優太から逃げて走って家に 帰ってきた大飛 バタバタと玄関で靴を脱ぎ捨て 真っ直ぐ風呂場に向かう
汗で張り付いたシャツを脱ぎ捨て シャワーを勢い良く流す
大飛
お湯を頭から被る 震える体をギュッと抱きしめて 鏡に写る自分を見ると 体に刻まれた情事の痕に目を背ける
大飛
佐藤は元々気軽に人に話かけるような タイプではなく、物静かで淡々と 業務をこなすようなタイプ
そのせいか一見気が弱そうに 見られがちだが、その反対で気が強く 会議などでもよく衝突していた
同期の飲み会にも一切参加せず 愛想も良くない一匹狼
最初こそ同期のよしみで 話しかけたり飲み会に誘っていた大飛も あまりの頑固さに骨が折れ 今は会社ですれ違っても話しかけもしない
それなのに
この間からの佐藤は別人のようで
まるで人格が変わったように思う大飛
大飛
大飛
ピーンポーン
部屋で寛ぐ大飛に来訪者を知らせるチャイム
ドキリと脈打つ心臓に手を当て モニターを覗くと配達員の姿 が見えて安堵する
大飛
『こんちは~、宅配便です!えっと… 佐藤優太さんからのお届け物です~』
大飛
配達員から荷物を受け取り 宛名を確認すると
『佐藤優太』
大飛
中身を確認すると 1枚の封筒と大飛の服
大飛
服を見ると嫌でもあの日の ことを思い出してしまう
大(服は…捨てよう…) (封筒の中身は…)
大飛
中身は1枚の写真
そこに写るのは、
ベッドの上で眠る あの日の自分
大飛
乱れる呼吸と震える体を無理矢理 動かして携帯をとり電話をかける
優太
大飛
優太
優太
大飛
優太
大飛
大飛
大飛
大飛
悔しくて恐ろしくて 涙が溢れる大飛
優太
優太
優太
大飛
優太
優太
優太
優太
ピーンポーン
震える手でインターホンを押す大飛
ガチャ
優太
大(二度と…) (来たくなかったのに…)
優太
大飛
大飛
優太
大飛
仕方なく靴を抜いで 大飛は家に上がる
優太
テーブルに置かれていた優太の 携帯を大飛に渡すと 急いで受け取り画像フォルダを開く
そこに保存された数枚の写真を 震える手を必死に動かして 携帯から完全に消去する大飛
大飛
大飛
優太
大飛
優太
優太
優太の言葉に安堵して その場に崩れるように座り込む大飛 乱れる呼吸も震える体も冷や汗も 全然止まってはくれない
大飛
大飛がそう言うと優太の顔が 苦しそうに歪む
大飛
優太
大飛
大飛の腕を掴もうとする優太から 距離をとって後ずさる大飛
優太
大飛
優太
優太の言葉を遮る大飛に 傷ついたような表情をする優太 体の奥底から怒りが込み上げる
大飛
大飛
優太
大(ふざけるな…) (何で…) (何でお前が…) (そんな顔するんだよ…)
大飛が優太の顔から視線をそらしたとき 優太に腕を強く掴まれてその両腕に 強く強く抱きしめられる
大飛
大飛
体を強張らせ優太を引き離そうと 泣いて暴れる大飛は呼吸が苦しくなる
優太
大飛
大飛
優太
過呼吸になる大飛の瞳から ボロボロと溢れる涙を 両手で優しく拭う優太
大飛
優太
優太
背中を撫でる優太の手が暖かくて 徐々に呼吸が柔らかくなる大飛
大飛は霞む視界の中で必死に 意識を繋ぎ止めようとする
大飛
『俺より苦しそうな顔するなよ…〇〇……』
ふいに頭に流れる言葉に大飛は なんだか懐かしさが込み上げる
大飛
優太
ハッとした表情で大飛を見る優太
大(あぁ…なんだっけ…?) (前にも…あったような……)
コメント
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つずきまってるよん!
本当に総理大臣なってください
もう最高すぎ!!天才やん! 続き待ってる!!