今日はいふくん、お仕事なんだって。
最初は行かないで欲しかったけど、
今日は大事なことがあるらしい。
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…ひとり……
自分しかいないベッドの上で、 小さく呟く。
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はやく…帰ってこないかな…
でも…彼がいる時は外に出してもらえないから、今だけ外に出た。
周りからしたら「束縛が激しい」とでも感じるのだろう。
この彼の束縛を耐えられる僕も、 正気じゃない。
そんなこと知ってるけど…
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石…
…そうだ、最近知った言葉がある。
周りからしたら、これを知っているのが普通なのかも知れないけど…
それが、
石言葉
というもの。
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僕…実は花言葉しか知らなかったんだよね~…
花言葉と言っても、覚えてないけど。
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?……電話…ポチッ
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もしも~し…?
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なぁ、ほとけ。
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ビクッ…ど…どうしたの…?
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なんで家にいないん?
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……え………
なんで…?
いふくん、お仕事のはずなのに。
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………きょ…今日は遅くなるって…
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早く終わってな、帰ったんよ。
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…!!
あぁ…また、まただ。
僕が約束を破る度にこうなる。
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はよ帰ってこいよ。
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…う…うん…ガクガク
始まるんだね。
僕のキライな
刻が。
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ガクガク…
ドアの前。
ドアノブを持つ手が震えている。
きっと…これから始まる刻の所為だろう。
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……ギュッ!
瞳をぎゅっと瞑って、 ドアを開けた。
ガチャ…
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…ガクガク
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か…帰ってきたよ…
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…遅い。
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ビクッ…ごめっ…
ガシッ…!
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……行くぞ。
発されたその声は、
いつもの声より…とても低かった。
【視点↺】
ガチャ…
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…ガクガク
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か…帰ってきたよ…
震えながら伝える君。
あぁ…やっぱり綺麗だ。
でも、今日は違う。
自業自得なのだから。
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…遅い。
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ビクッ…ごめっ…
ガシッ…!
君から"ごめん"の言葉が発される前に腕を掴む。
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……行くぞ。
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コクッ……
そして、半強制でベッドへと向かわせた。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹 【76tap】