運営様のお題より 『#梅雨』
『君のヒカリになれたなら』
輝
雫
雫
雫
雫
俺の好きな人が、瞼を腫らして、そこにいた。
輝
雫
君が驚いて、勢いよくこちらを振り返った。
やばい、驚かせちゃったかな…
雫
雫
君が僕の名前を呼ぶ。
慌てたように瞼を擦って、涙を拭き取った。
雫
輝
突然の言葉に、少し変な応え方をしてしまった。
でも、そんなことよりも、
君の、
君の声が、少し掠れていたことの方が気にかかった。
輝
バカ。
こんな大雨の中で、
一人で泣いている女の子の、
心が、
大丈夫なわけないだろ。
俺のバカ。
雫
君の頬に、雫がついていた。
君の涙なのか、それとも、この雨でついた雫なのか、
それは分からないけど
輝
雫
沈黙。
俺は、誰かといる時の静けさが苦手だ。
何か話題はないかと、君以外の場所へと目を泳がせていた。
そこで耳に入ってきたのは、
女子高生
女子高生
女子高生
雫
近くにいた女子高生の会話。
雫
輝
君の頬に、雫が零れた。
まずい。
輝
雫
輝
思わず名前で呼んでいた。
考えろ。
何を話せばいい?
考えろ。
自分。
輝
雫
輝
輝
輝
雫
輝
雫
…!
言えた。
そうだ、この言葉だ。
ずっと出てこなかった言葉はこれだ。
なぜか、一人ですっきりした気分になっていた。
雫
輝
雫
輝
違う。
輝
するりと言葉が出てきた。
雫
輝
輝
輝
輝
雫
雫
君の瞳から、また、雫が零れ落ちた。
輝
輝
雫
雫
雫
輝
輝
雫
なぜかは分からないけれど、君は何回も『ありがとう』を言っていた。
まるで、君の気持ちがそのまま浮き出たような空だった。
雨は少し収まって、遥か遠くの方には、雲から差し込むヒカリが見えた。
雫
雫
雫
輝
雫
雫
雫
雫
雫
雫
雫
雫
雫
輝
なんで、君が謝るの?
謝る必要なんてどこにもない。
輝
雫
輝
雫
雫
輝
雫
雫
輝
輝
雫
輝
輝
輝
雫
輝
雫
輝
輝
雫
輝
雫
輝
雫
輝
雫
輝
輝
雫
雫
輝
輝
雫
静かな音を立てて、君はドアの奥へと消えた。
輝
少ししてから、雨は止んで、空が見えてきた。
でも、明日もまた降るらしい。
輝
輝
空が曇り、雨が降った時は、誰かの心にも雨が降っているかもしれない。
でも、もし何かが誰かの心にヒカリを当てられたなら。
僕も、誰かのヒカリになってみたい。
例えば、雫さんのヒカリに。
輝。
母さんと父さんは、どうして僕に『輝』という名前をつけたのだろう。
家に帰ったら、初めて聞いてみようか。
『どうして、俺に輝って名前をつけたの?』
もしかしたら、こんな答えが返ってくるかもしれない。
『それは、誰かを照らせるような人になりますようにって思ってつけたのよ』
もしそれなら。
俺は、雫さんを照らすヒカリになりたい。
もし、
もしも、
君のヒカリになれたなら。
きっと、俺は大丈夫だ。
輝
母さんが心配する。
いつか、君のヒカリになれるように、頑張ろう。
『君のヒカリになれたなら』 -終わり-
【運営様へ】 見てくださっているかは分かりませんが、ここにメッセージを書いておきます 素敵なお題をありがとうございます 良い作品かは分かりませんが、お題に沿った内容を書けたと思います いつも運営お疲れ様です これからも頑張ってください! ルナティックことルナより
【このお話を呼んでくれた皆へ】 174タップ、お疲れ様でした 読んでくれてありがとうございます いいねやコメントをしてくれるのも嬉しいけれど、 皆に読んでくれるのが一番嬉しいです これからもルナティックことルナをよろしくお願いします!
それでは、次のお話で会いましょう!
おつるな〜!
『君のヒカリになれたなら』 -完-
コメント
5件
いいお話だぁぁ(´;ω;`) 僕的には金メダルっ(๑•̀ㅂ•́)و✧