ザアザアと 雨が降る
毎日毎日、同じ天気
雨が降り続ける街、『暗灯街』
雨宮
世にも奇妙なこの街は 正しく、世界から隔絶していた
雨宮
雨が降り続ける、 しかし雨水が貯まっていく気配はなく
貯水しようにも、どういうわけか 雨水は地面に落ちると消えてしまう
ただ、雨が降り続けるだけの街
そんなだから 世界から放置された 半ば無秩序なこの街
雨宮
当然 住民も、物好きな奴以外いる筈もなく
雨宮
だからだろうか
雨宮
雨が降っているのに、傘も差さず ポツンと公園に一人
少女
全身を濡らした少女が 気になったのは
少女
少女は鬱屈とした雰囲気で答える
雨宮
俺は ベンチに座っている少女の隣に座る
雨宮
雨宮
少女の髪はずぶ濡れで、 衣服も、水を吸って張り付いている
雨宮
少女
少女の指差す先には、大きめの家
雨宮
少女
雨宮
雨宮
少女
雨宮
少女
驚いた。まさか引っ越しだなんて
雨宮
わざわざこんな街に来ずとも 都会の方に行けばいいだろうに
親が裕福なら、なおさらだ
すると少女は顔を暗くして
少女
雨宮
少女
少女
雨宮
なるほど、引っ越し理由は喧嘩か
確かに、ここは 辺境といってもいい場所だ
友人との喧嘩で傷ついた 少女の傷を癒すには ちょうど良いのかもしれない
でも、喧嘩でここまでやるか?
雨宮
少女
少女
少女
雨宮
これは、少し配慮が足りなかった
年端もいかない子には 苦な話だろう
雨宮
少女
少女
少女
雨宮
少女
雨宮
さっき辛い思いをさせた謝罪 という気持ちで、俺はそれを快諾した
少女
雨宮
少女
少女
少女
少女
雨宮
ふむ、友達が口を聞いてくれなくなったか…
それは確かに酷いな。 少女はその子に謝っているのに
少女
少女
雨宮
少女
雨宮
少女
雨宮
これは、いいのだろうか
確かにここで生活すれば、辛いことを 洗い流せるかもしれない
でも、本当にそれでいいのか?
雨宮
雨宮
雨宮
少女
少女
雨宮
雨宮
雨宮
少女
雨宮
雨宮
少女
雨宮
雨宮
雨宮
少女
少女
少女
少女の顔はもう、暗くなくなっていた
きっとこの明るい表情が 少女の、素の表情なのだろう
雨宮
少女は立ち上がり、 先ほど指を差していた家へと 走っていった
俺は、その姿が見えなくなるまで手をふりつづけた
雨宮
良いことをしたからだろうか
傘を手に持ち、いつもの雨空を見て
雨宮
そう思えてならないのは
ザアザアと雨が降る
雨は地を打ち、消えていく
いつもの風景に、一つの異物があった
それは幼い少年だった
少年は、雨に打たれる
しかし、それに少年は反応を示さない
そこへ少女が駆け寄ってくる
少女は、少年に一礼をする
しかし、それに少年は反応を示さない
それを見届け、少女はその場から去っていった
少年の身体は雨に打たれ続ける
雨と一緒に地へと流れ落ち
地に染み込んでいく
雨が止む気配はない
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