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SCPをのんびりご紹介〜❗️

第41話 - SCP-3998 ウィッカー・ウィッチは生きている

2020年09月30日

#SCP

#解説

銀茶　🌙💙🍵/御茶民

玲

さて、リクエスト頂いたSCPの紹介三連続最終日だ

miya

まだまだリクエストたまってるけどね…

玲

それはどこかで必ずやらせてもらうので暫くお待ちください…

miya

気長にお願いします…

玲

さて、今回は補遺資料が多くて長いから早速いくぞ〜

miya

はいは〜い

玲

リクエストくださったのは夢ケケの部屋さんだ

miya

いつもありがとうございます❗️

玲

というわけで今回紹介するSCPは
SCP-3998 ウィッカー・ウィッチは生きている

玲

オブジェクトクラスは現時点ではSafeだな

miya

現時点って…

玲

SCP-3998は17世紀後半に死亡した人間の死体だ
脚部が欠如しており、広範な第四度熱傷に覆われていて、編み細工・釘・ワイヤーで一つに纏め上げることによって、カカシ状に仕立て上げられている

玲

今回も財団から写真をお借りしてきてある

玲

miya

あ、うん説明のまんまだけど夢に出てきそうね…

玲

深刻な火傷に加え、SCP-3998は身体の複数箇所に鈍的外傷を負っている
SCP-3998の死因がどちらか片方なのか、両方なのかは不明確だ

miya

のっけから穏やかじゃ無い…

miya

前回の次回予告のハートフルって言葉はどこ行ったのよ…

玲

まぁ聞いてればわかるよ

玲

SCP-3998は主にエタノールとヒト脂肪からなる可燃性の液体を継続的に骨から滲出させていて
毎晩、午後11:00から翌日の午前4:00 まで、発火して炎に包まれる

玲

しかし、極めて可燃性が高いにも拘らず、SCP-3998自体は構造的なダメージを一切受けず
SCP-3998が炎上している状態で適切に収容されていない場合、最も近くにいる特定条件を満たした人物も自発的に発火させる

miya

毎日燃える死体ってだけでもなんか怖いのに

miya

近くにいたら燃やされるなんて勘弁してほしいわ…

玲

まぁさっきも言ったけど特定条件を満たしていないと燃やされないから大丈夫だろ

miya

その条件は？

玲

恋愛関係にあった相手を殺害、もしくは肉体的に虐待した人物ってのが条件だ

玲

また、SCP-3998が自己発火でき無い状態の時も標的を発火させることができない

玲

まぁそういう条件から現在は財団施設内の安全収容ロッカー内に真空封入されている

miya

なるほど、酸素がなければ燃えれないもんね

玲

まぁ標的を発火できない場合は標的とされていたであろう人物の胸部または後頭部に短期間の軽い痛みを与えるそうだ

miya

何だか燃えないと地味な感じに終わるわね

玲

ちなみに、標的にされた人物が燃えたまま放置されると

玲

まず、大量の沸騰したエタノールが胃の中に出現して
大量流入されたエタノールは嘔吐を誘発して更なる外部熱傷を引き起こす

miya

うわ…

玲

最終的には標的の体脂肪、特に胴体部のそれが急速に溶け始める
そして、炎上を放置すると溶けた脂肪とエタノールの混合物が胃の激しい破裂を招き、その過程で往々にして犠牲者の肉体は二分される

玲

仮に標的が初期の炎上を生き延びたとしても、多くの場合は恒久的な神経および臓器の損傷がもたらされる

miya

何そのDV絶対許さないマンみたいなの…

miya

まぁ許される事じゃ無いけど

玲

うむ、死んで当然のことしてるしこっちには被害ないから、まぁいいだろ

miya

そうね

miya

あ、そっか！
SCP-3998はもしかしてDVで殺されて燃やされた被害者とか？

玲

残念、ハズレだ

miya

あれ？じゃあこの死体とDVした人間が標的にされる関係は？

玲

それは財団が記録している補遺資料から察してくれ

玲

ここからはその補遺資料の紹介だ

玲

手記-3998-1

以下は、SCP-3998に関連すると思われる、セイラムで同時代に書かれた日誌の抜粋だ。
日誌に見られる証拠は、SCP-3998と17世紀のセイラム居住者であるキャンディス・ヘイズの間に何らかの関連性があることを示唆していて。
日誌の大半は、SCP-3998が発見された不動産の近隣に位置する歴史的建造物の地下および屋根裏で見つかった。

玲

日誌1、著者: メアリー・A███、1682年
エイデン・ヘイズとキャンディスの結婚式に参加。
キャンディスはかなり取り乱しているようだった。
花嫁の父親は結婚した彼女の様子を見て酷く悩み通しだった — 彼女が感謝の念を抱いていないことは恥ずべきことだ。
とりわけ、エイデン・ヘイズのように尊敬されている男性と共にいるというのに。

