一覧ページ

ボスキと主様

第40話 - 第40話デートは決まってお祭りで (ベリアンと主デート編①)

2024年09月18日

#悪魔執事と黒い猫

#ボスキ・アリーナス

aimer(エメ)

ベリアンと2人、屋台がある通りを歩く。

ベリアン

主様。本日は、ロノくんとバスティンくんとは楽しまれましたか？

主

うん!すごく楽しかったよ!

ベリアン

そうですか。それは、良かったです。でも、それだと、私と周るところはあまりなさそうですね...。

主

あ…。

主

(私、何やってんだろう…。ベリアンにそんなに楽しかったっていったら、プレッシャーになるし、行くとこないよって言ってるようなもんじゃない!私のバカバカ!)

ベリアン

？

主

まだ、周ってないとこもあるはずだから!だから、そことか見て周ろうよ!

ベリアン

ふふっ。

主

？！

ベリアン

申し訳ありません。笑ってしまって。必死に私に気を遣う健気な主様を見ていましたら、つい、可愛らしいと思ってしまいまして。私に気を遣う必要は、無いのですよ。

主

(めちゃくちゃ、大人な対応された!!恥ずかしい////)

主

ごめん…/////

ベリアン

いえいえ。それなら、主様がよろしければ、近くに足湯の場所がありまして、そちらへ行きませんか？

主

うん!行く!

ベリアン

ふふっ。ご立派はお返事ありがとうございます。では、参りましょう。

主

…うん////

主

(ガチで恥ずかしい…////私、これじゃ、子供じゃん…////)

もう少しで夜が来ようとする空の下、木々に囲まれ、簡易的な屋根がある源泉かけ流しの足湯がそこには、あった。

ベリアン

こちらです。

主

あ、私タオル持ってきてない…。

ベリアン

大丈夫ですよ。事前にこちらで準備して参りましたから、主様はごゆっくりおみ足をお湯へおつけ下さい。こちらは、打ち身や疲労回復に効果のある温泉のお湯を流し続けているそうなので、主様のお疲れになったおみ足が、十分癒されることかと思います。

主

ベリアン…私の事、考えてくれたの。

ベリアン

はい。私は〇〇さんの彼氏ですから。当然ですよ。

主

//////

ベリアン

安心されてください。今は、どなたもいらっしゃいませんので、お名前で呼ばせて頂きますが、人が来たら、また、主様とお呼びしますので。

主

ううん。そうじゃなくて…。

ベリアン

？

主

私を彼女だって思ってくれてるんだなってすごく嬉しくて…/////

ベリアン

あ、当たり前ではありませんか!////それでなければ、私は、〇〇さんにあのような行為いたしません！/////

主

///////

主

(思い出しちゃった………/////どうしよう…思い出したら…したくなってきちゃった…////ダメダメ!!そうだ!一緒に足湯に入らないか誘って気を紛らわせよう!)

主

ベ、ベリアン!!

ベリアン

は、はい///いかがなさいましたか？

主

一緒に…足湯…入ろ…/////

その言葉に周りを見渡した後ベリアンは主に微笑み返事をする。

ベリアン

はい。今は、人が来そうもありませんから、よろしいですよ。

そして、主とベリアンは隣同士座ると、主はスカートなので、そのまま足をつけ、ベリアンはズボンの裾を捲り、一緒に足を付けた。

主

きもちい～!

ベリアン

本当ですね。程よい温度です。これであれば、長時間でもつけられそうですね。

主

うん。外にあるから、程よく風とかで冷やされるのかな？

ベリアン

そうかもしれませんね。

そして、2人は暫く、無言で足を足湯につけ続けた。

主

……………。

ベリアン

………………。

主

あ!

ベリアン

いかがなさいました？！

慌てて周りを警戒するベリアンに

主

1番星みつけた!

