六ペンスで買った月

僕は知っている。 彼女が異常であることを。 彼女は大多数の人間に対する興味がない。 まぁ、それだけならただの変わり者だが､､､

彼女は､､､ほとんどの人を絵の具としか見ていない。 こう言えば､彼女が異常であると理解してもらえるだろうか？ だから、彼女が彼を置いて行ってくれたことは、正直とても喜ばしい。

まぁ、彼､僕の兄弟もある種異常者ではあるが､､､兄弟はまだ戻れる範疇だ。

､､､そういえば、件の頼み事をしたあの男も異常者だったな。 人殺しを生業にしていながら、まともに振る舞えるだなんて、異常な事この上ないだろう。

ふと、思考を止めてみると、聞き馴染みのある靴の音が近づいて来ていることがわかった。

どういう事だ､､､？ Spanienの話が事実であるなら､､彼等はあの後に付き合ったということか？

､､理解できない。彼女は、彼は、人に興味がないんじゃなかったのか? あぁ、やっぱり理解出来ない。 全てを無意識とするフロイトだって、これにはドン引きするんじゃ無いか。 はっきり言って、

なんだ、まだ居たのか､､､

いや、実際僕は彼と比べたら正常なはずだ。 ただの闇医者なんてさ。