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非常灯の下に揺れた影は、 次の瞬間には——消えていた
……見間違い? いや、違う
“誰か”が、確実にいた
端末を胸元に引き寄せ、 足音を殺す
廊下は、相変わらず静かだ。 静かすぎる
静かな人を、見ろ——か
頭の中に、顔が浮かぶ 発言が少ない人 目立たない人 いつも一歩、引いている人
……じゃぱぱ。 ……ゆあん。
いや、待て
“静か”って、 喋らないって意味だけじゃない
感情を、出さない 動揺を、見せない
——ななもり。 ——えと。
考えれば考えるほど、 答えは霧の中に沈んでいく
そのとき
ブゥ……ン……
館内に、低く無機質な音
アナウンス2
アナウンス2
……戻らないと
この端末のことは、 今は誰にも言えない
言えば—— “残した人”が、危険に晒される
部屋へ戻る途中、 角を曲がった瞬間
じゃぱぱくんが、立っていた
じゃぱぱ
ころん
視線が、合う。 ほんの一瞬。
じゃぱぱくんの目は、 “探る”ように細められていた
じゃぱぱ
そう言って、 じゃぱぱくんは何事もなかった ように去っていく
……今の、 “静か”だった
部屋に戻り、 ドアを閉める。
カチ……
鍵をかけた瞬間、 端末が、再び震えた。
【新着メッセージ】 差出人表示は——ない。
【“二つ目”は、まだ終わってない】
……は?
夜の行動は、 もう終わったはずだ
なのに
【朝までに、もう一度動く】 【それが“守る側”でない証拠】
——狂人? いや、狂人は“動かない”。
守る側じゃない。 でも、もう一度動く。
じゃあ……。
思考が、そこまで辿り着いた瞬間
ピピッ……
短い、システム音。
アナウンス1
アナウンス1
ころん
規定外?
誰かが、 “夜のルールを超えた”?
アナウンス1
朝。
つまり—— 次の犠牲者が、出る。
……残されたもの。 二つ動いた役職。 規定外の行動。
全部、繋がってる
そして多分——
“気づいた僕”も、 もう安全じゃない。
端末の画面が、暗転する直前
最後に、一行だけ表示された
【——次は、君の番かもしれない】
画面が、消える。
暗闇の中で、 自分の心臓の音だけが、 やけに大きかった