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エセ関西弁 病み
零の片割れ
零のおまけ
双子の普通の方
双子のできない方
零の劣化版
ずっとそう言われ続けた
知らない人にも
クラスメイトにも
友達にも
そして
"親"にも
たしかに俺はアイツと比べて
勉強も
運動も
人気度も
人を引きつける魅力も
全部、
全部
劣っていて
あいつに勝てるとこなんて1つもなかった
俺は零の隣にふさわしくないから
零の邪魔になってしまうかと思ったから
この世から消えようと思った
それなのに
零
キキーッ ドン
碧
碧
碧
碧
碧
俺が轢かれそうになったとき
零は俺を突き飛ばして犠牲になった
そこからはあんまり覚えていない
ただ毎朝起きて絶望する
毎朝聞こえてきた零の声が聞こえなくて
なにか物足りなくて
ご飯を食べるときの椅子に空席があって
二段ベッドの上には誰もいない
その
誤魔化しようのない事実が
俺を支配する
今すぐにでも
零の後を追いたいのに
体が動かない
あの日以降
自分がどうやって学校に行ってるのかも分からない
ただ思うのはひとつだけ
"零"じゃなくて
俺が"死ねば"よかったのに
あれから何年かたった
最近は体が動くようになった
自分の記憶も残るようになった
でも
やっぱり"なにかが"足りなくて
俺の心にはポッカリと穴が空いたまま
もうこの穴が塞がることはない
俺は屋上へ向かって足をすすめる
碧
そして空に向かって言葉を放つ
碧
碧
碧
碧
次の世界では零とずっと一緒にいられることを願って
俺は空に向かって身を投げた
〜END〜