テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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危険な恋 #05

第1話 - 危険な恋 #05

310

2019年06月01日

#BL

#ジャック・ザ・リッパー

#ぱっく。

ぱっく。

アーロンが発熱してから数日が経った

アーロンの体調は良くなった

アーロン

看病…毎日ありがとうございました。

ジャック・ザ・リッパー

いえいえ、医者して当然の事をしたまでですよ。

アーロン

これであなたには借りが出来ましたね。

ジャック・ザ・リッパー

借り…ですか？

アーロン

はい。命を助けて頂いたので。

ジャック・ザ・リッパー

そんな事、いいのですよ。

アーロン

いや、いいんです。

アーロン

僕が好きでやっている事です。

アーロン

遠慮は無用。ジャックさんもですよ？

アーロン

いつも僕の事ばっかり気にしてくれて、遠慮はしなくていい。って言ってくれてますけど、僕達……

ジャック・ザ・リッパー

………??

アーロン

もう、家族……

アーロン

みたいなものじゃないですか……僕が勝手にそう思ってるだけですけど……///

ジャック・ザ・リッパー

…そうですね。

ジャック・ザ・リッパー

それでは、あなたには貸しがひとつ出来た事にしときます。

ジャック・ザ・リッパー

いつか、返してもらいますね。

アーロン

はい！

そして、その日の夜

ベッドで…

ジャック・ザ・リッパー

アーロン。

アーロン

なんですか？

ジャック・ザ・リッパー

明日、イギリスへ行くつもりです。

アーロン

………。

ジャック・ザ・リッパー

………??

アーロン

はぁ………。

ジャック・ザ・リッパー

止めないのですか??

アーロン

止めたって…行くと思うから。

ジャック・ザ・リッパー

そうですか。止めないと言うのならば。

アーロン

はい……。

アーロンは諦めかけていた

アーロン

(この人は、殺人を辞めるつもりは無いと思うから…これからもずっと。)

アーロン

(自分自身を誇れる自分。殺人をする自分が……。)

アーロン

………。

ジャック・ザ・リッパー

………💤

アーロン

やっぱり……。

(ﾊﾞｻｯ)

アーロンは隣で寝ているジャックに抱きついた

ジャック・ザ・リッパー

な、なん…ですか？

アーロン

やっぱり……だめ。

アーロン

イギリスなんかに行かないで…。

ジャック・ザ・リッパー

今更何を……。

アーロン

僕にはあなたが必要です……

アーロン

万が一向こうで捕まったら??逆にジャックさんが殺されたら？

アーロン

僕、もう何も失いたくない……。誰かの命も。大切な人も…。

ジャック・ザ・リッパー

(大切な人…ですか…。)

アーロン

お願いです…。イギリスには行かないで…。

アーロン

ずっと僕のそばにいてください…。

アーロンは力いっぱいジャックを抱きしめた

ジャック・ザ・リッパー

………。

ジャック・ザ・リッパー

腕が痛いですよ。

アーロン

え……??

ジャック・ザ・リッパー

まったく、寂しがり屋さんなのですね。

ジャック・ザ・リッパー

そんなこと言われてしまったら、行くに行けないですよ。

アーロン

ジャックさん……。

ジャック・ザ・リッパー

ずっと、あなたのそばにいてあげますよ。アーロン。

アーロン

本当に……??

ジャック・ザ・リッパー

(人を殺す自分が誇れる自分。そう思っていた。しかし、それは過去の私です。今の私は違う。)

ジャック・ザ・リッパー

(私自身が変わればいいのです。誇れる自分は他にもいるはずです。)

アーロン

………。

ジャック・ザ・リッパー

それより…

アーロン

???

ジャック・ザ・リッパー

大切な人ってどういう事ですか??

アーロン

えぇっ…///

アーロン

そ、それは……///

ジャック・ザ・リッパー

???

