TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

『 死を知った君へ』

一覧ページ

「『 死を知った君へ』」のメインビジュアル

『 死を知った君へ』

10 - 『死を知った君へ』

♥

201

2020年01月20日

シェアするシェアする
報告する

朝陽

俺も

朝陽

好きだ

新しい恋が始まった

颯のことはまだ 好きかもしれないけど

朝陽なら…

朝陽なら…────

朝陽

菜乃花

朝陽

ありがとな

菜乃花

うん…

菜乃花

私…変わるって決めたから

朝陽

そっか

朝陽は少し安心したような顔で

青空を見つめていた

朝陽

颯は…

菜乃花

颯は…まだ好きかもしれない…

菜乃花

でもねッ!!

菜乃花

私…

朝陽

変わったんだろ

朝陽

分かったから

朝陽

辛かったら言えよ

朝陽

泣いたっていい

朝陽

泣き虫でもいいから

菜乃花

…うん…ありがと

あれから月日が経つ

朝陽と付き合ってから

私は変わった

朝陽とは上手くやってる

そう言っていいのかもしれない

颯との思い出は忘れられない

好き

その気持ちは胸のどこかに

隠れている…

スマホが揺れる

朝陽

菜乃花あのさ

朝陽

25日あいてる?

菜乃花

あいてるよ

菜乃花

クリスマスの日

朝陽

もし良ければ

朝陽

クリスマスデートしてください

菜乃花

いいよ

菜乃花

朝陽なら

朝陽

颯との事は思い出さないで

朝陽

新しい思い出を作ろう

菜乃花

そうだよね…

菜乃花

変わるんだから…

朝陽

そうだよ!

菜乃花

でも24日休日で良かったね

朝陽

人は多いと思うけどね

菜乃花

クリスマスデート

菜乃花

楽しみにしてる

クリスマスデート当日

私は朝陽と会う前に

あのポストへ寄ることにした

颯に送る手紙を

私は大丈夫と…伝えるために

菜乃花

…よし

菜乃花

行こう

久しぶりの道

あのポストはきっとある

颯の命日に現れる

菜乃花

やっぱりあった

変わらないままのポスト

封筒をポストに入れる

緊張する…

でも…颯に伝えるために

手紙は

ポストの中へ消えていった

朝陽

菜乃花

菜乃花

朝陽ッ…!!

身体が勢いよく飛び出す

朝陽のもとへ飛びついた

朝陽

…!!

菜乃花

早く行こ!!

朝陽

そうだなw

夕暮れの道で朝陽との

デートが始まった

こんなデートは楽しくて

私は朝陽と共に笑いあった

過ぎていく時間

クリスマスツリーが照らされる

明るくて眩しい

菜乃花

綺麗だね

朝陽

そうだね

菜乃花

あのさッ!!

菜乃花

クリスマスツリー

菜乃花

2人だけで見れる場所行こ

朝陽

いいけど…どこ?

朝陽

…?

菜乃花

それは…

口で言うのは嫌だ

でも伝えないと

菜乃花

嫌だったらごめんね

菜乃花

えっと…

菜乃花

颯と最後に行った場所

朝陽

…ッ!!

朝陽

……

菜乃花

ごめんッ

朝陽

いいよ菜乃花

朝陽

行こ

朝陽

大丈夫だから

朝陽は私の手を握り

私に向かって微笑んだ

朝陽

うわっきれい

菜乃花

でしょ!!

菜乃花

人もいないし

朝陽

めっちゃ良いとこだね

さっきまで見てた

クリスマスツリー

星空の下で

あの日とは違う人と

今この景色を見ている

菜乃花

……ッ

菜乃花

…ッ

涙が勝手にでてくる

朝陽

菜乃花…?

菜乃花

ごめんね…

菜乃花

分からないんだ…

菜乃花

なんで…泣いてるんだろ

菜乃花

…ッ朝陽…

朝陽

菜乃花…大丈夫

朝陽は私を包み込む

菜乃花

ありがと…

朝陽

菜乃花…

朝陽

好きだよ…

菜乃花

私もッ…

朝陽と唇が重なる

あの日と同じ

深くて甘いキスを────

もうあの日とは違う

私は変わった

この場所で────

『死を知った君へ』

今君は何をしていますか?

颯と会った日から

私はいつも泣いて

颯に“泣き虫”って言われたよね

私が泣いてる時は

“菜乃ちゃん”

そうよんでくれた

私は颯にそう呼ばれるのが

大好きだった

もう…会えない

最後のデートから

私は毎日泣いた

“泣き虫”

その声は聞こえなくて…

でも…このポストを知った日から

私は変わり始めた

颯は私を変わらせようとしてくれた

だから私は

今…

あの日から

颯のことをずっと考えてた私から

抜け出すことができた

今私は

朝陽と付き合ってるよ

朝陽も私を変えてくれた

颯の事は好きだった

でも…そんな私のことを

朝陽は認めてくれた

颯…私

こんなに変わったよ

まだ胸のどこかでは

颯のことを好きかもしれない

たまに手紙を送るかもしれない

颯とまた会いたいかもしれない

でも私は変わった

颯のことは絶対忘れない

だけど…私は

新しい道を開くよ

菜乃花より

loading

この作品はいかがでしたか?

201

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