ベリアン

びっくり致しました…。人が来られたのかと思って…。

主

ご、ごめん。

ベリアン

いえいえ。私が、少し臆病なだけですので、お気になさらずに。

主

うん…。

主

(また、やらかしちゃった...…。)

主

(今日、私、ダメダメだな...｡)

主

はぁ...…。

ベリアン

……………。

ベリアン

(どうしましょう。〇〇さんにため息をつかせてしまう程、落ち込ませてしまって……。やはり、私とでは楽しめないのでしょうか…。)

そして、少ししてから、お湯から足をあげると、ベリアンが準備したタオルで足を拭き、足湯を主とベリアンは後にした。

また、屋台の通りに来る2人は、少し気まずい雰囲気で、言葉が出ず、押し黙りながら歩く。

主

……………。

主

(どうしよう。なんか、気まずくなっちゃった…。なんて、声をかけたらいいんだろう…。)

ベリアン

………………。

ベリアン

(なぜ、私は驚いてしまったのでしょう…。あれから、気まずくなったのは間違いありませんし、なんてお声がけしたらよろしいのでしょうか？)

そんな2人に助け舟を渡すように、声が聞こえてきた。

輪投げ屋の親父

そこの兄ちゃん、姉ちゃん、湿気た顔してんなぁ～。どうだ？輪投げでもして気晴らししないかい？

主

あ、はい。

ベリアン

はい…。

そして、2人は輪投げをすることになり、ベリアンは自分の分と主の分の料金を支払う。

主

ベリアン。私も出すよ!

ベリアン

いえ、よろしいのですよ。主様の分は、私がお支払いしますから、お気になさらずに。

と微笑むが、まだ少し陰りのある微笑みであった。

主

ベリアン…。

輪投げ屋の親父

これは、失礼しました。貴族様のご令嬢様でしたか？そうとも、知らず……。お金はお返ししますので、どうか、ご無礼をお許しください。

と頭を下げる輪投げ屋の親父さん。

主

いえ、私は…。

といいかけたが、それをベリアンは制し、

ベリアン

いえ、お金は、そのままお受け取りください。そちらも商売をされているのですから。それに、私の主様に失礼さえなければ、問題は起こることもございませんから。

輪投げ屋の親父

はい。わかりました。以後気をつけさせていただきます。貴族様のご令嬢様の寛大なるお心に感謝いたします。

とさらに深々と頭を下げられ、主は、自分のことがわからなくなり、その場を離れ走り出す。

主

………うっ…。

タッタッタッ

ベリアン

主様!!

タッタッタッ

ベリアンもすぐに追いかけたが、人混みの中、主を見失う。

当てもなく歩き、少し開けた場所につき、そこに座り込み、空を見上げた。

主

私ってなんなんだろう……。

主

(ベリアンに主として、見られる私と彼女として見られる私の2面性。それは、今までもボスキやフェネス、アモン、ハウレス、バスティンみんな同じだったはずなのに…。なんでだろう…。ベリアンのことが急にわからなくなった。)

主

う……ぐすっ………うぅ……

主

(ロノとバスティンと楽しかったとか言って、プレッシャーかけちゃったり…私が子供過ぎて気まずくさせちゃったり…。貴族のご令嬢様扱いなんて今までだってされたし…慣れてるはずなのに…なのに…。)

主

寂しいよ……。

主

ぐすっ……うぅ...ぐすっ…

主

好きなのに………好きって言われたい…。

主

みんなの前で、堂々と歩きたい……。

主

彼氏、彼女でいたい……。

主

うわぁぁぁ………。

主

(私、ベリアンみたいに大人じゃない!割り切れない感情が今になって、爆発するなんて…。)

ベリアン

主さまぁ～!はぁ…はぁ…。

ベリアン

(私は、本当に〇〇さんを理解していなかったんですね。そうですよね。デートなのに、デートらしいこと一つも出来てないうちから、気まずい空気を作ってしまって…。一緒にいたくなくなるのも仕方ないですよね…。それでも、私は…〇〇さんを失いたくない!どこにいるのですか？)

ベリアン

〇〇さぁ～ん!!!

絶対に犯してはいけない禁忌を犯す。執事が主の名を公で呼ぶという禁忌を。

そして、また、走る。主を探しに。

主

そういえば、あの日の夜のテラスで、私、ベリアンにあの星空の下で告白されたんだよね…。嬉しかったな…。

主

(もう…過去形…。私、こんな迷惑かけたし、きっと振られちゃうな…。それに、探されてるよね…。いや、あれからもうだいぶ時間たったから。もう、探してないかも…。)

主

帰ろっかな…。あっちの世界に…。

そう、思いかけた時、声が聞こえてくる。

謎の声男性

…………ぁん!

