ひな
本人視点から書いた場合
雪の降りつもる中、僕は今日も帰らぬお父さんを待つ。
本当は、お父さんが死んでいる事は知っている。
でも、お父さんは神出鬼没の人だったから、こうして待っていたら、何時か、お父さんが帰ってくるんじゃないかって、思ってさ。
だから、僕は今日も、お父さんの帰りを待つ。奇跡を信じて。
という風に書けば、真実を知りながらも奇跡を信じて待つ少年の話なる。
また同じ主人公目線でも、心情を変えるとこうなる⬇️
悴んだ手に、はぁっと息をふきかける。意味がないと分かっていながらも、帰って来る筈のない、お父さんの帰りを待つ。
近所の人から、父さんは死んでいるという事を聞いた。
でも、お母さんは僕に『いつか、お父さんは、帰ってくるからね』と言った。
もし、僕が待つのを止めたら、きっと、お母さんは悲しむ。だって、それは、お母さんのついた嘘に、僕が気づいた事になるから。お母さんを悲しませない為に、僕は明日も明後日も雪の降る中で待つ。帰ってくる筈のない、父の帰りを。
今日も凄く寒い。
母親想いの優しい少年の話に変わる。