余命1年の君、余命半年の俺

遅かった

ただの体調不良で無いことは分かっていたが、

余命宣告までされているなんて

もっと…

早く聞いていれば

もっと沢山遊べたかもしれない

もっと色々な所に遊びに行ったり

買い物に行ったり

そんな思い出を作れたかもしれない

気がつくと、あいつらは泣いていて

ないこがまろを抱きしめていた

何か言っていたようだったが、

俺は、その内容が

脳に届くまでに消されてしまった

ショックに

後悔に

悲しみに

自分に対する怒りに

泣かせてしまった

ただでさえないこの事で 心がいっぱいなはずなのに

俺の気持ちを爆発させて しまったせいで

泣かせてしまった

心配してくれているのは嬉しい

でも、負担をかけてしまった

数十分話したあと

帰ろうとした

その時、

ないこが顔をしかめた

その直後、

倒れて、

過呼吸まで起こした

俺が固まっている間に、

あいつらが対処してくれた

実は、俺も少し頭痛があったけど

言葉を飲み込み、対処に向かった

ガチャ

みんな自分の思いを語ってる

俺も少しは言わないと

痛みを隠しながら、

俺も少し言うことが出来た

体は正直なようだ

少し話しただけで息が詰まる

頭痛に加え

吐き気までしてきてしまった

戻しそうになりながら

あわてて口に手を当てる

少し吐き気“は”収まった

頭痛は酷くなるばかりで

視界が歪む

かすれた声でそう呟き、

俺は

病院の床に

倒れ込んだ

あいつらが話している声が

遠のいていく

そんなないこの声を叫び声を最後に

俺は意識を手放した