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ここはとある海辺のレストラン
一流のシェフと 一流のサービスを提供している人気店
近隣に数多く店がある中で
このレストランは 一番人気を博していた
そして今宵、 奇妙な物語が綴られる
カランカラン
店員
いらっしゃいませお客様
店のドアが開かれ 客の来店を告げる音が鳴る
男性客
ああ...
やってきたのは 紳士じみた身なりの整った男だった
店員
お客様はお一人様でよろしいでしょうか？
男性客
ああ...そうだ
男性客
1人だよ......
どこか悲しみを帯びた雰囲気だった
店員
かしこまりました
店員
それではお席にご案内させていただきます
店員は内心を表には出さずに 客を席に案内した
店員
こちらのお席になります
男性客
ああ...ありがとう
男性客
ところで一ついいかね？
男はやけに神妙な面持ちで 店員に尋ねた
店員
いかがされましたか？
男性客
この店は
男性客
ウミガメのスープで評判と聞いているのだが？
男性客
わたしにもくれないかな？
店員
かしこまりました
店員
すぐにお持ちします
店員
それでは、ごゆっくりどうぞ
店員はやはり内心を表には出さず オーダーをシェフに伝えに行った
10分後......
店員
お待たせしました
店員
こちら、ウミガメのスープになります
男性客
ほう......これが......
男性客
では早速いただくとしよう
しばらく 男の食事は続いた
そして
男性客
...
男性客
なあ...少しいいかな？
店員
いかがされましたか...？
男性客
いや何、ちょっと尋ねたいことがあるので
男性客
シェフを呼んでもらっても？
店員
かしこまりました
店員はシェフを呼びに 厨房へと向かう
数十秒後...
店員
お待たせしました
シェフ
お客様...
シェフ
いかがされましたかな...？
男性客
いやすまない、時間を取らせてしまって
男性客
一つ聞きたいのだが
シェフ
はい......？
男性客
このスープだが
男性客
これは本当に
ウミガメのスープなのかね？
ウミガメのスープなのかね？
シェフ
このスープですか......？
男性客
ああ
シェフ
.........！
シェフ
はい...これは確かにウミガメのスープです......
シェフ
間違いありません.....
店員
(...？)
男性客
......そうか
男性客
いや、それならいいんだ
男性客
ありがとう、いい料理だった
男性客
では、そろそろお暇させていただこう
店員
それでは、こちらへどうぞお客様
シェフ
......
男は慣れた風に会計を済ませて 満足げに店を出て行った
ここまではよくある レストランの話
そして
この数日後だった
この街で一番人気のレストランが 一晩でつぶれたのは
この衝撃的な事件について ある新聞記者は語る
新聞記者
ああ知ってますよ勿論
新聞記者
あのレストランの事件ですね
新聞記者
え...？
新聞記者
店の不祥事が漏れた原因...？
新聞記者
...確かに、あの店の偽装工作は
完璧でした
完璧でした
新聞記者
でも、ある晩にとある客が来店
したのです
したのです
新聞記者
ほら、例の遭難事故の生存者ですよ
新聞記者
そう
新聞記者
なんでも
新聞記者
その人が
別のレストランで
ウミガメのスープを頼んだのが原因だとか
別のレストランで
ウミガメのスープを頼んだのが原因だとか
おわり
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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