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世の中には、沢山恋愛をしている人が存在する。もちろん俺もそのひとりであるし、その中でも恋心が一方通行のままの仲間のひとりである。

俺が今住んでいる、日本という国ではあまり同性愛の風潮が存在していない。 でも、そんな中でも同性愛を主にしている人も少なからずいるわけで。

その分類に、俺は含まれている。

楽屋にて。

道枝駿佑

おはようございます

いつものようにゆっくりと楽屋のドアを開け、メンバーに挨拶を交わす。

全メンバー揃っているからこそ、わいわいと騒がしい楽屋。 そんな中でも、俺が一番最初に視界にとらえた人物は、もちろん俺の想い人だった。

長尾謙杜

みっちー今日いつもより来るの遅かったな〜

道枝駿佑

そうか?たいして変わらんやろ

長尾謙杜

まぁそうやなぁ〜

さっきまでいじっていたスマホの画面を閉じ、リュックの中にしまっては俺と会話を続けようとしてくれている。

そんな些細な行動ですらも嬉しいと感じてしまう俺は結構重症なのかもしれない。

スタッフ

おはようございます。今回の雑誌撮影に関して、説明させていただきます

楽屋に入ってきたスタッフさんに一言反応をし、近くの椅子に腰を下ろす。

スタッフ

今回はソロの写真撮影と、加えてペアでの撮影をさせていただきます

スタッフ

ペアは道枝さんと長尾さん、大西さんと西畑さん、そして大橋さんと藤原さんと高橋さんです。

スタッフ

立ち位置の指定などはありませんが、カメラマンからの指示がありましたらそちらに従うようよろしくお願いします

そしてその他の説明を終え、スタッフさんは楽屋を後にしてしまった。

長尾謙杜

みっちーとの撮影久しぶりやんな

道枝駿佑

確かにあんまやってなかったもんな

最近段々と減った長尾との写真撮影。

この時だけは自分の気持ちのままに長尾に近付くことができるから、アピール出来る唯一の時間なのだ。

とはいえ、スタッフさんなども沢山いるので、対して大きなアピールが出来るわけではないのだが。

久しぶりのペア撮影に胸が高鳴ることに気付かないふりをして、俺は午後からのドラマ撮影の台本に目を通した。

今回の俺たちの撮影スタジオは、学校をモチーフとしている場所だった。

カメラマンさんからの指示は、仲のいい友達の日常を表現すること。

長尾がふざけて黒板に相合傘を描く。それの横に俺も変な落書きをしているたったそれだけの場面を一枚の写真に収めた。

何枚か写真を取り終え、カメラマンさんがカメラの確認をしている間、俺たちは自由時間になった。

長尾謙杜

相変わらずみっちーの落書き下手やな

道枝駿佑

長尾の相合傘も歪やん

長尾謙杜

みっちーのに比べたらマシやろ!笑

道枝駿佑

マシやないわ!

道枝駿佑

それにこの相合傘、まだ完成してないやん

長尾が書いた相合傘は、長尾の字で書かれた「けんと」の文字のみ。

相手の文字が書かれておらず、相合傘としては機能していなかった。

長尾謙杜

えぇ〜、これじゃダメなん?

道枝駿佑

俺が完成させたる

白のチョークを握って、空いているスペースにゆっくりと文字を書く。

我ながら汚い字だが、今回は見逃して欲しい。

長尾謙杜

、、みっちー?

道枝駿佑

よし、これで完成やな

長尾謙杜

いや、意味わからへんのやけど

相合傘には長尾の字で「けんと」。

そしてその横に俺の文字で「しゅんすけ」と書かれている。

道枝駿佑

意味も何も、そんままやん

長尾謙杜

いやそれやとみっちーが俺の事好きて言いよるもんやで?

道枝駿佑

長尾がそう思うんならそれでええんやない?

長尾謙杜

な、なんやねんそれ!、

俺の後ろで騒ぎ立てる長尾を横目に、俺はスタッフさんから貰った水をひとくち飲む。

そんな俺を見つめる長尾は、少し頬が赤く染っていた。

長尾謙杜

、、、。、あほ、。

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