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1 - あ

♥

31

2023年11月05日

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トシ

なあ、ミホ。結婚式の招待客のことだけどさ。

トシ

俺の幼馴染を呼んでもいい?

ミホ

え、いいわよ。もちろん。

ミホ

どんな人?

トシ

同じ中学出身の、すげー仲良かった友達だよ!

トシ

俺が結婚するって話したら、喜んでくれてさあ。

トシ

ミホのことも話しちゃった!

ミホ

ふーん。

ミホ

そんなに仲がいい人なんだ。

トシ

ミホとはマッチングアプリで知り合ったからな。

トシ

あんまり俺の交友関係も知らなかったよね。

ミホ

そうね。いい機会かもしれない。

トシ

でさ、結婚式の前に、ぜひミホに会わせてくれっていってるんだよ。

ミホ

え?そうなの。

ミホ

それはうれしいわ。

トシ

向こうも、夫婦で来てくれるってさ。

ミホ

え、夫婦で?

ミホ

それって、会う時の話?

ミホ

それとも、結婚式も、夫婦で参列してくれるって意味?

トシ

その両方だよ。

トシ

夫婦で結婚式と披露宴に来てくれるってさ。

ミホ

そうなんだ。

ミホ

あなたの招待客だから、好きにしてくれていいと思う。

トシ

ミホならそう言ってくれると思ったよ。

ミホ

ちなみにそのご夫婦、お名前はなんておっしゃるの。

トシ

ヨシキとシズカだよ。

ミホ

え!?

ミホ

ヨシキとシズカ…。

トシ

あ、気づいちゃった?

ミホ

なにが…。

トシ

なにがってwwwミホの元夫夫婦だろ!

ミホ

え。

ミホ

あなた、知ってて元夫を招待するつもりだったの!?

トシ

そうだよ。何が悪いんだ?

ミホ

全部悪いわよ!

ミホ

私が前回の結婚で、どれだけ泣かされたか話したでしょ!?

トシ

そうだけどさあ。

トシ

もう3年も前の話だろ。

トシ

もう許してやっても良くないか?

ミホ

良くないわよ。

ミホ

私はあの二人の顔も見たくないの!

ミホ

まさか、あんな人達とあなたが知り合いだったなんて…。

トシ

あんな人たちって。

トシ

そんな言いかたはないだろう?

トシ

俺の大切な友達のことを悪く言うな!

ミホ

それとこれとは話が別よ。

ミホ

お願いだから、元夫夫婦を呼ぶのはやめて。

トシ

え、なんでだよ。

トシ

ミホのことを話したら、

トシ

「俺たちにもお祝いさせてくれ」って快く返事してくれたんだぜ。

トシ

器が広いと思わないか?

ミホ

全然思わないわ。

ミホ

あなたは、実際に見ていないからそんなことが言えるのよ。

ミホ

私と元夫が離婚するとき、どれだけもめたか。

トシ

あー、いちおうヨシキから聞いてるよ。

トシ

ミホさあ、二人からすげーたくさんの慰謝料をしぼり取ったんだろ?

トシ

そのせいであの二人、今も生活がカツカツなんだってさ。

トシ

恋もしらないヤボな女だって呆れてたけど、

トシ

再婚するって聞いて、あいつでも男が出来たんだなって喜んでたよ。

ミホ

もうやめて、アイツの話は聞きたくないわ。

ミホ

浮気されたんだから、慰謝料を双方に請求するのは当然でしょ。

ミホ

それを、私が守銭奴みたいに悪口をいうなんて。

ミホ

あなたは、そんな話を聞いて、ヨシキがおかしいって思わなかったの?

トシ

え、全然思わないよ。

トシ

だって、結婚してても、誰かを好きになっちゃうことってあるだろう?

ミホ

はい?

ミホ

不倫を肯定するんだ…。

トシ

俺は、婚外恋愛ok派だよ。

ミホ

ええ?

トシ

自分の気持ちにウソはつけないだろう。

トシ

ミホはカタブツだから、理解できないかもだけど。

ミホ

そういう問題じゃないと思う…。

ミホ

とにかく、式にはあの二人は呼ばないで。

ミホ

呼ぶくらいなら、結婚式はやらない。

トシ

なんだよそれ。極端だな。

トシ

ホント、カタブツ。

トシ

しょうがねえなあ…。

~翌日~

ヨシキ

(不在着信)

ヨシキ

ミホ、久しぶり。

ヨシキ

こんど結婚するんだってな。

ヨシキ

しかも、俺の幼馴染と。

ミホ

そうよ。でも今さら関わらないでほしいんだけど。

ミホ

結婚式に来る気だとか、本気?

ミホ

私の両親も来るのに。

ヨシキ

もう3年も前のことじゃん。

ヨシキ

お前の両親も、俺のことなんか忘れてるよ。

ミホ

そんなワケないでしょ。

ミホ

しっかり覚えてるわよ!

ヨシキ

そうかな。

ヨシキ

そうか?もう結構高齢だろ?

