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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

今日は有桜中学校の入学式

私、山下紬(やました つむぎ)は鏡の前で身だしなみを確認していた

お姉ちゃん!!
どう?制服似合ってる?

いい感じ!
よく似合ってるよ

よかった!
ちょっと大人になった気分!

ふふ、
あんなに小さかった紬が中学生だもんね
なんか嬉しくなっちゃう

もう、お姉ちゃんったら〜

姉ちゃん
もう家出る時間じゃないの

お母さん

そうよ、紬
お母さんは後から行くからね

え、あほんとだ
じゃあお母さんまたあとでね!

お母さん

うん、またあとでね
行ってらっしゃい

紬行ってらっしゃい!
たくさん友達作っておいでね!

うん!行ってきます!

(中学校生活、緊張するけど沢山楽しまなくちゃ!)

中学生になった実感が湧かず 不思議な気持ちになる紬

胸を躍らせて家のドアを開けた

勢いよくドアを開けると そこには見慣れた人物がいた

おっそ

呆れた顔をしながらこう呟いたのは 吉原楓(よしはら かえで)

彼は私の幼なじみで家が隣同士 昔から一緒にいることが多くて 今もこうして中学校へ登校しようとしている

いつもよりは早いでしょ!

まあな、酷い時は俺まで遅刻しそうになるもん

はいはい、文句あるなら1人で行けばいいのに

無理
お前を1人にしたら何が起こるか分からないからな

心配しなくても何もしませんよーだっ

小学生の時から こんな風に喧嘩してばっかり

だけど朝から緊張していた心が 少し緩んだ気がする

ほら、早く行くぞ

あ、ちょっと待ってよ!!

紬は足早に歩いていく楓を追いかけた

揉め合いしかしないけど 楓と一緒にいるのは 何故か心地よくて嫌いじゃない紬

今日も2人はいつも通りだ

駅までの道を歩く2人

紬はいたずらな表情を浮かべて 楓に話しかけた

ねえ、制服姿どう??

、、まあいいんじゃね?

何その微妙な反応〜
ほんとに思ってる??

思ってる思ってる

ほんと?

ほんとだって
俺が嘘つくと思うか?

うん、思う

あのなあ、お前、、

いつものように会話しながら 通学路を歩いていると 紬はどこからか視線を感じた

女子生徒達

ねえ、見て見て
あの人めちゃくちゃかっこいい!

女子生徒達

ほんとだ、超かっこいい、

ヒソヒソと会話する 女子生徒達の声が紬の耳に入る

楓は相変わらず人気だな〜、、

小学生の時から何かと 女子から人気だった楓

まあそれもそのはず 彼の顔は綺麗に整っており スタイルもいい 人気が出ないはずがないのだ

楓、また女の子達から見られてるよ

興味ない

またまた〜
そんなこと言っちゃって

どうでもいい
ほら、行くぞ

えちょっと、楓!

楓は紬の手首を掴み 引っ張って駅へ向かう

ほんとに興味無さそう 普通なら喜ぶはずなのに、変なの

小学生の時から変わらない 相変わらずの態度に 紬は不思議に思うのだった

駅に着くと同じ制服を着た生徒が沢山居た

一緒の学校の子達だ、、 みんな1年生だよね?

わくわくした気持ちを抑えきれず つい笑みがこぼれる紬

ふふ

おい、何笑ってんだ

べつに、、
なんでもないけど

いや、お前がそういう時は
大抵なんかあるだろ

なんでもないってば!!

ほんとか?

ほんと!!

はいはい、
わかったわかった

楓がこう呟いたあと 紬はまた視線を感じた

なんかめちゃくちゃ見られてない、、?

近くにいる女子生徒達が こっちを見ながら話している

女子生徒達

かっこいい〜、芸能人みたい、

女子生徒達

あんな人が彼氏だったらいいのにな〜

どこにいても目立つ楓には もう慣れてしまった紬

やっぱり当の本人は全く気にしていない

紬がいつものことだ、と思っていると ある会話が耳に入った

女子生徒達

あの横にいる子彼女かな?

女子生徒達

え、めっちゃ普通な子だけど、、
あの子が彼女?

こう言われるのも何回目だろうか 楓の隣にいると 自分に対しての評価が嫌でも耳に入る

別に普通でいいもん、普通がいいし、

聞き慣れたワードに戸惑うことはもうない だけどやっぱり良い気はしない

確かに楓と一緒にいる相手には 見合わないのかもしれない

だけど楓と一緒にいる自分は なんだかんだ楽しそうで 紬自身とても好きだった

思わず顔を伏せてしまう紬 そんな時

紬、気にすんな
勝手に言わせとけ

楓の耳にも入っていたのだろう 紬に向かって楓は呟いた

別に気にしてないから
大丈夫だよ

嘘つけ
顔がしかめっ面になってるぞ

そんなにわかりやすい?

お前の顔はわかりやすいからな

変なの
楓には誤魔化せないね、笑

言っとくけど
誤魔化そうと思っても無駄だからな

はいはい、わかりましたよ〜

楓は私に意地悪することが多いけど 気を使ってくれることも多い

結局楓に気使ってもらってばかりだ、私

その時ちょうど電車がやってきた

あ〜入学式楽しみだな〜

電車に乗りこみながら背伸びをして話す紬

入退場の時転けるなよ

なにそれ
転けると思ってるの?

だってお前危なっかしいし

もう、大丈夫だってば!

それはどうだか

少し頬を膨らませ拗ねる紬

その姿を見るなり優しく微笑む楓

2人の中学校生活が始まろうとしていた

つづく

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