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過去恋〜1年〜

第2話 - 郁翔のキモチ

334

2019年08月06日

#恋愛

#謎

#過去

望音【安心安全部】

莉美

た、ただいま〜…

お母さん

あら、おかえり！

お母さん

もう19時じゃない！

お母さん

何かあったのかと思ってドキドキしてたわよ…

お母さん

自分へのプレゼントは何にしたの？

莉美

え、えーと…

莉美

(ここで全部出してもな…)

莉美

(ここは1番安かったものを…)

莉美

はい、これ買ってきたんだ〜

お母さん

あら！可愛いじゃないそのイヤリング！

お母さん

莉美に似合いそうな気がするわ〜！

莉美

あ、ありがとう

莉美

(でもな…なんか誕生日プレゼントじゃない気がする…)

莉美

(なんでだろう…)

莉美

で、でもね

お母さん

ん？

莉美

そのー、母の日

莉美

私、手伝いすら出来なかったから…

お母さん

あの時は莉美、熱が出てたんだもの

お母さん

仕方ないわよ！

莉美

あの、だから、これ、あげる！

莉美

はい、ネックレス

莉美

可愛いでしょ？

お母さん

まぁ…！

お母さん

あ、いいのよいいのよ！

お母さん

莉美が付けないと似合わないわよ！

莉美

私、、

莉美

大丈夫だから

莉美

…っと、ほら、お母さんの方が似合う

お母さん

そんなことないわよ

お母さん

もうおばさんよ…

莉美

おばさんじゃない！

莉美

お母さんは私のお母さんなの！

莉美

大切な大切な

莉美

美人なお母さんなの！

お母さん

まぁ…莉美…

お母さん

たまには、こういうのもいいわね

ギュッ

莉美

ふふ…

お母さん

ありがとう、一生大事に使うわね

莉美

うん！

莉美

(郁翔くん…だっけ)

莉美

(あげちゃったけど)

莉美

(大丈夫だよね)

莉美

ちょっと…

莉美

あれから毎日気になっちゃうな…

莉美

今日もいるのかな？

莉美

行ってみようかな…

莉美

少しあの子不気味だけど…

莉美

いつの間にか道も覚えてたなぁ…

莉美

最初はここどこだっけ、なーんて言ってたよね、あはは

莉美

あ、付けてくるはずだった指輪…

莉美

忘れちゃった…

莉美

ま、いっか！

郁翔

……

郁翔

ねぇねぇ。

莉美

わ！？

莉美

びっくりしたよ〜…

莉美

今日もいるんだね

郁翔

毎日、来てる。

莉美

あ、そ、そうなんだね…

郁翔

そっちはなんで来たの

莉美

あ、ごめん、名前言い忘れてたね

莉美

私の名前は莉美

莉美

よろしくね

郁翔

あ、うん。

莉美

なんで来たか、かぁ

莉美

普通に、アクセサリー見たかったから、かな

莉美

(嘘ついちゃったけどいいよね〜)

郁翔

……そうなんだ、ね

莉美

う、うん

莉美

郁翔くん、だっけ？

郁翔

そう。

莉美

なんか暗いよね

莉美

どうしたの？

郁翔

…なんでもない。

莉美

そう？

莉美

なんにもないとは思えないけど…

郁翔

なんでもない。

莉美

あ、う、うん、わかったわかった…

郁翔

それで、何買いに来たの

莉美

(はっ、、)

莉美

(お金なんてないよ…)

莉美

き、今日は見に来ただけで、買うつもりはなくて…

郁翔

…いつも買っていかないよね

莉美

…ずっと見てるの？

郁翔

見てはないけど

郁翔

なんか、わかる

郁翔

莉美オーラっていうものが

郁翔

出てる気がする。

莉美

そ、そうかなぁ

莉美

(素朴でダサいオーラなのかな…はぁ…)

郁翔

また、プレゼント、する。((ﾎﾞｿｯ

莉美

ん？なんて？

郁翔

…なんでもない。

莉美

そ、そっかあ

莉美

あ、あのさ、

莉美

郁翔くんはなんで毎日ここに来てるの？

郁翔

……

郁翔

特に理由は、無い。

莉美

理由ないのに来るの？

莉美

…ぷっ

莉美

(やばい、私と同年齢っぽい男が意味もなしに女子向けのアクセサリーショップへ来たかと思うとつい…)

ちなみに莉美は高校2年生である

郁翔

…なに。

莉美

いや、意味もなしに来るんだって思って…ﾌﾟｯ

郁翔

ほんとのこと言えばいいの？

莉美

え

莉美

ほんとの理由なんてあるんだ

郁翔

ある。

莉美

へぇ〜

莉美

なに？

郁翔

……莉美を…見に来てる((ﾎﾞｿｯ

莉美

なんて言ったー？聞こえないよ…

郁翔

もう言わない。

莉美

なんだよ〜

莉美

焦らしておいてそれか〜

郁翔

あのさ

莉美

どした？

郁翔

前の指輪とネックレス

郁翔

付けてきてないんだ

莉美

あーごめんごめん

莉美

今日付けてくるの忘れちゃって…

莉美

こっちに着いた時に思い出したんだよ…

郁翔

へー

莉美

(素っ気ないなぁ)

莉美

う、うん

莉美

じゃ、じゃあなんか今日はもう満足しちゃったし

莉美

帰ろうかな…

郁翔

ならこれ

ｶｻｯ

莉美

？

郁翔

ぶれす、れっと。

郁翔

あげる

莉美

え…

莉美

(これにもタグが付いてる…)

莉美

(ちゃんと1個1個買ってるんだ…)

莉美

これもいいの？

郁翔

…うん

莉美

これおいくら？

郁翔

5900円

莉美

たっか！！

莉美

え、いいよいいよ…

郁翔

俺がつけてもなんにもならない。

莉美

そ、それはそうだけど…

莉美

なんでいっつも買ってはプレゼントしてを繰り返してるの？

莉美

郁翔くんのお金の無駄だよ…？

郁翔

大丈夫だから。

莉美

そ、そう…

莉美

それなら、いただいちゃおうかな

莉美

ほんとに返さなくていいの？

郁翔

いいから

莉美

…ありがとう！

郁翔

……うん

莉美

んー…

莉美

なんなんだろ、郁翔くん…

莉美

なんで私にばっかプレゼントしてくるの…？

莉美

おぼっちゃまなんだろうな…

莉美

はぁ…

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