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今日は有桜中学校の入学式
私、吉原紬(よしはら つむぎ)は鏡の前で身だしなみを確認していた
紬
菫
紬
菫
紬
樹
お母さん
紬
お母さん
菫
紬
紬
中学生になった実感が湧かず 不思議な気持ちになる紬
胸を躍らせて家のドアを開けた
勢いよくドアを開けると そこには見慣れた人物がいた
楓
呆れた顔をしながらこう呟いたのは 山下楓(やましたかえで)
彼は私の幼なじみで家が隣同士 昔から一緒にいることが多くて 今もこうして中学校へ登校しようとしている
紬
楓
紬
楓
紬
小学生の時から こんな風に喧嘩してばっかり
だけど朝から緊張していた心が 少し緩んだ気がする
楓
紬
紬は足早に歩いていく楓を追いかけた
揉め合いしかしないけど 楓と一緒にいるのは 何故か心地よくて嫌いじゃない紬
今日も2人はいつも通りだ
駅までの道を歩く2人
紬はいたずらな表情を浮かべて 楓に話しかけた
紬
楓
紬
楓
紬
楓
紬
楓
いつものように会話しながら 通学路を歩いていると 紬はどこからか視線を感じた
女子生徒達
女子生徒達
ヒソヒソと会話する 女子生徒達の声が紬の耳に入る
楓は相変わらず人気だな〜、、
小学生の時から何かと 女子から人気だった楓
まあそれもそのはず 彼の顔は綺麗に整っており スタイルもいい 人気が出ないはずがないのだ
紬
楓
紬
楓
紬
楓は紬の手首を掴み 引っ張って駅へ向かう
ほんとに興味無さそう 普通なら喜ぶはずなのに、変なの
小学生の時から変わらない 相変わらずの態度に 紬は不思議に思うのだった
駅に着くと同じ制服を着た生徒が沢山居た
一緒の学校の子達だ、、 みんな1年生だよね?
わくわくした気持ちを抑えきれず つい笑みがこぼれる紬
紬
楓
紬
楓
紬
楓
紬
楓
楓がこう呟いたあと 紬はまた視線を感じた
なんかめちゃくちゃ見られてない、、?
近くにいる女子生徒達が こっちを見ながら話している
女子生徒達
女子生徒達
どこにいても目立つ楓には もう慣れてしまった紬
やっぱり当の本人は全く気にしていない
紬がいつものことだ、と思っていると ある会話が耳に入った
女子生徒達
女子生徒達
こう言われるのも何回目だろうか 楓の隣にいると 自分に対しての評価が嫌でも耳に入る
別に普通でいいもん、普通がいいし、
聞き慣れたワードに戸惑うことはもうない だけどやっぱり良い気はしない
確かに楓と一緒にいる相手には 見合わないのかもしれない
だけど楓と一緒にいる自分は なんだかんだ楽しそうで 紬自身とても好きだった
思わず顔を伏せてしまう紬 そんな時
楓
楓の耳にも入っていたのだろう 紬に向かって楓は呟いた
紬
楓
紬
楓
紬
楓
紬
楓は私に意地悪することが多いけど 気を使ってくれることも多い
結局楓に気使ってもらってばかりだ、私
その時ちょうど電車がやってきた
紬
電車に乗りこみながら背伸びをして話す紬
楓
紬
楓
紬
楓
少し頬を膨らませ拗ねる紬
その姿を見るなり優しく微笑む楓
2人の中学校生活が始まろうとしていた
つづく