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カタリナ
王子たちの華やかで個性的な雰囲気に圧倒されながらも、どうにか自己紹介を終えたカタリナは、心の中でほっと息をついた。
???
その時、屋敷の奥から低く穏やかな声が響いた。振り向くと、優雅な足取りで歩いてくる2人の青年がいた。
カタリナ
カタリナがぱぁっと顔を輝かせる。
一人はカタリナと同じ茶色の髪に落ち着いた雰囲気を纏った青年ーーリアム・クラエス。
カタリナの兄で周囲からは「リアム様」と呼ばれるクラエス家の跡取り。
もう一人は、柔らかな栗色の髪に優しい眼差しのキース・クラエス。カタリナの義弟で、誰よりも妹想い。
リアム
リアムは落ち着いた声色でそう告げ、一歩前に出た。
キース
キースもにこやかに一礼する。
カタリナ
カタリナが嬉しそうに2人に駆け寄るとキースが軽く頭を撫でた。
リアム
リアムはそんな2人をみながら、ちらりと六人の王子たちに目をやった。
リアム
その鋭い視線を受けて、王子たちは少しだけ背筋を伸ばす。
ななもり
莉犬
さとみ
ころん
ジェル
るぅと
個性的な紹介が続く中、キースは小さく微笑みながらカタリナに耳打ちした。
リアム
カタリナ
カタリナは顔を真っ赤にして、きょとんと王子たちを見る。
その視線の先で、莉犬は耳をぴくぴく動かしながら無邪気に笑い、さとみは興味深そうにカタリナを観察し、ころんとるぅとは小声で口喧嘩を始め、ジェルはにやにやと楽しげにそれを見て、ななもりはそんな兄弟たちを静かに見守っていた。
ーークラエス家とヴァルトリア王国の王子たち。 それは、思いもよらぬ運命の出会い。
誰もまだ知らない。この日を境に、カタリナと六人の王子たち、そしてリアムとキースを巻き込んだ、騒がしくも甘く、そして少し切ない物語が始まろうとしていることを。