玲

日誌2、著者: メアリー・A███、1683年
キャンディスは変わった。かつては髪を結っていたのに、今では長く伸ばしている。よく痣を作っているのを見る。彼女は、一人きりになって森へ行くためのありとあらゆる言い訳を探し続けている。

玲

日誌3、著者: メアリー・A███、1683年
今日、興味をそそられる事を耳にした。マルガレーテは近頃キャンディスが女としての義務をどれだけ避けているか指摘したし、彼女は悪い妻だからエイデンが腹を立てているのかもしれないという話を聞いた。そうなると痣の件も筋が通る。

miya

この痣ってDVの跡なんじゃ…

玲

日誌4、著者: メアリー・A███、1691年
洗濯物を洗うために外に出ると、キャンディスが夫に向かって叫んでいるのが聞こえた。
一体何があったのかと尋ねに行ったが、キャンディスは私を一蹴して“お節介”呼ばわりした。あの女主人の無礼さと軽蔑の度合いときたら相当なものだが、予想して然るべきだった。他の女たちにもこの事を話に行こうかなと思っている。

玲

日誌5、著者: メアリー・A███、1692年
最近、キャンディスについて幾つか不穏な話を聞いている。エイデンと結婚して以来、彼女は彷徨い歩くことが増えた。それに、彼女が男と寝屋を共にすることに興味を持たないという噂もある。
悪魔が彼女に憑り付いているに違いない。多分エイデンならあの淫婦に対して何をすべきか分かっているだろう。明日彼に話そうと思う。

miya

うーん、この日記とSCPの関係がまだわからないんだけど？

miya

というか隣人にここまで観察日記つけられるの怖い…

玲

まぁ年代的に今ほどプライバシーもクソもなかった時代だしな

玲

まぁこの日記からはキャンディスとエイデンの夫妻の事だけ覚えてくれればいい

玲

次の補遺資料だ

玲

インタビュー-3998-0
以下のインタビューは、1693年6月8日、ウィリアム・ストートン裁判官とセイラムの警察官らによって実施されました。インタビューは分かりやすくするために元の文書から編集されている。

玲

ウィリアム・ストートン: 逮捕令状を提示された際、お前は即座に逃走した。これに加え、お前は焼きごてを押されるまで話すことを拒み、また夫の証言はお前に対する疑惑を呼んでいる。これに対して何か申し開きはあるか？

キャンディス・ヘイズ: …それに関して言うことはありません。嘘は吐きません、告発は真実です。

ストートン: では魔女であることを認めるのだな？悪霊と交わったことを認めるのか？

キャンディス: 認めます。しかし、彼女は心底から邪悪な者ではありません。

玲

ストートン: 神の御名において、いったい何がお前を斯くも憎むべき所業の道へと走らせたのだ？

キャンディス: 彼らは憎むべきものではありません。彼らは神様のためにでも、サタンのためにでも、それ以外のどのような者たちのためにでも働くでしょう。彼らはただ道具の一種に過ぎません。

ストートン: 質問への答えになっていない。

キャンディス: 分かり切った事ではありませんか？私は結婚を望んでいなかったのに、父の教会でろくでなしの下へ嫁ぐことになりました。あの男は私を気遣っていません — 彼にとって私は財産なのです。

玲

ストートン: まるでリリスのような物言いだな。それこそ女がいるべき場なのだ。お前はただ良き妻として-

キャンディス: 黙りなさい！どうすれば憎んでいる男のために良き妻になれると言うんですか。私が気に掛けているのはクローヴィスのことだけです、彼女以外の者にこの気持ちが向くようならば呪われても構いません。私の最期の願いは、あのろくでなしが膝を突き、私が今まで受けてきたように扱われることを見ることになるでしょう。

玲

ストートン: クローヴィス？これは召喚した悪魔の名か？其奴がお前を魅了したのか。

キャンディス: 彼女は私を魅了しましたが、貴方が思っているようなやり方ではありませんでした。

ストートン: それは問題ではない。お前の告白は得られたのだ。お前のように傲岸な魔女は火炙りの刑とする。我々はお前の“クローヴィス”が地獄でお前をどう扱うかを見るとしよう。我等の君主と淑女、王と女王の名の下に、神がお前の魂に慈悲を与え賜わん事を。

キャンディス: それならそれで構いません。

miya

あれ？この会話内容ってもしかして

玲

うむ、魔女裁判ってやつだな

玲

実際1692年セイラムで起こったアメリカ史上最悪の魔女狩事件もある、まぁ興味があるなら調べてみてくれ

miya

でも、ここまで見た感じやっぱりSCP-3998は火炙りにされたキャンディスさんでDVを憎んでやってるように見えるけど？

玲

なら、これを見てどう思う？

玲

miya

何これ？

玲

SCP-3998の検死記録だ

玲

肝心なところを翻訳すると

玲

故人: 不明、SCP-3998 人種: 白人性別: 男性年齢: 32

住所: [編集済] M W S D 職業: 不明

死の種類: [暴力]、[発見時死亡済]、[不自然、奇妙、超常的]

