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俺は安心しきっていた。
冤罪が晴れ、 事件は終わり、 日常が戻ってきたと思っていた。
奥出
拓斗
奥出
俺のクラスに奥出がいる。
しかも、謎の紙切れを手に持って。
拓斗
奥出
拓斗
あの奥出が、 何の前触れもなく戦線離脱など、 ありえなかったのだ。
奥出
拓斗
奥出
俺は耳を疑った。
そんなに頻繁に出てこられても困るんだが。
拓斗
奥出
拓斗
何か確信があって、 模倣犯がいるなんて言っているんだろうか。
奥出
拓斗
奥出
もはや何のために、 怪文書を作っているのだろう。
拓斗
奥出
拓斗
奥出は全然分かっていない。
俺がどれだけお前のことを、 心配していると思っているんだ。
奥出
拓斗
奥出
じゃあ、なんて呼べばいいんだ。
拓斗
奥出
拓斗
想像しただけでも恥ずかしい。
奥出
拓斗
奥出
冗談か?
拓斗
奥出
拓斗
そんな可愛く拗ねなくてもいいじゃないか。
奥出
拓斗
奥出
奥出が感謝するなんて珍しい。
どうしてそんな急に、 『楽しかった』なんて言うんだよ。
二日後の放課後、 奥出はまた俺のクラスにいた。
拓斗
奥出
拓斗
俺と奥出の位置は毎回同じで、 俺が教室の出入口に、 奥出が黒板の前に立っている。
奥出
拓斗
奥出
意味がないって言ったって、 奥出が続けると言ったんじゃないか。
拓斗
奥出
拓斗
模倣犯に一週間取られてしまったけれど、 奥出とのゲームは正直楽しかった。
奥出
拓斗
奥出
逆にそれを知れなかったら、 俺は何のために、 お前のゲームに付き合ってるのか分からない。
拓斗
奥出
拓斗
気が付けば、俺自身のことを、 『ばか』と認識してしまうようになった。
奥出
拓斗
奥出
そうだよ。 何か悪いかよ。 友人に好きな子を取られてたまるか。
拓斗
奥出
拓斗
俺はあの時、 対して仲良くもない後輩に、 散々言われて怒り心頭だったけど、 奥出はなんであんなに怒っていたんだろうか。
奥出
拓斗
奥出
俺が何か面白いことを言ったか?
拓斗
奥出
拓斗
俺は大袈裟に感謝した。
あと一回、 本当にそれで最後なんだ。