テラーノベル
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宿舎の夜は、いつも賑やかだ。 でも、深夜2時を回る頃、世界は一変して深い静寂に包まれる。
Hobi
ふと目が覚めた僕は、まだ少しだけ重たい腰をさすりながらベッドを抜け出した。
リビングは月明かりだけが差し込んでいて、まるで深い海の底みたいに静かだ。
キッチンへ向かおうとした時、ふと、リビングのソファの影に "二人分のシルエット" があることに気づいて、僕は足を止めた。
(...ジニヒョンと、ユンギヒョン?)
キッチンの手元灯だけが、オレンジ色の淡い光を二人の横顔に落としている。
いつもなら、釣りやゲームの話で笑い合っているはずの二人。 でも、今の空気は……僕が知っている "ヒョンたち" のそれじゃなかった。
jin
ジニヒョンの、いつもの明るいトーンとは違う、低くて優しい声。
見ると、ソファに深く腰掛けたユンギヒョンが、ジニヒョンの肩にこんと頭を預けていた。
ユンギヒョンは目を閉じて、まるで糸が切れた人形みたいに、ヒョンにすべてを委ねている。
suga
ユンギヒョンの掠れた声が、静かなリビングに響く。
ジニヒョンは何も答えず、ただ愛おしそうに、ユンギヒョンの少し伸びた前髪をゆっくりと指先で払った。
その指が、ユンギヒョンの白い頬を、なぞるように滑り落ちる。
僕は水を飲むのも忘れて、壁の影で息を呑んだ。
ジニヒョンの手が、ユンギヒョンの顎をそっと持ち上げる。
二人の距離が、10センチ、5センチと縮まっていく。
(...え、嘘。これ、僕が見てていいやつ、?)
心臓が、昨夜の自分たちとは違うリズムで、激しく警鐘を鳴らす。 でも、目が離せなかった。
二人の顔が触れ合うか触れ合わないかという距離で止まり、ジニヒョンが小さく笑った。
jin
suga
そう言うと、ユンギヒョンは自分からジニヒョンの服の裾をぎゅっと掴み、その胸元に顔を埋めた。
ジンヒョンは、愛おしくてたまらないというように、ユンギヒョンの背中に大きく、温かい手を回した。
そこにあるのは、言葉なんて必要ない、二人だけの完成された世界。
最年長としてグループを支えるジニヒョンと、音楽の裏側で誰よりも孤独と戦うユンギヒョン。
二人が背負っている重圧を、半分ずつ分け合えるのは、この世に二人しかいないんだ...
そんなことを考えていたら、なんだか胸の奥がツンとしてきた。
僕は二人を邪魔しないように、音を立てずにゆっくりと、自分の部屋へと引き返した。
結局、水は飲めなかったけれど。 二人の間に流れていた、あの青くて熱い空気だけで、僕の心はお腹いっぱいになっていた。
📸今日の一枚:僕のレンズに映る、愛おしい世界
深夜2時のキッチン。 出番を終えて並んで置かれた、二つの空のグラス。 普段は "一番上のヒョン" として振る舞う二人が、 誰にも見せない場所で、ただの "一人の人間" に戻って寄り添う瞬間。 僕のレンズは、その尊すぎる光景に、今日もシャッターを切ることができなかったんだ。 おやすみなさい、僕の大切なヒョン達。
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