玲

特徴と傷: SCP-3998は肋骨と頭蓋骨に深刻な損傷を負っており、鈍器で複数回殴打されたことを示唆している。胴体、腕、および頭蓋骨に沿って第四度熱傷が見られる。眼窩の周辺に損傷あり。脚は死後に切断されたと思われ、失われている。

玲

推定される死因: 第四度熱傷、または頭蓋損傷
死の形式: 殺人

miya

ん？男性…？

玲

そう、SCP-3998の死体は男性のもの

玲

さて、ここからある都市伝説を紹介しよう

miya

このタイミングで話すって事は関係ありなのね

玲

もちろんだ

玲

その都市伝説のタイトルは編み細工の魔女[ウィッカー・ウィッチ]

玲

かつて、意に反して男の下に嫁がされた若い女がいた。彼女は男を嫌っていたが、自分の教会のために子を産んでほしいという父親の願いに従った。ある女悪魔がこれを見て、森を歩いていた彼女の下を訪れた。

玲

彼女の手を取って言った、「私なら、貴方が真に生きたいと願う人生を手に入れる手助けができます。ちょっとした物を引き換えに捨てていただけるのならば」

玲

私の魂をもらおうと言うの？」女は言った。

「ええ、」悪魔は言った。

「私は裕福になれるかしら？」女は尋ねた。

「金銭では得ることの叶わない力を持つことになるでしょう」悪魔は答えた。

「真実の愛を手に入れることができるかしら？」女は尋ねた。

悪魔は黙った。「私には分かりません」

玲

女は申し出を熟考し、もう一度だけ尋ねた。「貴方は私の魂で何をしようというの？」

この質問は悪魔を驚かせたが、それは平静を保った。悪魔は彼女にこう答えた。「魂は消費されます。それ以上でも、それ以下でもありませんよ」

玲

女は受け入れ、悪魔と10年間毎日顔を合わせ、そして親しくなっていった。彼女は悪魔の下へ果実や小さな装身具を持っていき、悪魔は彼女に助言をしたり、仲間と引き合わせたりした。悪魔は彼女の質問に答え、彼女に魔術を教えた。女はやがて魔女となり、その力を使って、夫が彼女を苦しめるのと同じやり方で夫を苦しめた。

玲

ある日、彼女の夫は後を追い、彼女が悪魔の尾を揺り動かしているのを見つけた。
彼は密かに町へ戻り、群衆を集めた。
彼らは女を杭に縛り付け、脚を折り、カカシのように吊り下げて火炙りにした。

彼らは女の死体を山に打ち棄てたが、悪魔は彼女を見つけ出した — 魂を返すために。

玲

悪魔は彼女の骨を葦で包み、彼女を生かし続けるために魂の炎を使った。
だがその火は彼女を呑みこみ、彼女はかつての夫が自分と共に燃えゆくことを求めた。

玲

真夜中、彼女は自分の身を夫のジンに浸し、再び己の身に火を点けた。彼女は夫をベッドから引きずり出すと、その上に倒れ込んだ。彼女は彼の顔を燃やし、親指で彼の目を頭蓋から抉りだした。

彼女は、夫の肉が床に溶け出し、臭気がセイラムの何処にいても嗅ぎ付けられるようになるまで共に燃え続けた。彼女は夫の脚を掴むと、千切れるまで引っ張り続け、その脚を使ってもう一度自分が歩けるようにした。

玲

燃えてゆく家から歩き去ったのは二人のうち一人だけであり、それこそ彼女だった。夫の死体は決して見つからなかった ― ある者は夫が失った脚を求めて瓦礫の中から無益に這い出してきたと言い、またある者は魔女が夫の死体を拷問し続けるために何処かに持ち去ったのだと言う。しかし多くの者たちは、夫は魔女が自ら作り上げた地獄の中で何度も何度も燃え上がり、彼と同じような者たちを道連れにしては永遠に罰しているのだと言っている。

玲

魔女に関しては、確かに言えることはたった一つ。ウィッカー・ウィッチは、生きている。

miya

こわ…

玲

さて、この都市伝説とさっきまで解説していた話が重なる部分が多くあるだろ？

miya

このウィッカー・ウィッチがキャンディスさんでSCP-3998がエイデンなのね

玲

まぁそう捉えるのがいいと思うな

玲

SCP-3998の収容後、マサチューセッツ州における一日あたりの殺人件数が、0.32件から0.48件への特筆に値する増加を示し