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兄は曵百鬼にこう言った、 「旅をしろ。そして新しい大切な人を見つけるんだ。」と、 曵百鬼と兄を育てた師匠はこう言った、 「強くなれ、そうして大切な人を守れるようになれ。」と、 その二人は曵百鬼を守るために、逃がすために血を流して知らぬ人に刺され、
死んだ。
山深い谷に、霧が流れていた。 かつて、鬼の一族と呼ばれた族がいたという村。そこで曵百鬼は育った。 「ひなぎり」と名を呼ぶ兄の声は、もう思い出せなくなっていた。
燃える屋敷、血に染まった雪、響いたのは知らない男たちの笑い声と銃声、 曵百鬼は、そのすべてを心の底に閉じ込め、刀だけを手に旅をしていた。
様々な文化を渡り歩きやっと着いたのが襲撃の根本がいるとされるこの、 アルセリオ王国だった
文化の進んだ武器が主流のこの国で、異国の刀を振るう少女は目立った。 それでも曵百鬼は感情を表に出すことなく日常を過ごし、情報を集めていた。 ──そんな彼女の前に、ある日、ひとりの男が現れた。
ウォルター
曵百鬼
ウォルター
ウォルター
曵百鬼
曵百鬼
曵百鬼
ウォルター
曵百鬼
ウォルター