗
椚三波斗
市川慶一郎
俺は三波斗の腕を掴むのをやめ、再び階段を降りた。
良かった…
あと少し気を抜いていたら、三波斗に怪我させてしまうところだった。
市川慶一郎
椚三波斗
2人で鏡の前で髪をいじった。
それから顔を洗った。
数分たった頃。
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
タオルで顔を吹いていると、さつきの声がした。
ドアの方を見ると、さつきと涼雅の姿があった。
市川慶一郎
四季涼雅
椚三波斗
市川慶一郎
顔を上げた三波斗に、持っていたタオルを渡した。
四季涼雅
市川慶一郎
市川慶一郎
仮屋瀬さつき
四季涼雅
俺の発言に2人は驚いた表情を見せた。
驚いているけど、2人だって一緒に寝てたろ。
2人にほんの少し嫌気が差したが、その感情は無視した。
椚三波斗
焦る三波斗の声が隣から聞こえる。
なんで言ったんだろ…
きっと、涼雅とさつきの2人に言いつけて、俺と三波斗の仲の良さを見せつけたかったんだろう。
涼雅のことを好きな三波斗からしたら、迷惑でしかないと思うけど…
市川慶一郎
椚三波斗
椚三波斗
椚三波斗
三波斗が焦るのも無理はない。
好きな人“涼雅”の目の前でこんなことバラされたら、弁解したいに決まってる!
椚三波斗
市川慶一郎
椚三波斗
こんなに張り合わなくて良いって分かってる。
三波斗が可哀想にも思える。
だけど…
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
四季涼雅
2人は気まづそうな顔をして見つめ合った。
2人だって寝たくせに。
もう、言っちゃおうか。
どういう関係なのかハッキリさせて、2人がそういう関係って分かったとしたら、三波斗が悲しんで、俺が三波斗を振り向かせるのに有利な立場になると思うし…
なんてずるい考えを持つ自分がいた。
でも、恋って少しは強引に行かないと、上手く行かないって言うもんね。
市川慶一郎
市川慶一郎
椚三波斗
三波斗は焦った様子で、俺の腕を掴み、2人に背を向けた。
椚三波斗
三波斗は2人に聞こえないくらいの声量でそう聞いてきた。
眉間にシワが寄っていて、少し怒っている様子だ。
俺も小声でこう返した。
市川慶一郎
椚三波斗
まるで、“何回目だよ。その話”という顔をしている。
市川慶一郎
市川慶一郎
椚三波斗
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
椚三波斗
まるで三波斗のことを思ってやっているように言ってしまったけど
全部自分の為だ。
俺の予想からすると、2人は結構いい感じの関係な気がする…
だから、その予想がもし当たれば
三波斗が失恋して、俺が優しい言葉を掛けてあげたりすれば上手くいく気がする。
自分はずるいって分かってる。
腹黒いって知ってる。
だけど、こうしないと、三波斗は涼雅に想いを寄せたままになる。
俺のことを好きにならない。
俺達は何事も無かったこのように2人の方に振り返り、話を進めた。
仮屋瀬さつき
さつきはそう頷いた。
市川慶一郎
同じベッドで寝ていたことは既に分かってはいるけど、三波斗にわざと辛い言葉を聞かせた。
四季涼雅
市川慶一郎
市川慶一郎
お願い。そうだって言って。
そう、心の中で祈ってしまった。
仮屋瀬さつき
さつきは“有り得ない”みたいな顔をしてそう言った。
じゃあ…
市川慶一郎
市川慶一郎
涼雅はほんの少し驚いた様子を見せた。
四季涼雅
四季涼雅
涼雅はそう言った。
嘘だ。
俺は、そう感じとった。
涼雅は、さつきのこと好きなんだろ?
ちょっと前から怪しいって思ってたんだよ。
椚三波斗
市川慶一郎
静かだった三波斗が口を開いた。
椚三波斗
四季涼雅
市川慶一郎
三波斗…
三波斗も、知りたいんだね。
このままの方が辛いって、分かったのかな。
椚三波斗
四季涼雅
仮屋瀬さつき
市川慶一郎
三波斗、泣いてる…
椚三波斗
市川慶一郎
三波斗は廊下に飛び出した。
四季涼雅
涼雅は三波斗の名前を呼びながら、階段を駆け上がった。
きっと、2人は同じ部屋に入ったろう。
仮屋瀬さつき
洗面所は俺とさつきの2人だけになった。
市川慶一郎
市川慶一郎
仮屋瀬さつき
俺はさつきに謝った。
急にあんな質問されるなんて、迷惑だよね。
市川慶一郎
市川慶一郎
仮屋瀬さつき
ぽろりと零れてしまった。
さつきに言った方が、この先楽になるだろう。
それに、さつきに言えば、俺のこと手伝ってくれそうだし。
仮屋瀬さつき
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
仮屋瀬さつき
さつきは目をキラキラさせてそう言ってくれた。
俺がメンバーのことを好きだから迷惑を掛けるんじゃなくて
三波斗が好きな涼雅に、何かしてしまいそうで…
それで、さつきにも被害が出るかもしれない。
迷惑っていうのはそういう意味だ。
だけど、今のさつきはきっと勘違いしている。
さつきは純粋だから、傷つけたくない。
そうは思っているけど、やっぱり迷惑をかけてしまうだろう。
仮屋瀬さつき
市川慶一郎
市川慶一郎
俺はそれだけ言って下を向いた。
仮屋瀬さつき
ごめん。さつき。
俺はずるい人間だから。