アーロン

もういいでしょ?!そんな事は!!///

ジャック・ザ・リッパー

照れてるのですか??

ジャック・ザ・リッパー

可愛いですね。

アーロン

………///

ジャック・ザ・リッパー

あなたは可愛いので、少しいじめたくなってしまうのですよ。

アーロン

ば、ばか……イジワルですね…///

アーロン

もういいです、先に寝ます///

アーロンは布団に潜った

ジャック・ザ・リッパー

怒らないでください。私にとってもあなたは大切な人です。

ジャック・ザ・リッパー

もう、絶対に手放したりはしません。

アーロン

………///

ジャックは布団の中でアーロンを優しく抱いた

アーロン

(ジャック??)

ジャック・ザ・リッパー

好きですよ。アーロン。

アーロン

は、はい……///

ジャック・ザ・リッパー

ひとつ、お願いをしていいですか??

アーロン

お願い??

ジャック・ザ・リッパー

はい。

ジャック・ザ・リッパー

自分自身を誇れる自分。私にはそれがどんな自分なのか分かりません。

ジャック・ザ・リッパー

一緒に、探してくれませんか??

アーロン

なんの為に誇れる自分を探してるのですか??

ジャック・ザ・リッパー

私とあなたの為ですよ。

アーロン

……??

ジャック・ザ・リッパー

一緒に探してくれますか??

アーロン

も、もちろん。ジャックさんの為なら。

ジャック・ザ・リッパー

ありがとうございます。

ジャック・ザ・リッパー

もう夜遅いです。寝ましょうか。

アーロン

はい……。

ジャック・ザ・リッパー

おやすみなさい。アーロン。

アーロン

お、おやすみ……

ジャック・ザ・リッパー

………💤

アーロン

(どういう事??ジャックと僕の為に誇れる自分を探す？意味がわからない。)

アーロン

(っていうか……)

ジャック・ザ・リッパー

………💤

アーロン

(抱き合ったまま寝るんだ…///)

2人は抱き合ったまま眠りについた

そして次の日

ジャック・ザ・リッパー

ん………。

アーロン

???

ジャック・ザ・リッパー

はぁ………。

アーロン

(今日のジャックは焦っているように見える。)

ジャック・ザ・リッパー

(私とアーロンが強い想いで結ばれた時、私に不幸が訪れる…。)

ジャック・ザ・リッパー

(その時は近い気がします。)

アーロン

どうかしたのですか？

ジャック・ザ・リッパー

そろそろ、あなたに私が殺人をする理由を教えようと思いまして。

アーロン

………。

アーロン

分かりました……。

ジャック・ザ・リッパー

しかし、その前に他にも話すことがあります。

アーロン

他に??

ジャック・ザ・リッパー

私はとある占い師に未来を予言してもらいました。その事を話そうと。

アーロン

未来……??

ジャック・ザ・リッパー

私が占い師に予言してもらったのは君と出会う前の時。

ジャック・ザ・リッパー

私は人を殺そうとイギリスに行こうとしていました。

ジャック・ザ・リッパー

そこで、どんな未来が待っているのか占い師に未来を予言してもらったところ…

ジャック・ザ・リッパー

占い師はとある男の子と出会うだろうと私に言いました。

アーロン

それって…

ジャック・ザ・リッパー

間違えなくあなたでしょう。

アーロン

それが何かあったのですか??

ジャック・ザ・リッパー

いいえ。

ジャック・ザ・リッパー

しかし、あの占い師の予言は的中しました。

ジャック・ザ・リッパー

だから私は、その占い師の予言を信じることにしました。

アーロン

………。

ジャック・ザ・リッパー

そして、他にこんなことを言われました。

ジャック・ザ・リッパー

私とあなたが強い想いで結ばれた時、私には不幸が訪れると。

アーロン

ふ、不幸……?!

ジャック・ザ・リッパー

はい。

アーロン

そ、そんなの……急に言われても…。

アーロン

もう手遅れなの……??

