TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

善光 優斗

授業の後の休み時間。僕ら5人は集まって雑談をしていた。

絵馬 海龍

次の動画が…

銭場 守

今度のバイトで…

金満 潤

この前は優斗で…

善光 優斗

みんな、自分の喋りたい事を喋っている。協調性ってものは、無いんだろうか。

絵馬 海龍

とりあえず数字を…

銭場 守

ババアがさ、ドリンクバーで…

金満 潤

イク時に優斗の顔に…

木生 葉

……。

善光 優斗

あれ?そういえば木生君喋ってないな。まぁ、彼自身あんまり喋るタイプじゃないけど…。

善光 優斗

そう思って、ふと木生君の方を見ると、鼻ちょうちんを出して寝ていた。

木生 葉

zzz…zzz…。

金満 潤

だから次は中に…優斗!聞いてるのか!!?

善光 優斗

「うぉっ!」

善光 優斗

「あーうん。聞いてる聞いてる。」

金満 潤

ったく、約束だからな。今度69するの。

善光 優斗

「ごめん待って、そんな約束してた?」

金満 潤

した。

善光 優斗

エグすぎるだろ、誰がするか。

善光 優斗

「ごめん無理、キャンセル。」

金満 潤

やだ。

善光 優斗

「僕したくないって言ってるのに強要するの性的DVだよ。」

金満 潤

けど優斗さっきわかったって言った!!

善光 優斗

「けど気持ち変わったもん。僕したくないもん。ハグならしてあげる。」

銭場 守

善光お前ちょっと自分の事、可愛いって思っただろ。

金満 潤

エッチは…?じゅんじゅんエッチッチしたいの…。

銭場 守

金満、お前はもう頭が手遅れなんだろうな。

絵馬 海龍

コイツらよりもオレの方がかわええやろ。

善光 優斗

「金満君、言っとくけど僕同意しないからね。」

善光 優斗

「性的同意を取らないと、忘れた頃に訴えるよ。いいの?金満君。」

金満 潤

訴えてもいい。金も払う。ヤらせてくれ。

絵馬 海龍

お前そこまでして、こんなヒョロガリとヤリたいんか?

銭場 守

金満…俺にしろよ…。

金満 潤

ぶっ殺すぞ銭ゲバぁぁっっ!!!!!!すっこんでろテメェはぁぁぁ!!!!!次またその不愉快極まりない言葉言ってみろっ!お前の内臓引きずり出してやるからなぁっっっ!!!

銭場 守

そこまでキレんなよ。冗談だって。

木生 葉

んおっ!

善光 優斗

金満君の絶叫で、木生君が体をビクッと動かして目を覚ました。

善光 優斗

「おはよう、木生君。」

木生 葉

……おれ寝てた?

銭場 守

自覚ねぇのかよ。爆睡だったぞ。

木生 葉

マジか…なんか寝てたっつうより、意識が飛んでた感じ。

絵馬 海龍

スタンド攻撃受けとるやん。それ時間吹き飛んでるんやで。

木生 葉

マジか。ならおれは◯ケモンで対抗するわ。頼んだぞ、マルスケデブ。

絵馬 海龍

殺すぞお前。

善光 優斗

「木生君寝不足なの?」

木生 葉

おん、今日は寝不足気味。

絵馬 海龍

今日はっ、つうけど毎日お前寝不足やん。クマすっごいで。

木生 葉

今日は特に寝不足なんだよ。今ソシャゲのイベやってっから、寝れねんだわ。

善光 優斗

「へぇー、木生君大変なんだね。」

金満 潤

優斗!俺も昨日夜中まで優斗で抜いてた!だから寝てない!

善光 優斗

「へー、金満君頭残念なんだね。」

絵馬 海龍

ソシャゲもええけど動画の編集は?

木生 葉

あ?別におれのペースでやらせてくれやぁっあああ!!!

絵馬 海龍

わあっ!こっわ!急にデカい声出すなや。金満じゃん。

金満 潤

あ?

絵馬 海龍

まぁちゃんとやってくれてるならええわ。明後日までに投稿しといてや。

善光 優斗

「動画編集は木生君がやってるんだ。すごいね。」

木生 葉

ホントは面倒いからやりたくねぇけど、こいつが収益の4割くれるからって。

銭場 守

いくら貰えんの?

木生 葉

内緒。

金満 潤

優斗、俺も動画編集出来るぞ。結婚式に流す映像も任せてくれ。

善光 優斗

「嬉しい!じゃあ僕が結婚する時お願いするね。」

金満 潤

俺と!結婚するんだぞ。

善光 優斗

「んー?」

金満 潤

んー?

キーンコーンカーンコーン

善光 優斗

雑談をしていると、休み時間が終わったようだ。

善光 優斗

僕らはのろのろと自分の席に戻った。

善光 優斗

ふぅー、次の授業は数学かぁ。頑張るんば!!