ミホ

年齢は関係ない。

ミホ

離婚するとき、ウチの両親がどれだけ怒ってたか…。

ミホ

あなたのほうこそ、忘れちゃったんじゃないの。

ヨシキ

ああ、あの時はずいぶんと怒られちゃったなあww

ヨシキ

でもさ、若気のいたりってヤツで

ヨシキ

きっと、俺が今幸せに暮らしている事を知ったら、

ヨシキ

ご両親も許してくれると思うんだよね~。

ミホ

そんなワケないじゃん。

ミホ

あなたたちはね、私や両親にとって

ミホ

顔も見たくない男ナンバーワンよ!

ヨシキ

ひど。

ヨシキ

嫌いな男ナンバーワンみたいに言わないでくれよ。

ミホ

そうね、嫌いな男ナンバーワンに言い換えてもいいわね。

ミホ

とにかく私は、あなたとは2度と関わる気はないから!

ヨシキ

そんな冷たい事いうなよ。

ヨシキ

これも何かの縁だよな。

ヨシキ

俺達、過去には色々あったけど、

ヨシキ

シズカも含めて、夫婦で仲良くなっていきたいんだよ。

ミホ

冗談をいわないで。

ミホ

絶対にイヤ。

ミホ

式には本当にこないでね!

ミホ

じゃないと一生うらんでやるから!

ヨシキ

あいかわらず怖いなあ。

ヨシキ

いつまで過去のことにこだわってるんだか。

ヨシキ

俺はもうとっくに水に流してるのにな。

ヨシキ

って、おい。

ヨシキ

もう読んでないのかよ。

ヨシキ

こういうところも変わってないよなあ…。

~さらに翌日~

シズカ

ミホさん、こんにちは♪

シズカ

こんど再婚するんですってね!

シズカ

よかったわね~トシさんみたいないい人が見つかって!

シズカ

お祝いに、私たちも結婚式に参列させていただくわ。

ミホ

お久しぶりね。

ミホ

その図々しいノリも相変わらずだわ。

シズカ

やだー、元は先輩後輩の仲だったじゃないですか。

シズカ

そんなイジワルな言いかた、やめて下さいよ。

ミホ

はあ、、、結婚式には来ないでって

ミホ

昨日、ヨシキにも伝えたはずだけど?

ミホ

聞いてないのかしら?

シズカ

招待客を選り好みするなんて、ミホさんも相変わらず心が狭いわね。

シズカ

そんなんじゃ、また男に逃げられますよ?

ミホ

は?あなたに言われたくないんだけど。

シズカ

だって私たち、慰謝料もちゃんと払いましたよね。

シズカ

だから別に、許してくれたっていいじゃない。

ミホ

慰謝料をちゃんと払った?どこがよ。

ミホ

分割で払うって言うから、念書も取り交わしたのに、

ミホ

それを破って、3カ月経つころには、振り込みをやめたじゃないの!

ミホ

トシと2人して、慰謝料の支払いが未納になってるわよ。

シズカ

でも、ミホさんも何も言わなかったでしょう?

シズカ

てっきり、もう払わなくてもいいのかな~って思ってましたよ。

ミホ

ふざけすぎでしょ。

ミホ

私が何も言わなかったのは、関わりたくなかっただけよ。

シズカ

関わりたくないだなんて、ホントに冷たいですね。

シズカ

そんなんだから、旦那に浮気されたんですよ。

シズカ

女はもっと、男の心変わりを温かい目で見守らなきゃね♡

ミホ

なんの冗談よ。

ミホ

あなたこそ、離婚間際の騒動を忘れたの?

シズカ

へ?なんのことですかぁ?

ミホ

私の会社にやってきて、

ミホ

「旦那と別れてくれなきゃタヒんでやる!」とか

ミホ

「別れなかったら家に火をつけてやる!」とか言って、

ミホ

私の両親や会社の人たちを巻き込んで大騒動にしてくれたじゃないの!

ミホ

そんなヤバい女と、再婚したトシもトシだけど。

ミホ

もう離婚したんだから、こちらのことはそっとしておいてほしいのよ。

シズカ

イヤでぇす。

ミホ

え。

シズカ

だって私、ヒマなんだもん。

ミホ

は?ヒマだからなに。

シズカ

暇つぶしに、底辺女のショボイ結婚式を眺めるのもいいかなって。

ミホ

何いってんの。

ミホ

あなた、嫌がらせのために結婚式に参列するっていうの?

シズカ

その通り。

シズカ

バレちゃったらしょうがないですね。

ミホ

…あなた、やっぱりどうしようもない性悪女ね。

ミホ

そんなんで結婚式を台無しにされたらたまらないわ。

ミホ

絶対に来させないようにするから!

シズカ

それはどうかなあ。

シズカ

だって招待してくれるのは、トシさんでしょ。

シズカ

新郎側の招待客なんだから、ミホさんが口出しするのはおかしいでしょ。

ミホ

とにかく、絶対に呼ばない!

ミホ

来ても式場には入れないから。

シズカ

はいはいww

シズカ

ま、せいぜい結婚式の準備がんばってくださいね。

シズカ

ババアのウエディングドレス姿がどれだけ醜いか、

シズカ

ほんと見るのが楽しみだわぁ♪

~2週間後~

トシ

今日、招待状を参列者に送ったよ!

