あれから十何年後
綺華
♪♪
朝華
ままぁ!
綺華
ん〜?どうしたの朝華
朝華
ママのね!お部屋からこれ出てきたんだけどだあれこれ!
綺華
…!
綺華
これはね…ママの今でも忘れられない、恋人
朝華
へぇ〜!!!
朝華
かっこいいね!
綺華
うん、でしょ?
綺華
あれ、…朝華今日何日?
朝華
今日は○月✕日!
綺華
あ、ママ少し出かけて来なきゃ!
朝華
なんでママ毎年○月✕日は出かけるの?
綺華
大切な人が居なくなっちゃった日なんだ
朝華
そうなの?
綺華
うん
綺華
だから……お花を持って行かなきゃ行けないの
朝華
そっか!ママ気をつけてね!
綺華
うん
綺華
朝陽くん…
綺華
今年も来たよ
綺華
…
綺華
私ね…今でも忘れてないよ朝陽くんのこと
綺華
…私の大切な人だもん
綺華
5年前から話してたと思うけど
綺華
娘が…ううん朝華が
綺華
ーーーでね
綺華
ーーーーなんだよ
綺華
…朝陽くん…聞いてるかな?
綺華
私今…とっても幸せだよ
綺華
…朝日はまた昇る…当たり前のことだけど
綺華
当たり前がいつか壊れる…
綺華
その日まで私は生きようと思うの
綺華
もちろん幸せも持ってってね
綺華
…じゃあまた来年来るね
綺華起きて?
綺華
…ん、?
朝陽
やっと起きた
綺華
え、っと、?
綺華
朝陽…なの、?
朝陽
そうだよ綺華
朝陽
先に行っちゃってごめん…
綺華
朝陽…!!
ぎゅっ
綺華
触れる…!
朝陽
…ここは夢の中…だから触れるんだと思う
綺華
そうなの…?
朝陽
うん
朝陽
綺華……会いたかった…ッ、
綺華
私も…
朝陽
ごめんね…
綺華
うわぁーぁぁん…グスッ
綺華
朝陽くん…私、私ね…!!
綺華
ずっとここにいたいよ、ッ、
朝陽
…!?
朝陽
ダメだよ…
朝陽
綺華は生きてて、娘ちゃんもいるんだから、
綺華
いやだ!
綺華
もう、二度と離れたくないの!…
朝陽
ダメ…生きてて欲しい
綺華
いやだ……朝陽と入れるなら…どうなってもいいの…
綺華
ダメかもしれない…だけど私は次朝陽に会えたら離さないって決めてたの!
朝陽
…それでも…僕は綺華に生きてて欲しい、生きて幸せになってくれたらそれでいいんだから
綺華
朝陽は…私と居たくないの?!
朝陽
…居たいよ…でも僕はもう、死んでるからッ!
綺華
じゃあ私が死ねば、一緒に居られる…
朝陽
そんなこと言わないで…!!!!!!!
朝陽
僕はただ…綺華に生きてて欲しい、
朝陽
僕みたいに早く死んで欲しくないんだ、
朝陽
綺華には…僕より素敵な人が居るから…ッ…グスッ
綺華
…私には、朝陽くんより素敵な人なんて、居ないと思う…だからね、
綺華
朝陽くんと過ごした日々も最後も名前も…一回も忘れたことは無い
綺華
…お願い…一緒に居させて…ッ、
朝陽
…朝華ちゃんはどうするの?
綺華
…!
朝陽
そんなに言うんだったら…
朝陽
折れるよ…
朝陽
大好きな綺華のお願いだから…
綺華
…朝華は……産んだ子じゃない、
綺華
だから…ただ似ているだけで
綺華
大事でもない…
朝陽
…そっか
朝陽
…綺華愛してる、
チュ
綺華
朝陽くん…!?!?
朝陽
…知ってる?
綺華
…?
朝陽
死んでいる人に夢でキスされたら
朝陽
その生きている人は、もう現実には戻れない
朝陽
何故ならば…そこで契約してしまうから
朝陽
天国の友達に聞いたんだけど…本当みたいだね
綺華
…体が…軽く、
朝陽
天国へ行こうか
朝陽
契約した死んだ人が天国でも地獄でも死んだ人が居るところに行ける
朝陽
だからね
綺華
…朝陽くん…
愛してる
END