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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

桜笑

それで?

桜笑

どう誤魔化すの?

 

おや、誤魔化すなんて人聞きが悪いな

 

人を信頼しないのはいいことでもあるけど───

 

おっと、それよりきみの言うところの"死神くん"が来たよ

桜笑

え?

ガタッ

鈍い音がすると死神くんは天から舞い降りたかのように窓から入ってきた

 

あぶねっ

桜笑

今フチでぶつけた?

 

うんまあ…自分の身長を見誤った

 

とは言ってもコレ、当たらねえから痛くないけど

 

一応なんか怖いしふつうに通れるとこから行こうとは思う

桜笑

…なるほど?

桜笑

それでわざわざ死神くんはどうしたの?

 

…うん、うまく点検できてる

ホッとしたかのように笑ってから死神くんはあたしを見る

 

…思ったより、大丈夫そうだな

 

安心した

それだけ言うと死神くんと見習いくんは窓から飛び出した

 

…1つの死亡要因だった病死って選択肢がなくなった

 

──え?

 

まあ、これなら時間の問題だな

 

事故死か、他殺か、自殺か───。

 

僕はまだ自殺があることが1番信じられないよ

 

そうだな

 

──それでも未来は的確に、少しずつ変わってる

俺の横をふわっと飛んでいる"死神くん"を見る

 

(…見るだけで、分かるんだね)

 

(あの子の状況も気持ちも)

 

どうした?

 

流石に死神だね

 

興味深いことだらけだよ

 

…ほんと、お前はヘンだ

 

ふふ、そりゃあこんな非現実的な出来事があればこうもなるよ

 

そうか

 

初めはヒヤヒヤしたけど…これからもバレないように頑張ってくれ

 

勿論

死神にもできないことがある

それを補うために俺がいる

あの子の世界を変えるために───。

…───だから、まだ気づかないでね

京介

おい

京介

まじで頭だいじょーぶか?

座っているあたしの上からぐーっと体を曲げて顔を覗き込む宮代くんが目に映る

桜笑

…それ宮代くんが言うと悪口にしか聞こえないんだけどー?

あははと笑って返したあたしの隣に宮代くんは腰掛ける

桜笑

すっかり当たり前になっちゃったね

桜笑

ここにあたしたちがいるの

京介

おー…お前、水内は?

桜笑

まだ登校してないでしょ

午前8時ごろ

8時半までの登校であるここに通う生徒は電車通学が多いせいか割とみんなギリギリの時間に集う

月曜のこんな時間にわざわざ来るのも、もちろん屋上にいるのもあたしたちくらいだ

京介

フツーに考えたらそうか

京介

一緒に登校してんのかと思ってた

桜笑

あー確かに、それもあり

桜笑

でもそーしたらあたしもう屋上で宮代くんに会えなくなっちゃうかもじゃん

京介

京介

…どーいう意味?

桜笑

まんまだよ深読みしないで

桜笑

あたしもう授業中は来ないと思うからってこと!

京介

あっそ

桜笑

…宮代くんとあたしはお互い気も使わないし恋愛感情とかないから楽なんじゃん

京介

楽なのはお前だけだ

桜笑

ああ、宮代くんは1人が好きなんだっけ

京介

…まあな

京介

面倒なことしかねーだろ

桜笑

猫被るからでしょー

桜笑

別に今のままでも嫌われないと思うんだけどな〜

京介

京介

────…っなんにも知らないくせに言うなよ

桜笑

桜笑

………きみは

桜笑

たまにあたしと話してるのも猫被ってんじゃないかってくらい

桜笑

冷たい顔するよね

京介

だぁから、俺人と関わんの嫌いなんだって

桜笑

ふーん

桜笑

そんな風に言いながら困ったときはほっとけないように見えるけど

京介

あー、お前みたいに乗りやすいやつなら煽るくらいは楽しーけど

桜笑

ちょっと待って何の話〜?

桜笑

ていうか!宮代くんの好きなサッカーだって1人じゃできないじゃん!

京介

さあ?お前はイジりがいありそーだなって

桜笑

うわー性格悪〜

桜笑

(どっかで聞いたセリフだぞ…デジャヴデジャヴ)

京介

…つーかサッカーは別

桜笑

宮代くんこそ絶対負けず嫌いでしょ

京介

はぁ?別にそんなことねえよ

桜笑

あはは、そーゆーとこ笑

〜♪〜〜〜♪〜〜♪

桜笑

あ、8時15分

桜笑

先戻ってんねー

京介

おう

──なんも知らないくせに言うなよ

京介

(あれは俺なりの牽制)

京介

(フツーあれくらい言えば詮索どころか関わっても来なくなるハズなのに)

そんな風に言いながら困ったときはほっとけないように見えるけど

京介

(んなわけねぇだろ)

京介

(ニコニコニコニコ愛想振りまいてバカみたいにつまんねー話するくらいなら)

京介

(1人でいる方がよっぽどいい)

ていうか!宮代くんの好きなサッカーだって1人じゃできないじゃん!

京介

(──そりゃそうだけど)

京介

(別にチームワークなんてなくても個々の実力があればやってける)

京介

────って

京介

さっきから俺は誰に言い訳してんだ

あいつが去って数分ほど

チャイムまでに教室に戻るため、誰もいない屋上から人の多い校舎に入る

ギイッと音のなる建て付けの悪い扉はある少女を思い出させた

きみの笑顔が見たいだけ

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コメント

6

ユーザー

え、見習いくんと桜笑さんって実は知り合い…もしくは一方的な知り合い、だったりしそうな雰囲気……。でも、病死っていう1つの死因が消えて良かった……😖💭 宮代くんは1人が好き、っていうけど本当は皆でワイワイ楽しく騒ぐのも心のどこかで何かしらの良い感情を持ってそう……🤔 んー!?最後のめちゃくちゃ気になるんだが!?え、ちょ、読みたい…けどもうすぐ駅着いちゃう……!!!え、あ、どーしよ……!!!((

ユーザー

気づかないでね…少女…。 それぞれがちょっとずつ本当の気持ちとか素顔を明かしていくのかなって思うとすごく楽しみです!

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