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結木凛

🪥🫧‪

歯磨きをしながら ぼんやりと自分の髪を見つめる。

胸下まで伸びた黒髪。

ショートとは程遠い 生粋のロングだ。

「やっくんはやっぱ ショートが好きなの?」

「好き〜」

結木凛

はぁ…

朝から思わず溜息を吐く。

長年ロングの私には、

今更ショートにまで 切る勇気はない。

切ったとしても ミディアムが限界というものだ。

お姉ちゃん、いつまで歯磨きしてるの?

早く鏡交代して!

結木凛

あぁ、ごめん

妹からクレームが入ったので、

さっさと口をゆすいで 洗面所を出る。

ゆらゆらと揺れる長い髪を 初めて鬱陶しく感じた。

結木凛

痛っつ!

友達

凛!

その日の朝練。

私はレシーブ練習で 足を捻ってしまった。

友達

大丈夫!?

コーチ

救急箱持ってきて!あと冷やせるもの

座り込む私に 部員達が慌ただしく動く。

結木凛

大丈夫、これくら…い゙っ…

コーチ

動かない動かない

立ち上がろうとする私を コーチが制止する。

靴と靴下を脱ぐと 足首が少し腫れていた。

コーチ

骨はいってなさそう…捻挫だね

コーチ

保護者の方に連絡を…

コーチや顧問、 部員達が何か話しているけど、

頭に入ってこなかった。

今まで部活で 怪我はしてこなかった。

合宿まで1週間と少し。

インハイ予選まで 約1ヶ月しかない。

こんな大事な時になんで…。

コーチ

とりあえずベンチへ

友達

動ける?

同じ3年の友達に 肩を貸してもらって、

何とか立ち上がる。

恋愛といい部活といい、

高校最後の1年だと言うのに 不運ばかりだ。

言葉に出来ない焦燥感に、

私は何も言うことが 出来なかった。

その後母が迎えに来てくれて、

私は早退して すぐに病院に行った。

正 反 対 で も 好 き っ て 言 っ て

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