常安先生

で、ここの数値が…

善光 優斗

カツカツと黒板にチョークで文字を書く音が響く。それほど教室は静かだ。

常安先生

Xの値に代入して…

善光 優斗

今、教室の中に存在する音は、先生の声と黒板の音。そして僕らがペンを走らせる音と…

銭場 守

……zzz

絵馬 海龍

……ぐごっ、ぐ…zzz

金満 潤

[ペキッ、パリ]

木生 葉

…ぅ…ぁ…

善光 優斗

小さく寝息を立てている銭場君と、授業そっちのけで僕があげた折り紙を折っている金満君。

善光 優斗

たまーに、ビクッてなってる絵馬君と、睡魔に抗いすぎて死にそうになっている木生君のうめき声ぐらいだ。

常安先生

……。

常安先生

…銭場と絵馬はもういい。ここまできたら潔い良いわ。

常安先生

金満は…もうずっとそうしといてくれ。そいつ喋ると人の神経逆撫でする様な事しか言わねぇし。

常安先生

善光、真面目に授業受けてんじゃねぇよ。友達がちゃんと授業受けてねぇんだから、お前も面白い事しろ。

善光 優斗

「友達じゃないです。」

常安先生

お前そういう奴だったんだな。最低だな、って言いたいとこだが、コイツらなら正解。

金満 潤

夫婦だ。

常安先生

お前は黙ってろ。

善光 優斗

「金満君、ほら木彫りの熊折るんでしょ?」

金満 潤

うん。優斗欲しいって言ってた。じゅんくんあげる。

善光 優斗

「嬉しい、ありがとう金満君。」

金満 潤

うん。

常安先生

じゅんくんの事は善光頼むわ。問題は…

木生 葉

…ぁ…ぅ…

常安先生

木生、お前だよ。

木生 葉

……ぁい。

善光 優斗

木生君は白目をして、よだれをぽたりと垂らし、ゾンビになりかけの人間のように返事した。

常安先生

もう寝ろよー、そんな状態なんだから。先生怖いわ、白目されながら授業すんの。

木生 葉

…ウゥ、オレはまだ…

常安先生

もういい。いいよ寝て。つかもう半分寝てんだろ。お前の頑張りは認める。認めるから。意欲関心態度んとこは下げるけど。

善光 優斗

それが嫌だから木生君死にそうになりながら授業受けてるんだろうな。木生君変なとこでみみっちぃし。

木生 葉

ウゥ オデ マダ ジュギョウ ヤル。

常安先生

もうゴブリンみたいになってんじゃん。

絵馬 海龍

…zzz…ん〜…木生…動画…

木生 葉

…ウゥ…くたばれクソメガネ…

常安先生

会話してるし…。

善光 優斗

言うほど会話か?

木生 葉

…音ゲー…クソ…ニート…どもが…ランキング…独占…してんじゃ…ねぇよ…暇人どもが…

常安先生

うなされてるぞ…!悪夢見てるのか?

善光 優斗

まぁいろんな意味で悪夢なのは確か。

木生 葉

あっ…うぅ…

善光 優斗

木生君の両手が何かを持つような構えになった。そして親指が、うねうね動く。

常安先生

こっ、コイツ…!

常安先生

夢の中でも音ゲーやってんのか?!

木生 葉

ぅ…ぅ…ランキング…上位…限定…強キャラ…配布…ゴミ…運営…

常安先生

なぁその熱意を何故勉強に向けられない?お前頑張ったら上位狙えんだろ?

木生 葉

…勉強で…上位…より…音ゲーで…上位…

常安先生

絶対勉強の方が役立つだろ…。

善光 優斗

今会話出来てたよ、木生君ホントは起きてない?

絵馬 海龍

…動画…編集…

木生 葉

るぅっせぇぶっ殺すぞノマテラデブ。……ぅ…うう…zzz…

善光 優斗

なんでそこだけ流暢に喋れるんだよ。

金満 潤

優斗!出来た!ほら折り紙で作ったオ○○!!

善光 優斗

「わぁ、金満君すごいね!ちょっと借りるね。」

金満 潤

うん!優斗、エッチッチする時に使って…じゅんくんのこと、考えながらエッチッチしてほちい。

善光 優斗

僕は金満君の話を無視しつつ、木生君の席に、金満君が作った折り紙オ○○を置いた。

善光 優斗

「木生君、限定キャラだよ。」

善光 優斗

僕の言葉に、ゆっくりと木生君の黒目が降りてきた。

善光 優斗

焦点の合わない虚な目で、ぼんやりと折り紙オ○○を見る木生君。

木生 葉

っ!やった…!水着キャラ来たぁ…!

善光 優斗

優しく折り紙オ○○を抱きしめて、その言葉を最後に、木生君は力尽きた。

善光 優斗

「…おやすみ…木生君…。」

善光 優斗

僕は目を閉じ、目の前で十字を切って祈ると、自分の席へ戻った。

常安先生

……。

常安先生

……お前ら5人。成績下げとくからな。

愛が重いよ、金満君。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

22

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