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ダーミラとクンピ
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長野
いつもの会議中、長野はどこか遠くを見つめながら、よくわからないことを呟いた。
隣の席の僕ーーーー山梨は、いつものその言葉に疑問を抱いていた。
山梨
それなのに、いつも穏やかで優しい長野が、その名前の響きを耳にする時だけ、
ほんの一瞬だけ、凍りつくような冷たい目が隠しきれていない。
そんなある日の休日、僕は気分転換に、長野の領地にある松本を訪れた。(画像、なかった)
五重6階に堂々たる天守。背景に広がる北アルプスの山々。
言葉を失うほど、美しく完成された景色だった。
歴史マニアなら誰もが知っている、戦国時代の息吹をそのまま残す名城だった。
山梨
松本
松本
山梨
振り返ると、そこに一人の青年が立っていた。
長野エリアを支える主要都市、松本市だった。
彼はどこか気品があり、少し影のある魅力を持っていた男だった。
松本城の歴史や、街のこだわりを熱心に教えてくれる彼の姿に、
僕はいつのまにか、胸がときめくのを止めることができなかった。
僕は少し顔を赤くしながら、彼に言った。
山梨
山梨
松本
その瞬間、松本の顔からスッと温度が消えた。
山梨
山梨
戸惑う僕に、松本は拳をきつく握りしめ、
ぽつり、ぽつりと語り始めた。
松本
松本
山梨
松本
松本
松本
松本
山梨
松本の瞳の奥にある深い憎しみと哀しみ。
それを聞いた僕は、あまりの恐怖と衝撃に言葉を失い、
逃げるように山梨へ帰って行った。
翌日
オフィスで会った長野は、いつも通り、いつもの優しい笑顔で僕に挨拶してきた。
長野
長野
けれど、昨日の話を聴いてしまった僕には、もうその顔が「優しい顔」には見えなかった。
いつも穏やかに細められている彼の奥の目に、底知れない、
冷酷な闇の塊が蠢いているように見えて、仕方なかった。
僕は怖くなって、松本城へ行った話をするのをやめた。
でも、僕の疑念は晴れなかった。
山梨
僕は、松本城のことは何も知らない。
あの美しい風景も
心に惹かれた松本くんのことも、
そして、
あの城を築いた人のこともーー。
長野
長野
山梨
山梨
手渡された湯呑みを見つめながら、
僕は小さく息を吐いた。
きっと僕の考えすぎだ。そんな恐ろしい訳がない。
僕は自分にそう言い聞かせ、考えるのをやめた。
ーー山梨は何も知らない。
あの美しい城を築き、天守を経営した戦国大名の名が、
『石川数正』であることを。
長野にとって「石川」という響きは、
自分が消し去ったはずに筑摩(松本)のプライドそのものであり、
今のなお自分の支配に激しく抵抗し続ける
反逆の象徴なのだ。
長野
山梨
なにも気づいてない山梨に、長野はいつも通りの優しい笑顔を向ける。
その微笑みが、松本の父親(筑摩県)を消し去った時と同じ表情であることに、
山梨が気づく日は、きっと来ない。
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