今日は休日。
ただオレは食材を買うために近所のスーパーへ来ていた。
司
おや、あれは……

司
っ……!

オレは急いで駆けていき、割り込むようにして絵名に話しかける。
司
え、絵名!奇遇だな!

絵名
あっ、う、うん。

絵名は驚いたように目を開いてオレのことを見る。当然といえば、当然か……。
??
なんだ……こいつ……絵名、知り合いか?

その男は絵名のことを親しげに名前で呼んでいる。やはり彼氏なのか…?
絵名
うん、学校の。

??
まじか、てっきりやばいやつかと……。

ぼそりとそう言うと、その男は軽く喉を鳴らしこういった。
彰人
……こんにちは、東雲彰人です。絵名がお世話になってます。

司
オレは天馬司だ。それで君は絵名とどういう関係なんだ?

彰人
はぁ……。弟ですけど

司
む、それは本当か?

彰人
はい……。

司
っそうかそうか!!良かった、安心したぞ。もし彼氏ならばどうしてやろうかと!

彰人
絵名のこと好きなんすか?

絵名
…………

司
まあそうなるな!いやあそうか!仲良くしようじゃないか!

彰人
……こんなやつのどこがいいんだか

絵名
ちょっと、聞こえてるからね?

司
実を言うと一目惚れで……。まだ性格まではわかり切ってはないんだ。

司
弟だったんだな。安心した安心した。どうだ、何か彰人くんには奢ってあげよう

彰人
いやいや、悪いのでいいですよ。まあこんな姉ですけど仲良くしてやってください

絵名
ちょっと?

司
ああ、言われなくとも。
そういえば彰人くんは何歳なんだ?

彰人
来年で高校生ですね。
司さんは絵名と同級生ですか?

司
そうだ。なら一歳差になるな

彰人
オレも神高受けることになると思うんで、もしかしたら会えるかもしれないです。

司
ほんとうか〜!是非待ってるぞ

彰人
はい。

彰人
(やべーやつかと思ったけど、話しやすいしまあ大丈夫そうか)

絵名
(なんか仲良くなってるし)

司
(──掴みは完璧か?)

絵名に好かれるのも大事だが、家族からの好感度はもっと大事だからな。
外堀を埋めておけば、簡単に逃げることもできないだろうし、信頼感も上げられる。
司
(まさかの自体だったが、弟に出会えたのはアドバンテージだ)

彰人
そういえば司さんは何を買いに?

司
実は今日のご飯はカレーにしようかと考えていたんだ。だからその具材を。

彰人
へぇ、いいですね。どうせなら一緒に回りましょうか。調味料買うように頼まれただけなんで、もう暇なんですよ

絵名
は?何言ってるのよ

司
本当か!ありがたいな

一緒に回れるなんて、いい機会だ。
これを機に仲をできるだけ深めたいが……。
司
そうだ、今日はオレの家に食べに来ないか?

彰人
でも悪くないですか?家族とか……

絵名
うん。いきなりお邪魔するのは……

司
実は色々あって一人で暮らしているんだ。久しぶりに誰かと話しながら食事をしたいなと思って。

司
どうだ?

彰人
それは……

絵名
……そういうこと、なら

司
嬉しいな。久しぶりに人に振るまう料理だ。腕が鳴るな。

司
(家に呼ぶことができるなんて、運が良い)

司
(どれだけ信頼度を上げられるだろうか…………)

次♡2000↑
更新遅れて申し訳ないです。
このシリーズは予め書いてないので時間がかかったり……。
次回は家に二人も呼ぶところから始まります。よろしくお願いします。