☘星に願いを☘
今でも鮮明に覚えている
母が死んだ瞬間
るぅ
仕事といって 駆け付けてくれなかった父
父の病死
新しい家族が出来たとき
あれは11歳のときだっけな
伯母
伯母は僕ら3人と同じ境遇の 子供をつれてきた
さと
なな
義兄のななとさと
りぃ
気の弱そうな義弟のりぃ
ころ
しぇ
ころは不安気に僕を見上げ、しぇは明るく言ってるものの顔色が悪かった
僕は真ん中っ子になった
母が死んだとき、父は何も言わず伯母に3人を預けていた
その時、頭が真っ白になった
この3人が、僕たちや母の思い出の家に図々しく ただいまって言ったり
居座るんだから
僕は、受け入れる事が出来なかった
僕は16歳になって 高校に向かっていた
なな
またはじまったよ…
この人の‘’お弁当作戦‘’
11歳の頃から無視し てるんだからそっちも無視してよ
正直言ってうざい
心の中で反抗して、背を向ける
いつも通り無視して高校へ行こうとした
りぃ
りぃのたどたどしさは 数年たった今でも消えない
肩を押しのけて横を通る
その時、
りぃ
りぃが唸った
軽くおしたくらいでそんなうめく?
なな
りぃ
ふたりを無視して僕は 今度こそ高校へ向かった
るぅ
学校にいるときは嫌いではない
むしろ好きだ
友達もいるし、何より気が楽
るぅ
僕は吹奏楽部に入っている
なんの曲を演奏するかを 決めるんだろう
楽しみだ
部活での話し合いが終わったあと、教室に戻る
差し出されたのはお弁当…
るぅ
ここは中高一貫校だから
僕がおいてったお弁当を中学生のりぃが届けに来る
るぅ
お弁当はいつも食べてない
ころ
るぅ
さと
さとは図々しくもおかえりと 言ってくる
るぅ
基本的に義兄弟は無視している
腹立つだろうな、向こうからしたら
こんな弟
なんなの、本当
こう思い続けて何年目だろう
るぅ
るぅ
僕の部屋にはりぃがいた
りぃ
るぅ
言い過ぎだとは思ったが
部屋に入られるのは嫌だ
なな
ひょこっと部屋のドアから 顔を覗かせる
るぅ
なな
りぃ
叱られるりぃを横目に 簡単な課題を終わらせる
るぅ
ガラにもなく可哀想にも思える
りぃがさっきまで見ていたところには、僕とお母さんの写真があった
るぅ
ころ
るぅ
ころ
部活のメンバーで もう一度集まることになっていた
ふと綺麗に並んだ6つの靴を見た
るぅ
一番小さい靴
りぃの靴だけ凄く汚れている
さとは世話焼きだから頼んでもいないのに靴やら服を洗ってくる
そんな人がりぃのだけ洗い忘れるなんてことあるのだろうか?
るぅ
あるんだろうね、 汚れてるんだったら
ころ
るぅ
ころ
明らかに誰かに踏まれたような跡や赤い汚れは目を伏せたくなる
るぅ
他愛ない話を挟みながら 曲を決めた
るぅ
帰る頃には外は暗くなっていた
るぅ
街灯が壊れているから道を照らすのはマンションや一軒家の窓から漏れる光だけ
るぅ
明るくしようとして、辞めた
るぅ
星が多く見えた
しばらく棒立ちで星を眺めてたら
って言う声がした
るぅ
りぃの声だ…
どこから?
きょろきょろとまわりを見渡す
るぅ
公園の入口あたりで女子生徒に囲まれてるりぃがいた
仲良く会話してる…
……訳ではなさそう
りぃ
パンッの弾くような音がした
りぃが打たれた
どうしよう、 どうしたらいいんだろう
りぃが嫌いでも、 ここまで無視はできない
でも。僕が助けてもりぃへの風当たりは強くなるんじゃないの?
るぅ
悩んで、りぃを見ると足を 踏まれてた
あぁ…それであの靴
どうしようどうしようって悩みながらりぃの隣に立った
りぃ
るぅ
自分では微笑んだつもりだった
ちゃんと笑えてるだろうか
りぃ
るぅ
りぃは何も言わなかったので、 女子たちに笑いかけながら言う
るぅ
と、言い
りぃをちらりと見る
りぃ
なんと返事すればいいのか 分からないんだろう
りぃは僕を見てる
るぅ
りぃ
るぅ
考えるより先に行動するところがお父さんに似てるね、
母に言われた言葉を思い出した
正直言って あの父親と同じだと思われたくはないが……
るぅ
そう言うと女子たちは蜘蛛の子を散らすように帰っていった
るぅ
一応心配してあげる
りぃ
るぅ
りぃ
りぃは僕にぶつかったのも気にしないで逃げるように帰った
それほど家族に知られるのが嫌だったんだろうか
いじめられる弱い自分を見せることをプライドが許さなかったのかもしれない
るぅ
僕は初めて‘’りぃ‘’を見た気がした
2話へ続く
コメント
6件
ブクマさせてもらいます
んゎ、兄弟パロの中で1番好きかも、✨