トシ

これであとは、準備を進めるだけだね。

ミホ

そう。

ミホ

それでまさか本当に、ヨシキたちにも招待状を送ったの?

トシ

もちろん送ったさ。

トシ

俺の親友だからね。

ミホ

そう…。

ミホ

あれだけ止めたのに。

トシ

俺の友達を呼ぶのは当然!!

トシ

それを止めるなんて、ミホがおかしい。

ミホ

本当にそう思う?

ミホ

式には私の会社の人たちも呼ぶ予定だったけど。

トシ

あーそうだったね。

トシ

でも、どうせほんの数人だろ。

トシ

俺側の招待客をたくさん呼べば、にぎやかになるし、

トシ

元もとれるじゃん。

ミホ

それって…。

ミホ

ご祝儀で費用を回収しようってこと?

トシ

当たり前じゃん。

トシ

ソンはないだろ?

ミホ

呆れた。

ミホ

ヨシキの件についても、なんか価値観が合わないと思ってたけど、

ミホ

ここまでズレてるとは思わなかった。

トシ

なんか問題でもある?

ミホ

あるわ。

ミホ

もう完全に冷めた。

トシ

へ?

ミホ

もう結婚はやめましょう。

トシ

は?なに言ってんの。もう招待状を送っちまったよ。

トシ

いまさらやめらんないだろ。

ミホ

やめられるよ、私は。

ミホ

だって式場キャンセルしたもん。

トシ

へ?

トシ

ウソだろ、何いってんの。

ミホ

本当よ。まだ結婚式は3カ月先で、

ミホ

ギリギリキャンセル料が発生しない時期だったから、

ミホ

思い切ってキャンセルしたの!

トシ

な、なに勝手なコトしてるんだよ!

トシ

俺に断りもなく…。

ミホ

断りもなく勝手なコトをしているのはどっち?

ミホ

私、全部知っちゃったんだから。

トシ

え、なにを!?

ミホ

とぼけないで。

ミホ

あなた、私に隠れて借金してたでしょう!

トシ

え!?

トシ

いったい、何のことをいっているのか…。

ミホ

このあいだ、あなたの家に行ったら、

ミホ

テーブルの上に税金やら電気代やらの督促状が置いてあったの!

ミホ

その中に、消費者金融からの督促状もあったってわけ。

ミホ

開封してあったから、そっと中身を見させてもらったけど、

ミホ

利子も含めて150万も!

トシ

あ、あれのことか。

トシ

あれは俺のじゃなくて、兄貴の借金だよ。

トシ

一時期俺の家に住んでたから、まだ時々郵便物が届くんだ…。

ミホ

宛名には、しっかりトシ様って書いてあったよ。

ミホ

お兄さんのせいにするのはやめなさい。

トシ

ご、ごめん。

トシ

結婚したら、がんばって一緒に働いて、

トシ

借金を返していこうと思ってたんだよ…。

ミホ

それってつまり、私に借金を肩代わりさせようとしていたってことよね。

ミホ

冗談じゃないわよ。

トシ

ミホ、まさか俺を見捨てる気?

トシ

結婚式はあげなくてもいいからさ、

トシ

せめて婚姻届は出そうよ。

ミホ

それもナシ。

ミホ

あなたとは婚約破棄よ。

ミホ

私の元夫を式に呼ぼうとしたり、

ミホ

借金があることを隠していたり。

ミホ

婚約破棄の理由としては、充分でしょ。

トシ

そんな!

ミホ

せめてもの情けで、慰謝料は請求しないでおいてあげる。

ミホ

私は招待状も出してないし、キャンセル料も発生しなかったから。

トシ

まってくれよ。

トシ

まさかこれで終了?

ミホ

そ。終了。

ミホ

お疲れさまでした!

トシ

待って待って!

トシ

こんな簡単に振られるなんてありえないんだけど。

トシ

意味不明だよ~…。

その後

ミホ

トシは借金の事実を、元夫夫婦には話していたそうです。

ミホ

元夫夫婦は、私が何もしらずに結婚する姿を見て、

ミホ

笑いものにする気だったようです。

ミホ

なぜこんな事を知っているのかというと、

ミホ

元夫の妹がわりと仲が良かったので、わざわざそれを教えてくれたのです。

ミホ

「ミホさんと兄の縁が切れて本当に良かった」と言ってくれました。

ミホ

トシは、婚約破棄には素直に応じましたが、

ミホ

しばらくの間、復縁したいとのロミオメールがしつこく届いてました。

ミホ

毎日、鬼電とメールの連続で、いいかげんうんざりしたので、

ミホ

LINEも電話も、すべてブロック。

ミホ

家も引っ越したので、もう私を追跡することは出来なくなった様です。

ミホ

思えば、元夫夫婦を招待すると言い出した時点で、

ミホ

私の中で、「この男とは結婚してはいけない」とアラームが鳴った気がします。

ミホ

直感って大事ですね。

ミホ

次に誰かと出逢った時は、もっと相手の人間性を見てから

ミホ

将来を決めたいと思います!

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