tr
白々し。人との約束なんか、平気で破るくせにな

tr
…ぺいんと、……俺はお前を友達なんて思ったことはない

tr
幼馴染で何となく一緒にいたから、友達のような感じで調子を合わ せてはいたけど

tr
お前のこと、昔っから小学生の頃からずっと、大ッ嫌いだったッ!

tr
お前のせいで、俺は…あの人に会えなかった……最期だったのにッ…!

その言葉は、どんなナイフよりも深く、ぺいんとの心に突き刺さったようだった。
ぺいんとは呆然と青ざめて、まるで貧血のようにふらりと頭を揺らす。
pn
……………、

pn
…わ…分からない…。……どうして……、

pn
どうして………トラゾーが俺に、……そんなことを言うんだ……?

kr
や、やめて…トラゾー

kr
こんな状況で混乱してるのはわかるけど、そんなことを言っても何の解決にも……ッ

tr
すみません、クロノアさん。少し黙っててください……

pn
………ぅぅ……

pn
俺……、あんなにもトラゾーのことが好きで、……トラゾーに優しくして、親切にして……、

pn
トラゾーだって俺に、あんなに優しくて、……親切に…してくれてたじゃん……

tr
今一時だけの感情で言ってるんじゃねぇんだよ。この際だからはっきり言っておく、

tr
お前のことッ、小学生の時からずっと嫌いだったッ!! 嘘吐きで、人の心を踏みにじる冷たい奴!!

pn
……トラゾーが……オレにそんなことを言うなんて…、し、……しんじられない……

pn
なぁ、……俺、どんな嘘をついたんだ……?

pn
何をしてトラゾーをそんなにも傷付けたんだ……?

pn
謝るから……。ずっとずっと謝るから……。トラゾーがいいって言うま で、ずぅっと謝るからっ……

pn
だから……、教えてくれ………

pn
俺は一体、……何の嘘を吐いたっていうんだ……

tr
それが、わからないから。……ぺいんとは、人の心がないんだよ……ッ

pn
お願い…だから、教えてくれよ……

pn
……ぅぅ……っ…

いつも元気で、そして強気なぺいんとが、……涙をぼろぼろと零す。
その表情はぐしゃぐしゃで……、皆が知るぺいんととはまったく別の、 怯えた小動物のように見えた。
sn
……も、もうやめてください……

sn
僕は、こんなの聞きたくないです…っ……

tr
……しにがみさんはぺいんとのこと、好きでしたよね?

sn
好きです…。大好きな友達ですよ…!

tr
……この際なので、しにがみさんにも教えてあげますけど

tr
ぺいんとは、……しにがみさんのこと、一番嫌ってたんですよ?

sn
………う……そ…、

tr
しにがみさんが楽しそうにクロノアさんや俺と遊んでいる時。

tr
……ぺいんとがどれほど冷たい目でしにがみさんを見ていたか、知らないですよね

tr
ぺいんとはそれを隠せているつもりだったようだけど。……俺は気付いてた

tr
クロノアさんだって、気づいてましたよね?

kr
………………、

tr
ね? 知らなかったのは、しにがみさんだけなんですよ

sn
そ、……そうなんですか?ぺいんとさん………

tr
一度や二度じゃない。小学校の頃から、何度も

tr
それで俺、気付いたんだ

tr
俺たちは、仲良し4人組だと思っていたけど。……ぺいんとの中ではずっと、3人組だったんだ、って

sn
ぅ、嘘です…っ…

sn
ぺいんとさんが僕のこと、……嫌いなんて……、

sn
嘘だぁ……、嘘だぁぁ……ッ

tr
さすがはぺいんと。……大嫌いなはずのしにがみさんに、ここまで言わせるんだから、大した大嘘吐きだよな

pn
……やめろよ、…やめてくれ……

pn
なぁ、トラゾー……。どうして俺をそんなに詰るんだ……? 俺には……わからないよ……

tr
もういい加減にしろ……

tr
その気持ち悪い猫被りをいい加減にしろッ!!

tr
お前なんか大嫌いッ、最初から大嫌いッ! お前なんか信用しねぇッ、この大嘘吐きがッ!!!

kr
もうやめてっ、トラゾー……!!

kr
こんなことに何の意味があるの?!時間の無駄だよ!

kr
今はこんなことしてる場合じゃない。みんな、感情は一旦忘れてっ

kr
俺はぺいんとを信じる。 信じるしか、助かる道はないっ

kr
……俺が宣告をすればいいんだったよね?

kr
"無罪"

その宣告と同時に、ぺいんとを拘束していた手枷足枷が外れる。
そして、予想通り、しにがみは拷問椅子に手枷足枷で拘束された。
ぺいんとが身を起こすと、鎖はじゃらりと伸びて、室内を自由に歩けるようになっていた。
pn
………ふぅ……

pn
サンキュー、しにがみ。

pn
……あとは俺たちに任せろっ

sn
ぺいんとさん、お願いします……ッ

sn
す、すごい……。取れましたね…!

kr
いい感じに取れたね。……これならテコに使えそう……

ぺいんと達はもぎ取った配管を持ち直し、まずはエレベーターの扉に向かう。
そして、配管の先端をうまく扉の隙間に押し込みながら、力を籠める。
sn
あ…、開いた…!?

kr
中は普通のエレベーターだね……。この首輪さえ何とかなれば…脱出できる

pn
あとは首輪だけだなっ。クロノアさん、ちょっと首輪を見せてもらいますね

kr
……お願い…

sn
首輪、外せますよね…?

tr
………………

pn
……ふざけた仕掛けだな……。 なるほど……

kr
どんな感じ…?

pn
多分……、わかりました。

pn
……クロノアさん。ちょっと試しに“有罪”って宣告してもらっていいですか?

kr
どうして?

pn
多分、この仕掛け……。“有罪”が出ないと解除されないんです。

pn
ここさえ外れてくれれば、力技で行けます!

kr
"有罪”を言った後でも“無罪”って言い直せるし……

kr
うん、わかった……

kr
"有罪"
