私と同じクラスに
その子はいた。
祐菜
ちょっと波瑠、なんで玄関で待ってないの?
麗子
あんた荷物持ちじゃん
波瑠
ご、ごめん
波瑠
頼まれてた宿題、終わってなかったから……
祐菜
徹夜しろよ
麗子
言い訳すんな
波瑠
あ、あは
波瑠
ごめんなさい
『波瑠』
頭も悪くて
運動も駄目。
これといった才能もない。
クラスのカースト上位グループには
目をつけられやすい存在だ。
優香
可愛そうだけど……
でも
助けたら私が目をつけられる。
クラスの皆も私と同じ。
だから
救いの手を差し伸べる者は一人もいなかった。
祐菜
あ、そうだ!
祐菜
今日、私トイレ掃除なんだよね
祐菜
代わってよ
波瑠
え、でも今日は
麗子
はあ?
麗子
口答えする気?
波瑠
……分かった
〜放課後〜
由美
優香ー
由美
一緒帰ろ
優香
良いよー
優香
その前に、お手洗い行ってきてもいい?
由美
おけ
由美
待ってるね
優香
ありがと
優香
……あれ?
優香
波瑠ちゃん?
波瑠
あ、優香ちゃん
波瑠
ごめんね、今掃除してて
波瑠
すぐ終わらせるから
波瑠
待っててね
波瑠
ごめんね
優香
そんなに謝らなくていいよ
優香
……昨日も掃除やってなかった?
波瑠
あはは
波瑠
頼まれちゃって
優香
断れないの?
波瑠
ほら、私って何も出来ないから
波瑠
仕方ないよ笑
優香
……そっか
優香
掃除、手伝うよ
波瑠
え、でも、そんなことしたら
優香
大丈夫
優香
1人じゃ大変でしょ
波瑠
……ありがとう
波瑠
優しいね
優香
……別に
由美
優香遅い!
優香
あ、ごめん!
由美
……え、掃除?
由美
手伝ってんの?
優香
うん
由美
ふーん……
由美
私、用事思い出したから帰るね
由美
頑張って
優香
分かった
優香
ばいばい
由美
……
〜次の日〜
祐菜
優香
優香
何?
祐菜
昨日、波瑠のこと手伝ったんだって?
優香
え、えっと……
麗子
手伝うなよ
麗子
シラケるじゃん
優香
……なんで知ってるの?
祐菜
教えてくれたんだよ
祐菜
由美が
優香
え……
祐菜
ダメ子と一緒にいるなんて信じられないって
麗子
あ、もしかして!
麗子
優香、ダメ子みたいに扱ってほしいの!?
優香
ち、違……
祐菜
あ、そういうことか!
祐菜
ん〜そうだな〜
祐菜
最近ダメ子と遊ぶのも飽きてきたし
麗子
ちょっと波瑠
麗子
私たちに謝りなさいよ
麗子
そうしたら
麗子
波瑠のことおもちゃにするのやめてあげる
波瑠
え……
祐菜
ほら、言えって
祐菜
楽になれるよ?笑
波瑠
……
優香
……そんな
祐菜
うるせえ優香
祐菜
黙ってろ
波瑠
……できない
祐菜
はぁ?
波瑠
優香ちゃんは悪くない
波瑠
何も出来ない私を助けてくれたの
波瑠
危険承知で助けてくれたの
波瑠
そんな優しい人を
波瑠
私と同じ目にあわせられない
祐菜
な……
麗子
頭おかしいんじゃないの?
麗子
楽になれるんだよ?
波瑠
ならなくていいよ
波瑠
今まで通りでいい
波瑠
今まで通り
波瑠
小学生レベルのいじめやってたらいいよ
波瑠
そんなものに屈する気無いから
優香
波瑠ちゃん……
麗子
てめぇ!
祐菜
死ね!
波瑠
痛!!
クラスメイト1
うわ!
クラスメイト2
誰か先生呼んできて!
先生
何やってるんだ!
先生
そこの2人、こっちに来なさい!
麗子
離せよ!
祐菜
離せー!
優香
……大丈夫?波瑠ちゃん
波瑠
大丈夫だよ笑
優香
あの
優香
かばってくれてありがとう
波瑠
ううん
波瑠
優香ちゃんは私にとって大事な人だから
波瑠
同じような目にあって欲しくなかっただけ
『波瑠』
この子は
何も出来ない代わりに
誰よりも優しく
強い心を持っている女の子だった。