アーロンは泣きそうだった

ジャック・ザ・リッパー

私にも分かりません。

ジャック・ザ・リッパー

しかし、不幸を幸に変える方法があります。

アーロン

どんな…??

ジャック・ザ・リッパー

自分自身を誇れる自分になればいいのです。

アーロン

あ……。

アーロン

そういう事だったのか…。

ジャック・ザ・リッパー

はい。

アーロン

この予言とジャックさんが人を殺す理由に何か関係が??

ジャック・ザ・リッパー

はい。

ジャック・ザ・リッパー

詳しく話したら長くなります。なので、できるだけ省略して話します。

ジャック・ザ・リッパー

まず、前に話した腹部の傷についてです。

ジャック・ザ・リッパー

ひとつは助産師に殺されかけた時の傷。

ジャック・ザ・リッパー

もう1つは、私を誘拐した医者に付けられた傷です。助産師も医者もどちらもイギリス人でした。

アーロン

誘拐されたのですか??

ジャック・ザ・リッパー

はい。

ジャック・ザ・リッパー

私が幼い頃に。

ジャック・ザ・リッパー

その医者は心臓を人工的に作る実験を行っていました。私はその実験台のようなものでした。

アーロン

ひ、酷い…。

ジャック・ザ・リッパー

私の母は私が幼い頃に亡くなったって言いましたよね？

アーロン

はい。

ジャック・ザ・リッパー

殺されたのです。その医者に。

アーロン

………。

ジャック・ザ・リッパー

殺され、心臓を取られてしまいました。全ては実験の為に。

ジャック・ザ・リッパー

それから、私はイギリスを恨むようになりました。

ジャック・ザ・リッパー

そのまま大人になった私は、イギリス人に復讐することを母に誓いました。

ジャック・ザ・リッパー

そして、ちょうど良かったのです。

アーロン

ちょうど良かった…??

ジャック・ザ・リッパー

イギリス人を殺すことは自分自身を誇れる自分だと思ったのです。

ジャック・ザ・リッパー

復讐が出来る。不幸を幸に変えることもできる。だから、私はイギリス人を殺していたのです。イギリス人を殺す自分を誇りに思ったのです。

アーロン

………。

アーロン

僕……

アーロンは何と言えば良いのか分からなかった

アーロン

でも……その……

ジャック・ザ・リッパー

いいのですよ。無理に言葉にしなくても。

ジャック・ザ・リッパー

あなたには複雑なことでしょう??

ジャック・ザ・リッパー

あなたは悪くないのですから。

アーロン

………。

ジャック・ザ・リッパー

しかし、あなたに会えたから私は改心することが出来ました。

アーロン

改心…??

ジャック・ザ・リッパー

人を殺すことは間違っていると思ったのです。

アーロン

え……??

ジャック・ザ・リッパー

殺人をする自分は誇れない。誇れる自分ではないと思ったのです。

アーロン

ううぅっ………。

ジャック・ザ・リッパー

ア、アーロン??何故泣いているのですか?

アーロン

あまりにも……嬉しくて……。分かってくれて…本当に良かったです………。

アーロンは嬉しさから涙を流した

ジャック・ザ・リッパー

昨日の夜、イギリスに行くのを止めてくれて、本当に嬉しかったですよ。

アーロン

はい……僕も、止めてよかった……。

アーロン

(あの時、諦めなくて良かった……。)

ジャック・ザ・リッパー

これが、私が人を殺す理由でした。

ジャック・ザ・リッパー

しかし、もう絶対に人は殺しません。

アーロン

絶対にですよ??

ジャック・ザ・リッパー

はい。絶対にです。

ジャック・ザ・リッパー

約束です。

ジャック・ザ・リッパー

(しかし、最後に訪れるのは、不幸か幸か……。)

ーendー

今回はすこし難しいところがあったかもしれないので、分からないところがあったらコメントで教えてください。

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ぱっく。

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