稲垣京子 死亡から2時間後
妃陽はシャワーを浴びていた
妃陽
妃陽
妃陽
妃陽
妃陽
妃陽
妃陽
妃陽
妃陽
妃陽
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
え
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
彼は腹を抱えて笑っていた
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
妃陽
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
そう言って彼はテーブルの椅子を引き、私に座るよう促した
妃陽
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
妃陽
そうは言いつつも、彼は慣れた手つきで卵を割り、調理を始めた
卵の甘い香りと肉のやける香ばしい香りが鼻腔をくすぐる
妃陽
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
妃陽
彼は何時も、何処かで私を見透かしているような気がする。 だから、少し怖かった。
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
出された料理は「ピカタ」
ピカタ発祥の地、イタリアでは子牛肉が使われているが、 ここでは豚肉で代用されている様だった。
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
妃陽
皿の上にふわりと立ちのぼる湯気と、黄金色の衣。 目に入った瞬間、胸がすっと軽くなる
妃陽
ナイフを入れると、衣がほろりと崩れて中からやわらかい豚肉が顔を出す。 レモンを少し絞ったら、じゅわっと香りが立って、思わず息をのんだ。
一口食べると、衣の香ばしさと肉の甘みがほろりと溶けあって、舌の上でほどけていく
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
気取ってるわけじゃないのに、心まで温かくなる味。 食べ進めるほど、目頭が熱くなってくる。
妃陽
気づけば、頬から涙がつたっていた
妃陽
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
その後も、私達は無言で食べ続けた
でも、その時の私を見つめていた彼の瞳は何処までも優しく感じて。 ほんの少しだけ、彼を好きになれた気がする
妃陽
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
妃陽
妃陽
妃陽
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
ニコライ・ゴーゴリ
妃陽
妃陽
ねぇ、ゴーゴリさん なんでだろう
私、貴方を知ってる気がするの
X年前
妃陽
???
私は、─────と遊んでいた
降り積もる雪も気にせず、 まるで世界に2人だけかのようにして遊びに夢中になっていた
???
妃陽
記憶の中の彼は、雪に良く似合う長い白銀の髪を揺らしながら 綺麗なオッドアイで何時も無邪気に笑っていた
???
妃陽
妃陽
あの時、彼は私に栞をくれた
ホワイトチョコレートみたいに 真っ白で綺麗なエーデルワイスを押し花にした栞だった
???
妃陽
妃陽
──────!
あれ?
名前、なんだっけ?
妃陽
妃陽
また、この夢だ
妃陽
ここに来てからというもの、毎日のようにこんな夢を見るようになってしまった
妃陽
妃陽
妃陽
家を出る前に『カラマーゾフの兄弟』にはさんでいた栞を取り出した
栞は綺麗なままだった ホワイトチョコレートみたいに真っ白なエーデルワイスも、 枯れることなく栞に収まっている
妃陽
夢の中には何時も彼がいる
妃陽
どうして、名前が思い出せないの?
コメント
2件
ぴゃぁ…、ラッキースケベは世界を救う…(????)いいぞもっとやれ…