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……足音が、 確かに聞こえた気がした
でも、振り返っても、 廊下は静まり返っている
——気のせい。 そう思わないと、前に進めなかった
端末の表示を、もう一度確認する
【地点:——未使用室】
……使われてない、はずだよな
ゆっくり、ドアの前に立つ。 鍵は——かかっていない。
ギィ……
小さな音を立てて、扉が開く
部屋の中は暗く、 非常灯の明かりだけが、ぼんやりと床を照らしていた
……誰も、いない
……でも
違和感は、はっきりあった
机の上。 そこに——
一つだけ、端末が置かれていた
ころん
このゲームでは、 脱落したら端末は回収される
なのに
……なんで、ここに?
近づくと、 画面はすでに点いていた
まるで—— 誰かが、見つけられるのを待ってたみたいに
表示されていたのは、 メモ画面
短い文章。 でも、目を逸らせなかった。
【夜に、 “二つ”動いた】
ころん
息を呑む
【一つは、 もう、分かってるはず】
【もう一つは—— “守る側”じゃない】
ころん
占い師? いや、るぅとくんは……。
——のあさん。 ——るぅとくん。 ——それとも、全く別の誰か?
頭の中で、名前がいくつも浮かんでは消える
さらに、下へスクロールする
【もし、これを見たのが ころんなら——】
ころん
なんで、僕の名前……?
【信じすぎるな】 【でも、疑いすぎるな】
【一番静かな人を、見ろ】
画面は、そこで終わっていた
……これ、 誰が残したんだよ。
のあさん? それとも……るぅとくん?
いや
——“脱落した人”とは限らない
背中に、 ぞくっと冷たいものが走る
その瞬間
カチ……
背後で、 別のドアが閉まる音。
ころん
振り返る
廊下の奥。 非常灯の下に—— 誰かの影が、一瞬だけ揺れた
……見られてた?
端末が、再び振動する
【夜の行動、まもなく終了】
——時間が、ない
この“残されたもの”を、 どうする?
誰に、伝える?
それとも—— 黙って、抱え込む?
僕は、唇を噛みしめた。