主

なんだろ……？

謎の声男性

………さぁん!はぁ…はぁ…

主

誰かを探してる？

ベリアン

〇〇さぁぁん!!どちらにっおいでなのですかぁぁぁ!!はぁ...はぁ…ゴホッゴホッ

主

ベリアン？……え？あれからもう…かなり時間がたったのに………。まだ、探してくれてるの？しかも、私の名前よんで……咳までして…ぐすっ…うっ…もう、行くから……だから…それ以上名前呼んじゃダメだよ………。ベリアンが罰を受けちゃう…そんなのダメ!

直ぐに、立ち上がると主は、ベリアンの声のする方へ走って行く。

主

ベリアぁぁぁン!!はぁ…はぁ…

ベリアン

〇〇さぁぁぁんっ!!ゴホッゴホッ…はぁ…はぁ…

主

ベリアン!!!

ベリアン

〇…〇…さん？〇〇さん!お怪我は…ゴホッゴホッ…ないですか？申し訳ありません。咳なんてしてしまって…はぁ…はぁ…。

かなり汗をかき、髪もボサボサ、咳をし、走り続けたのだろう。息も絶え絶え。そんな姿のベリアンを見て。

主

なんでそんなになるまで私を探したの？！向こうに帰ってたらどうしてたの？！

ベリアン

〇〇さんが、はぁ...はぁ…私たちに一言もなしに…はぁ…はぁ…いなくなるような人でないことを私は知っています。はぁ...はぁ…

主

ベリアン…。ごめんなさい。ごめんなさい!

そういうと、ベリアンに抱きつく私をベリアンは、離そうとする。

ベリアン

〇〇さん？！ダメです。私、今かなり汗かいて汗臭いですから!〇〇さんに汗の臭いがうつってしまいます!!

主

いいの!!構わないから!!

と頑なに離そうとしない主に、周りの目など気にせず、抱きしめるベリアン。

ギュッ

ベリアン

〇〇さんが見つかって良かったです…。怪我をしていなくて良かったです…。変な人達に襲われていなくて良かったです…天使に遭遇していなくて良かったです……すごく、すごく、心配致しました!本当に無事に帰ってきてくれて良かったです。

主

ごめんなさぁい!うっうっぐすっ…。

ベリアン

私の方こそ申し訳ありません。彼氏らしいこともデートらしいことも何一つしてあげられなくて…気まずい空気を作ったりして…。これは、私への罰ですね。

ベリアン

〇〇さんが彼女になってくれたことが嬉しくて、〇〇さんのことを勝手にわかった気になり、こんなに苦しませてしまいました…。

ベリアン

執事としても、彼氏としても失格ですね。公の場で主様の名前を呼ぶなど決して許されることではないのに…。それでも、私は、あなたの名を呼ばずにはいられませんでした…お許しください…。

主

ベリアン。私、今はベリアンの主になりたくないの。ベリアンの彼女になりたいの。お願い。だから…。

ベリアン

参りましょうか。彼氏、彼女で許される場所に。

そういうと、ベリアンは、主の手を引き、歩き出す。

暫く歩くと、気持ちが落ち着き始める主に安堵するベリアン。ベリアンも息切れが落ち着き、近くの宿屋へ入る。

ベリアン

少しお待ちください。汗がひどいので、流してきますから。

主

いなくならない？

ベリアン

なりません。〇〇さんこそ、私がシャワー中にいなくなったりしませんか？

主

うん。ここにちゃんといる。

ベリアン

わかりました。〇〇さんを信じます。

そういい、シャワー室へ入って行くベリアン。

主

(あんなに、私を必死に探してくれて嬉しかった…。私のワガママで、あんな大変な思いしたんだもんね。今日は、私が頑張ろう////)

変な気合いを入れる主であった。

次回へつづく

ボスキと主様

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

aimer(エメ)

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

ボスキと主様

第40話 - 第40話デートは決まってお祭りで (ベリアンと主デート編①)

作者の他の作品すべて見る

#悪魔執事と黒い猫の新着小説
一覧

関連するタグ

ボスキと主様

第40話 - 第40話 デートは決まってお祭りで (ベリアンと主 デート編①)

作者の他の作品すべて見る

#悪魔執事と黒い猫の新着小説一覧

関連するタグ

第40話 - 第40話デートは決まってお祭りで (ベリアンと主デート編①)

#悪魔執事と黒い猫の新着小説
一覧